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サフラン色の栄光──不滅より終焉を贈るまで
第三十五話 前編

『殿下、初めてお会いした時のことを覚えていますか。
今は過ぎ去った夏の日、太陽が眩しかったですね。
私の膝丈ほどの背しか無かった貴方が私を見上げた時、翡翠色の瞳が宝石のように輝いていて、綺麗だと思いました。
同時に、戦いというものを知ってその瞳が曇ってしまわないか恐れました。
争いは人の心も殺めてしまうからです。
でも貴方はただ、直向きに歩んでおられましたね。
何度私に打ちのめされても、果敢に課題に挑んで、叩きのめされて、それでも前を向いていた。
そんな姿に憧れていたんです。
私は未だに過去の記憶を引きずって、度々後ろを振り返っては、道に刻まれた死の数に震えていたから。』

流れる雲が月を隠して、一瞬だけ陰が差す。
光が戻ったら、彼の瞳から光が奪われるのではないかと思った。
でもまだ、大丈夫らしい。

『殿下がお誕生会の後に誘拐されたこともありましたね。
肝が冷えたんですよ。
この国の第二王子だからというだけでなく、私の大切な弟子が危険に晒されていると思うと、本当に怖かったんですからね。
ご無事でよかった。
そういえばあの時、お礼にとブローチを贈ってくださいましたね。
今でも大切に身につけております。
澄んだ青色をしていて、見る度に心が安らぐような気がして。
実は毎日、身につける前に十数秒は眺めているのですよ。』

彼が瞬いた。驚きからなのか、嬉しいからなのか、意外だと思ったからなのかは分からないが、反応が返ってきたことが嬉しかった。
舟も順調に進んでいる。
この分ならまだ、大丈夫だと信じたかった。
だからもっと過去の記憶に思いを馳せる。

『それから数年ですか。
化け物だの怪物だのと私が呼ばれていても気にもせず、何かと話しかけてくださいましたね。
鍛錬も順調に進んで、剣の腕も申し分なくなって。
シエラの話では、ヴィリディス殿下も剣を褒められていたとか。
私は誇らしく思いました。
その頃から、帝国とはいざこざが増えていましたね。
小競り合いとはいえ戦が起こるたび、貴方が心を痛めていたのを知っています。
なんと声をかけて差し上げれば良いか分からなくて、私は何も言えませんでした。
殿下は沢山成長していたのに、私は何も成長出来ていなかった。
クレストのように励ますことが出来たら良かったですね。
そうそう、急に騎士団長になると仰った時は心臓が口から飛び出るんじゃないかというくらい驚いたものです。
シエラから聞きましたよ、早く師匠に追いつくんだって城中にある禁書以外の書物を全て読まれたとか。
私が言えたことではありませんが、お体が心配でした。
全く、貴方は私を心配させてばかりですね。
でも私の後ろをついて回っていた貴方が、私の横に並んで立つようになって、嬉しかった。』

本当にそうだったろうか。
彼はちゃんと隣にいたんだろうか。
いつも先を行ってはいなかっただろうか。
生き急ぐように、死に急ぐように、私さえ置き去りにして走ってはいなかっただろうか。
待ってほしくはなかったか。
一度止まってほしいと思ったことはなかったか。
真っ直ぐ前だけを見て走る姿を見ていたが、それは……それは後ろ姿ではなかっただろうか。
月が一番高い位置で輝いている。
月光に照らされた彼の姿は悲惨だった。
足元は皮膚が溶け落ちて、骨が見えている。
その骨すら黒ずんでいて今にも崩れ去りそうだ。指先の方も。あの色が彼を蝕んでいく。
首元まで、もう。
ルーヴェリア「っ……」
失いたくない。
だから彼女は、部分的にでも元に戻らないか時間遡行の魔術を使ってみた。
でも、ダメだった。
先ほどと何も変わっていないことと、この侵蝕の早さでは城に辿り着く前に彼は死んでしまうと分かってしまった。
これが悪い夢なら良いのにと思った。
何年か前の自分が見ている夢ならば。
目が覚めたら身支度をして騎士団の宿舎に向かうのだ。
道中でクレストと合流して、稽古場で騎士団やアドニスに稽古をつけて。
昼前にだらしない格好をしたテオに小言を言って普段の倍走らせたりして。
覚めてほしい。醒めて。
いつの日かと同じ気持ちになった。
目を閉じて開いてみても、そこに広がる光景は何一つ変わらない。
アドニスの頬に温かな雫が一つ、二つと滴り落ちる。
GRAVITY
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みのる

みのる

お疲れ様O2。こんにちは爛爛。
そして今日は幸福論。


先ずはO2終わりましたーー!終始笑いっぱなしの状態です。私、この人の書くシナリオ好きなんですよね。前から回したいと思っていたシナリオを好きな方々と1陣を迎えられて最高でした。本当にギリッギリな戦いでしたが、無事に生還出来てよかったです。
やっぱ、昨日の出目はおかしかったんや。
KPも…PLも…。

倫理観をPCがなくせば、出目は生かせられなかった!!!!あとで出目集計をみたら、80~100の数値の高さに泣きました。

まあ、そのおかしな出目は、後にはじまる爛爛のPLにも引き継がれたわけなのですが…っ。ファンブルとクリティカルの数値は同じ確率な筈なのに…なぜっっっ!!!!

ちなみにO2の笑えたエピソードとしては、テストプレイをした感想が添えられたものがあるのですが…その中で書かれた内容と同じことを言っているPLがいたことですね。
言いたくなる気持ちが分かるので、私は無言で頷いていました。

長い間お付き合いありがとうございます!!!
そして爛爛は始まりましたね。もしやHO1は、回した卓の中では一番の最年長になっているんじゃないかなーと思います。おじ…いえ、そんな素敵なお兄さんっ。

HO2は元気さと明るさがあるのですが…んーー、ほら、あの…HO1もそうだけど、色んな意味でセンスが独特でした。服装選びやら、料理を作らせたら…駄目な部類かも?…喜んでくれる人がいればいいね!!!

こんな二人組で始まり…、今日は幸福論!
出目を洗っておいでと言った箇所なので、無茶苦茶ドキドキしながら卓をしてきます。
TRPGの星TRPGの星
GRAVITY
GRAVITY13
シュウ

シュウ

東方Project二次創作
宵闇奇譚

「第10話 闇夜異変対策捜査本部」

「まだ頭がクラクラしますねぇ」

やっと動けるようになった美鈴は首を振りながら立ち上がる

「大丈夫?美鈴」

咲夜が美鈴に付き添っている
「丈夫なだけが取り柄なんで、大丈夫ですよ」と微笑みかける
実際人間なら下手をすれば死んでいてもおかしくない打撃を受けて、痛かったと済ましている辺り、美鈴は本当に丈夫な妖怪なのだろう

「しかし都さん
あんな負け方するとは思いませんでしたよ
流石は宵闇ルーミアさんのお弟子さんですね」

都の事を認めたのだろう
美鈴はフランクに接している
逆に都は騙し討ちで勝ったせいか、妙に恐縮してしまう

「いいですか?都さん
貴方はこの紅美鈴に、知略で勝利したのですよ
戦いとは勝った方が強いのです
例え実力的に下でも、それは知恵で補えると証明したのです
胸を張っていい事ですよ」

「ありがとうございます」と益々恐縮してしまう都

「都ってあんな強いんだ・・・
知らなかった・・・」

試合を見ていたミスティアが呟くと「あんた修行を手伝ってたんでしょ?」と、隣の霊夢が突っ込みを入れる

「実はキャーキャー言いながら、逃げ回ってただけだし、宵闇ちゃんはギリギリを狙え、でも当てるなと無理難題言ってるなぁと思ってただけだよ」

と悪びれないミスティア
しかし霊夢は考える
普段フヨフヨ森の中など飛んでいるだけで、特に悪さもしないが何を考えてるかも分からないルーミアが、稗田阿求、小兎姫の里の自警団に協力して、食事を確保したり人里を自由に出入りしていい許可を貰っていたりと意外と社交性がある

「あのルーミアがねぇ」

霊夢の言葉にミスティアが「ルーミアはお酒飲みたくなると、里でアルバイトもするよ?
言動はアホっぽいけど、そこそこ頭は良いし、見た目は可愛いし人里でも結構人気があるんだ」と笑う
人に人気がある人喰い妖怪と言うのはどうだろうか

「ルーミアがアルバイト?」

「そうだよ
どこかの巫女を名乗ってるニートとは違うのだよ」

意地悪く笑うミスティアに「誰がニートよ」と軽くミスティアの頭を叩く霊夢

「暴力巫女~」

都の方に逃げるミスティア
霊夢は考える
今回の試合を決めたのは奇策である
奇策と言うはそうそう通用しない
初見同士の対戦で、美鈴が格上なのは分かっていた
正攻法では絶対に都は勝てない
自分との組手の時に感じていた事、それは主導権、一度でも主導権を渡してしまえばズルズルと都のペースに嵌められる
そこは魔理沙にも共通する事だ
しかし都は魔理沙以上に虚実の使い分けが抜群に上手い
多分ルーミアの教えによる物が大きい
魔理沙も魅魔に師事していた事はあるが時期か短い
ルーミアは今も都に教えているのだろう
その差は大きい
魅魔とルーミアの教育方針の差もある
魅魔は魔理沙を強者にしようと考えているが、ルーミアは弱者のまま強者と渡り合える事を第一に考えている
人間と妖怪の差をルーミアは理解している
強者から弱者になったルーミアは、弱さを受け入れる強さと柔軟さを学んだのだろう
今回の試合結果が正にそうだ
美鈴の敗因は「美鈴の方が強かったから」としか言いようがない
強かったから負けたと言う、一見何を言ってるの?と問いただしたくなる敗因
かつて孫子は虚をもって実となし、実をもって虚となすと説いている
過去茨木華扇が霊夢にクドクドと説いていたが、自分には向いていないと一瞥もしなかった事が、ここまで有効だと霊夢は思わなかった
人型である以上避けられない弱点を、緻密な戦術を駆使しピンポイントで決める戦術眼
おそらくだが、夜陰流戦闘術だの黒流鞭だの一々言う事すらブラフの一種なのだろう
主導権を握り続ける為の戦術の一つ
そして都は聞けば普通に「そうですよ」とあっさり手の内を晒すだろう
手の内を晒した事によって発生するメリットがあるからだ
その事を都は理解している

「まぁいいわ
都ちゃんと敵対する理由もないし」

そうなのだ
都は明確に人間側の立ち位置であり、ルーミアに何か起こらない限りは人間に敵対する必要はない
そのルーミアですら、稗田阿求が代表をしている人里には受け入れられている
しかもそこそこ人気まである
つまり異変を起こす側にはなりようがない
霊夢にとってはそれで十分なのだ
ミスティアは都に「こうやるの?」と左手をブンブン振っている
普段は屋台を営み、時折幽谷響子とライブを行うミスティアだが、稗田阿求の評価は危険度中、人間友好度も低い妖怪なのだ
本能が戦いを求めるのだろう
強さに対して興味津々である

「皆様お嬢様がおよびです
こちらへどうぞ」

いつの間にか消えていたレミリア
咲夜が皆に声をかける
咲夜の案内で大きめの円卓が置いてある部屋に通された
部屋にはレミリアとフラン、パチュリーと小悪魔代表の通称こあがいる
壁には闇夜異変対策捜査本部とデカデカと書かれた紙が貼ってある
霊夢がはぁ~溜息をついた
レミリアの悪ノリモードが発動している

「全面協力と言った以上、紅魔館の総力を上げて協力するわ!」

「ねぇ、咲夜
大丈夫?」

霊夢が咲夜に囁くと「いつもの事だから」とだけ返してくる

「魔理沙もきっと動いているでしょう
でもこちらも負けられない」

レミリアは辺りを見回す
都がそっと手を挙げる

「都、どうしたのよ」

「あの・・・魔理沙さんはルーミアさんの指示で今、天狗さん達にコンタクトを取ろうとしています」

レミリアはちょっと考える

「なるほどね
宵闇の考えは、天狗達の情報網か
無駄に交友関係の広い魔理沙には適任だわね
飯綱丸も人里への伝手ができるのは悪い事じゃない
魔理沙が変な事しないなら協力できるかもだわ」

このお嬢様は頭は良いのだ
時折乗りと勢いに身を任せ暴走する癖があるだけである
今回のように

都は一言でルーミアの意図を理解したレミリアを尊敬の眼差しで見ている
そんな都の視線にレミリアは満足そうに「ふふん」と胸を張る

「レミリアは頭は良いのよね・・・頭は・・・
ただバカなだけで・・・」

霊夢はこっそり独り言のように呟いた

「パチェとこあは図書館で夜に関係する妖怪か神様をピックアップしてちょうだい」

「分かったわ
レミィ」

暴走モードのレミリアには何を言っても無駄である
親友であるパチュリーはしっかり心得ている

「咲夜は妖精メイド達を使って、人里で情報収集
妖精メイド達なら人里でも怪しまれないで普通に行動できるでしょ」

「はい!紅魔館の妖精メイドは時々買い出しなのどで人里に行きますので大丈夫かと」

そこでレミリアはちょっと考え込む

「そうだ!
吸血鬼の私は今回の事を疑われている可能性があるわ
だから博麗の巫女に協力して異変解決に乗り出したと妖精メイド達に宣伝させなさい
説得力を持たせる為に霊夢も一緒に人里に行ってくれないかしら?」

「人里の様子も気になるし構わないわよ」

と了承する

「都とミスティアはあの捕虜の意識が戻ったら尋問して情報を引き出して、私と咲夜が同席するから」

「分かりました
やってみます」

都が頷くとフランがレミリアに駆け寄る

「フランはどうしたらいい?
フランも、何かしたい」

「当然よ
フランと美鈴は宵闇を探して
確か今は永遠亭に協力要請に向かってるのよね?
お膳立てだけして、引きこもられてら敵わないないわ
絶対に巻き込んでやる」

と、高笑いを決める

『ルーミアさん、あてが外れただろうなぁ
永遠亭の後で絶対姿を隠す気だったろうし・・・』と考え都は苦笑いしている
役割を与えられた事で、驚きながらもやる気になっているフラン
今回も蚊帳の外かと思っていたら尚更である

「美鈴、フランは最近情緒不安定さも落ち着いて来て、本来のフランに戻りつつあるわ
宵闇のサポートできるくらいには賢い子よ
くれぐれも宜しくね」

フランに聞こえないように、美鈴にだけ話しかける

「分かりました
お嬢様のご期待に添えるよう全力で妹様を支えます」

「それと美鈴・・・さっきの試合だけど・・・」

その言葉に美鈴は息を飲む
失態と言われたらその通りだ
叱責されてないだけ不思議であった

「良い教訓になったでしょ?
人間には実力差を覆す知略がある
私も初めて知ったわ
もう私達は人間相手でも慢心しない
これでこの館の守りはより完璧になったと言う事、試合での勝利より得る物が多かったのだから、結果は気にしないでいいわよ
まぁ貴方の事だから、負けた事より勝った都の事を賞賛して認めてるだろうけど一応ね」

美鈴は深々と頭を下げる
言葉なく頭を垂れる美鈴にレミリアは頷くと

「では!各自行動開始よ!!」

レミリアは皆に向けて声を上げた
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吉田賢太郎

吉田賢太郎

​🌸 戦わない強さの詩(うた)
​Ⅰ. 真の勝利とは?
​戦わない、と聞くと
逃げることだと思うだろうか?
違う。それは、最も高い場所で
「勝つこと」を終わらせる方法。
​本当に強い人は、ムダな戦いをしない。
なぜなら、準備ができているから。
いつでも戦える**「武」**の力を
そっと、心の奥にしまっているから。
​Ⅱ. 力と論のまやかし
​強いフリをする人は、
握りしめた拳(こぶし)の力だけで
相手をねじ伏せようとする。
それが、偽の強さ。
すぐに崩れる砂の城と同じだ。
​賢いフリをする人は、
理屈(りくつ)の盾で自分を守り、
言葉で相手を言い負かす。
それが、偽の賢さ。
現実を変える力は、そこにはない。
​Ⅲ. 仁と智という輝き
​では、本物はどこにあるのだろう?
​🌟 真の強さは「仁」(めぐみ)にある。
それは、相手を思いやる心。
あなたが正しい道を歩き、
誰に対しても誠実であれば、
人はあなたを信じる。
信じられた強さは、誰にも破れない。
戦う必要なんて、なくなるのだ。
​💡 真の賢さは「智」(ちえ)にある。
それは、見抜く力、柔軟な発想。
相手の動きをただ止めるのではなく、
水の流れのようにただ合わせる。
争いになる前に、最高の道を選ぶ。
この「知恵」こそが、
あなたを最短でゴールへ導く羅針盤。
​🕊️ 結論:たたかわない勝利
​力で押さえつけず、
論で言い負かさず。
​仁と智という、目に見えない力で、
世界を優しく、しかし確信をもって包み込む。
​武力を背景に持ちながら、それを使わない。
それこそが、一番かっこいい**「戦い方」**。
流れる汗も、流れる血も、一つもいらない。
これが、仁智に基づく、最強の勝利だ。
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視点:1カメ

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そもそも俺は主人公が負ける戦いや、敵同士の戦いがまず好きなんですよ。展開が読めないから。その上ワートリは集団戦のリアリズムの再現度が半端ないし、四つ巴のしかもチーム戦がまともに成立している。すごいよ。
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