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天月 兎

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サフラン色の栄光──不滅より終焉を贈るまで
第三十四話 前編

何だろう、水の音が聞こえる。
さらさらと静かに流れるような音だ。
それと、時々扉が軋んだ時のような音。
いつか夢で同じようなものを見ていた気がする。
それと、ずっと語りかけてくる声もあった。
あの時はただ女性の声としか分からなかったが、今は何故かはっきりとわかる。
ルーヴェリアの声だ。
どの音も、耳に水が入ってしまった時のようにくぐもっていて、はっきりとは聞こえないけれど。
目の前には、少し早く雲の流れる空…が見えているはずだ。多分これはそうだと思う。
はっきりしないのは、厚いすりガラス越しに何かを見ているかのようにしか見えないからだ。
鉛のように動かない体。
指先一つ動かすこともできないし、聞き取りたい音もはっきりとは聞こえない。
でも、あの夢と全く違うことがあった。
それは痛みがあることだ。
鼓動が一つ拍動するごとに、心臓のあたりから全身にかけて、何かが根を張っていくように鋭い痛みが広がっていく。
けれど苦悶の声をあげることすらままならなかった。
だんだんと意識が閉ざされていくようで。
ちゃんと、ルーヴェリアの話を聞いてあげたいのに。
彼女の声を、言葉を、聞いてあげたいのに。
瞼がひどく重くて、心に背いた体はそれに従って視界を暗闇に染めた。
それでもずっと、聴覚は水のせせらぎと彼女の声を聞いていた。
ずっと、ずっと、ずっと聞いていて……いつしか聞こえなくなった。
閉じた瞼の裏に、あの時のことが甦る。

防衛戦で、自分は4万の騎士団を率いて南方から押し寄せる20万の軍勢に立ち向かった。
アドニス「湖を渡らせないよう、弓兵と魔導兵は攻撃を絶やさないで!山脈から来る敵は僕と歩兵で蹴散らすよ!騎兵隊は遊撃に、基本的に負傷者の回収をして看護兵のところに連れて行ってくれ!」
本隊ではなく主力も居ない魔族の軍は、降り頻る鏃と魔法矢の雨に阻まれてヴィト・リーシェ湖を渡り切ることが出来なかった。
しかし何故か迂回するという選択をとらず、ただ死体の山となって積み重なっていくだけだ。
エレゾルテ山脈の麓では歩兵らが魔獣の角を叩き折り、爪を割り、四肢を切り裂く。
アドニスは炎を纏わせた剣を振るい、屍人と植魔を蹴散らしていった。
何物をも焼き尽くす劫火では、地に足がついている植魔でさえ灰燼に帰してしまう。
一歩踏み込めば、剣先より放たれた焔は顎を開いて敵を呑み込み、呑み込まれた敵は悉く塵となって空を舞った。
腹を空かせた猛獣のように、焔は次の獲物を絡め取るよう走っていく。
数の差は大きいが、こちらが圧倒的に有利な状況であった。
負傷兵も出たには出たが、高速移動に長けた騎兵隊と後方にいる看護兵の援護によって戦線復帰も早い。
アドニスは考えた。
もし自分が敵側なら、この状況を打開するために何か別の策を講じてくる筈だ。
突破を目論むなら、消耗一方の戦いになることは避けたい筈なのだ。
なのにどちらの戦線も突撃を繰り返すのみで、どこか違和感を感じる。
開戦から数時間経っても、だ。
何か別の目的があるのではないか、そう予見した時、最後方、つまり自国に巨大な魔力反応を感じた。
振り返ったアドニスが目にしたのは、王都の空を覆い尽くすように広がるゲート。
アドニス「時間稼ぎだったか…!」
しかしこの戦線は維持しなければならない。
自分だけでも国に戻るか、否か。
しかしゲートは皿が割れるように破壊された。
ゲートの破壊にはそれなりに多量の魔力が必要な筈だが…いや、そういえば。
ルーヴェリアが王妃にゲートを破壊できるほどの魔力を込めた短剣を渡していたか。
アドニス「良かった、流石師匠だ」
安堵の笑みを浮かべながら背後に忍び寄る死霊を斬り伏せる。
敵の目論見が破壊された今、自分達がすることは防衛戦ではない。
アドニス「ここからは殲滅戦だ!!残さず狩り尽くせ!!」
号令と共に高まる士気。
威勢の良い声が半数まで削られた魔族らを押し返し、一体、また一体と命を刈り取っていく。
そうして、日が沈んできた頃。
西門付近にゲートが開いたと報告があがる。
ヴィト・リーシェ湖付近を堅めていた騎士団数千名を派兵し、山脈の方に向き直った時だ。
脳裏に、大量の魔族の群れが過った。
砂漠にも似た荒野、聳える砦と立ち塞がる老騎士、その背後に開くゲート。
直感だ。確証はないが確信する。
クレストが危ない!
アドニス「師匠はなんて!」
近くの兵士に声をかける。
「既に西門の援護に来てくださいました!」
アドニスは一つ頷くと、この戦線は彼女に任せ、クレストの援護に向かうと言い残して馬を走らせた。
早く、早く行かないと。
いつか講義で教えてもらったんだ、昔、とある騎士が使っていた砦の魔術。
前方に広がる敵を蹂躙することに特化した牢獄のような砦。
だがその弱点は、砦の外側、主に背後だって…!
何か、胸元がずきりと痛んだ気がしたが思考を遮る程も強くはなかった。
馬より早い脚を持ったルーヴェリアやクレストが羨ましい。
こんなに急いでいるのに、過ぎ去っていく景色が遅く見えてしまう。
地平線の彼方では、既に陽が半分ほど溶け落ちていた。
その前に!!
少し時間はかかったが、クレストの背後に滑り込むようにして馬から降りる。
同時に目の前でゲートが開いた。
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とわ子

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スーパーでおつくり三割引き!って飛びつくんだけど、はて?うちにはねこがとお。わしは1人。となるとねこの軍勢が押し寄せてきて、このまぐろはたぶんわしの口に入らない。となると、このマグロの他にかつお、たい、ぶりも買わなければいけないとなって、お会計は高くなるの
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天月 兎

天月 兎

サフラン色の栄光──不滅より終焉を贈るまで
第三十三話 前編

最初は、壁を登って越えればいいと思っていた。
でも、乗り越えるにはあまりにも高すぎた。
空の遥か彼方まで伸びた壁は、城砦のそれよりもずっと堅固で、ずっと高かった。
だからその壁につけられるにはあまりにも小さすぎる門を通り抜けるしかなかった。
人一人が通れる程度の門だ。
けれど誰一人その門を通り抜けることは出来なかった。
その拳は全てを斬り伏せる剣であったから。
その拳は遍くを砕き伏せる槌であったから。
その拳は悉くを貫き伏せる槍であったから。
傍に転がる、自分達を殺すためだけに作られた鉄球なんて安物の包丁だ。
誰かが言った。
「あそこに行っても死ぬだけだ。迂回しよう」
けれどそんなこと、出来るわけが無かった。
あの壁は既に自分達を包囲していたから。
結局、鬼門に挑むしか道は無かった。
飛びかかる魔性の群れに拳が突き出されれば、巻き起こった風は衝撃波という刃となって他者を巻き込み、殺戮の限りを尽くしていった。
「くそ!後方援護はどうなってる!奴の動きを止めさせろ!」
群れをまとめていた者がそう言うと、側近が恐る恐る口を開く。
「あの壁が現れた際、巻き込まれて……」
全滅した、と。

ルーヴェリア達と別れ、王都から馬を飛ば…すより走った方が早かったので、クレストは文字通り走って戦線を見渡せる位置に到着した。
ヘルベ湖、ア・ヤ湖の合間を抜け、いまやもぬけの殻と化したカルシャ村から索敵魔術を行使する。
敵の進軍は発見された位置よりあまり動いていないように思えた。
陽動のための軍、そして平坦になったテフヌト族領を徒歩で進軍すると考えれば機動力はそこまで重視されなかったのだろう。
陣形は円、中心に少しばかり大きな魔力反応があることから、あれらを指揮している者は中心にいる。
だが進軍方向は前方であるが故、接敵した際を案じてか後方に支援魔術に優れた植魔と吸血鬼達を置いたらしい。
欠けてはいるが、まだ使い物になる程度の短剣を戦力として見ているあたり、魔王はそれなりに慈悲深いのかもしれない。
さて、敵の陣形等が分かれば後はやる事をやるだけだ。
クレスト「マルス団長のお力、少しばかりお借りしますぞ」
にっと笑った老騎士は、持ちうる魔力を大きく消耗させながら、敵から身を守るためではなく、敵を殺すための砦を文字通り顕現させた。
クレスト「空間把握、指定」
敵陣の後方を潰しながら、包囲できる位置に。
クレスト「存在固定、城砦概念付与」
敵がゲートを開いて逃げることも出来ないように、その存在を人間界に固定する。
そして大地に、堅牢な砦の意味を持たせた。
果てしなく高い壁、抜け出す余地など持たせない石造りの地下牢、生きながらえさせるのではなく、飼い殺すための牢獄。
出口は、自分が立つこの場所だけにして。
クレスト「建立せよ!否生の砦」
魔族らのいるヤ・クルヌ村付近の地面が大きく揺れた。
ただの地震だと思っていたが、すぐ真横に雷が落ちたのではないかと錯覚するような音が轟いたと思えば、地面が盛り上がり、高く聳える崖のように自分達を囲い込んでいた。
10万の軍勢を、囲い込んでいたのだ。
困惑した矢先、出口らしきところに人間が一人だけ立っていることに気が付いた。
その人間は肩に担いでいた鉄球を地面に転がして仁王立ちしている。
クレスト「人の言葉が通じるのならば、貴様ら魔族に教示しよう。私を倒すことだけが、この場所から抜け出す唯一の道だ」
相手はたった一人。
恐れるものなんて何もない。
1匹の魔獣が飛び出してその首に噛みつこうとした瞬間。
その魔獣は頭部から全身が弾けた。
弾けた後に、パン!という乾いた音が聞こえてくる。
自分達なら飛んで抜け出せるだろうと考えた吸血鬼が空を目指すが、どこまで飛んでも壁は目の前から途切れることはなく。
囲われているために迂回するという道も塞がれ、何故かゲートも開けない。
動揺した魔族の群れがとった行動は、一斉突撃だった。
拳が剣撃となって同胞を八つに斬り裂く。
拳が鉄槌となって仲間を千々に粉砕する。
拳が真槍となって味方を無数に刺し貫く。
たかが人間一人の繰り出す拳に、10万が圧倒されていった。
その数を半分以下に減らすことに、何分かかっただろう。
人間が到達するべきではない境地にまで磨き上げられた一撃は、ただ一度繰り出されるだけで数百、数千を虐殺した。
そうして一度退却できるところまで退却し、後方部隊は既に全滅していることを聞かされたのだ。
どうしろというのか。
武に人生を捧げて人間を辞めた悪魔のような輩相手に、自分達はなす術もなく殺される他に道はないのか。
焦燥感と屈辱に身を震わせる将に、聴き慣れた声が響いた。
それは魔界に住む者なら誰もが頭を垂れ、地に伏し、姿を見ることすら許されないような高みに座す方の声だ。
『諦念は死後に噛み締めよ。彼奴は魔力で身体能力を上げているだけに過ぎない。お前達はゲートを通れぬが、送る方は別であろう。彼奴の魔力が尽きるまで、百千萬の兵を送り続けよう。恨み言は冥土に辿り着いた彼奴の魂にでも吐いてやれ』
ああ、我が王よ。
そのお力を我らの勝利の為に振るわれるのか。
あの悪魔が倒れれば、我らが死せどもそれは勝利となるのですね。
なんと非情かつ合理的で、しかし存分に奮い立たされる言葉なのだろう。
今やこの身は焦燥感や屈辱などという小さなものに震えてなどいない。
目の前にある死という運命に武者震いしているのだ。
否、狂ってしまっただけなのかもしれないが。
そうして正気を失ったように、魔族の群れはクレストへと襲いかかった。
上空にゲートが開き、無数の魔物達が牢獄へと放り込まれる。
表すならば波。幾重にも連なり呑み込まんとする荒波のようだと人は言うだろう。
しかしクレストからしてみれば、雑魚が鯨の口に自ら飛び込むようなものでしかなかった。
群れを率いていたものでさえ、少しばかり珍しい餌に過ぎないような存在。
荒波を拳一つで堰き止めてしまった。
どれだけ高い波であろうと、どれだけ強い衝撃であろうと、その拳は全てを屍へと変貌させ、死を撒き散らして山へと変えてしまう。

イレディア「あの小童が、ここまで強くなろうとはな」
目的を果たした魔王が鏡を通してその光景を見、感嘆の言葉を漏らす。
対して横に立つ魔女は不愉快極まりなさそうな顔をしていた。
サーシャ「目的は終えたのだから、これ以上仲間を殺す必要はないんじゃないの」
鋭い声に動じることもなく、魔王は首を横に振る。
イレディア「いや、あれが死ぬまで送り続けるさ」
サーシャ「馬鹿じゃないの?死体が増えるだけでしょ。もうノクスだって死んでるのに、意味ないじゃない。なんなら私が出て殺しに行ってもいいのよ」
間髪入れず、すぐにでも殺しに行きそうな魔女を魔王は制止した。
イレディア「それでは意味がない、サーシャ。魔術は封じろ。手出しはするな」
硬い沈黙が両者に流れる間にも、魔族の血は絶えず流れ続けている。
もはや山となった死体が流れを相殺して勢いすら殺されていた。
クレストの体は敵が視界から消え去るまで延々と繰り出され続ける。
決して折れない剣、その破壊力は言うまでもない。
さて、送り出した仲間の数はいくつだったか。
とうに百万は超えているはずだが、老騎士に疲れは見えない。
時が夕刻を過ぎても、緩むことはなかった。
イレディアは一度ゲートを閉じる。
サーシャ「………どうするの、あの死体の山の後始末」
イレディア「…………とりあえず後で燃やしてやろう。あの砦は一度入れば死んでも魔界には戻れない場所だからな」
魔女の嘆息を最後に、会話は途切れた。

魔族がこれ以上出現せず、ゲートが閉じられたのを確認したクレストは、ふうと息を吐いた。
とん、という着地音を背後で聞いて振り返ると、鎧も服も破れて腹部が丸見えのルーヴェリアが立っていた。
クレスト「…師よ、私はどこに目をやれば良いのですかな?」
ルーヴェリア「こちらの台詞ですクレスト…その屍は10万どころの騒ぎではないように思えますが…」
クレストはとりあえず自分の持っていたマントを裂いてルーヴェリアの腹部に巻きながら答えた。
クレスト「マルス団長の城砦顕現を使わせていただいたところ、盗み見していた輩がゲートを開きましてな。数で押せば倒せると思ったようです。数十倍は破裂しましたかな」
流石の怪物と呼ばれたルーヴェリアも、これは青ざめものである。
ルーヴェリア「…拳で?」
クレスト「拳で」
末恐ろしい。怒らせないようにしよう。
心の中でうんうんと頷きつつ、ルーヴェリアも戦果を報告する。
ルーヴェリア「こちらはノクスとレイヴを、後、恐らく彼方側の切り札と呼べるような魔物……確か、ロストとか呼ばれていましたね。それらを討ち取ってきました」
クレスト「流石ですな」
マントを巻き終えたクレストは誇らしげに微笑んでいる。
こうしていると、昔を思い出す。
いつの日だったかはルーヴェリアの片腕が飛んでいたのをなんとか鎧で隠したり、潰れた目が周囲の人間の目に触れぬよう包帯を巻いてやったりと苦労したものだ。
下半身が丸々吹き飛んでいた時はどう誤魔化そうか頭を悩ませ、結果的に食糧を運ぶための籠に押し込めたこともあったか。
クレスト「…懐かしいですな」
ぽつりと呟くクレストに首を傾げながらもサフラニアの方面を見る。
じき夜になるが、何の伝令も飛んでこないということは、アドニスの戦線も好調なのだろう。
特に急ぐことはないと判断したクレストが、場に似つかわしくない言葉を吐いた。
クレスト「食事は摂られましたかな?」
ルーヴェリア「あ、そういえばまだでした」
砦の中で火を焚こうとし、しかし辺りは血塗れ。
乾いたものなんて見当たらず火種になるものがない。
どうしたものかと周囲を見渡していた時、ルーヴェリアのいた方から嫌な音が聞こえた。
こう、ガリガリと何かを噛むような……そう、咀嚼音だ。
クレスト「師い!?」
青ざめるクレストが見たのは、その辺に転がった何かの魔族の破片に齧り付くルーヴェリアだった。
ルーヴェリア「…この肉塊、恐らく元は吸血鬼ですね。血の味が濃い。こっちは割と筋肉質で……魔獣、ですかね?」
うむ、そのような方法で元が何の魔物だったかを当てないでいただきたい。
粉々になった魔物の肉塊で神経衰弱をしないでくだされ。
ではなく。
クレスト「せめて火を通してくだされっ!」
そも食用の魔族は出回らなくなって久しいうえ、その体に毒を宿している魔族だって存在するのだ。
不用心に口にして良いわけがない。
ルーヴェリア「確かに、火を通せばクレストも食べられますね」
あ、なんか嫌な予感がする。
クレストはすぐさま防御体制をとった。
刹那、砦内で見事な爆発音を起こしながらルーヴェリアの火炎魔術が"暴走"した。
クレスト「…元から荒野であるのに、更に焼け野原にして如何なさるおつもりで…」
やはり調理は苦手だ。
ほとんどの肉が炭になってしまった。
クレストが心労と頭痛で暫し俯いていることなど意にも介さず、ルーヴェリアはとりあえず炭を払えば食べられそうな肉片を見つけてクレストに差し出した。
ルーヴェリア「感触的に熊型の魔獣の肉です。火は間違いなく通っているので安心して食べられますよ」
そうではないのです師よ…加減というものを覚えてくだされ……何年生きていらっしゃるのか……。
クレスト「ははは…有り難く頂きましょう…」
ああ、ディゼン団長。
せめて貴方が我が師にお茶を淹れる程度の魔力に抑えられるよう鍛えてくだされば、今も残っていた自然が多かったでしょう…。
更に言えば、騎士団の厨房が爆発したり団長専用の個室が吹き飛んだりして国庫に大打撃を与え、当時の宰相が胃薬を毎日倍量飲むことも無かったでしょうな…。
苦くもあり、温かくもあり、そんな空気は魔術を通じて送り届けられた伝令の声に破られた。
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kagenaカゲナ

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#カゲナ風景資料

🌍世界導入|光側世界《ライトサイディア》
一章のメイン 3つの世界のうち、1つの世界
ここは 光側世界《ライトサイディア》。
ひとつの大きな世界の中に、七つの国が存在して、12ダンジョンがある。


海に囲まれた国、山の国、魔法が盛んな国、技術が発展した国――
文化も時代も違う国々が、同じ大地で暮らしている。

その七つの国の中心には、
とてつもなく大きな都市がそびえ立っている。
塔のように高い建物が立ち並び、
夜になっても光が消えない、
世界で一番にぎやかな場所。

珍しい道具、見たことのない生き物、
魔法のアイテム、宝物、料理……
ここには“なんでも”集まってくる。

この都市の王は――
パンドラ少女ピリカ。
まだ幼いけれど、人々の心から信頼され、
誰よりも笑顔を大切にする王だ。



けれど、光の裏にはいつも影がある。
人々が安心して暮らせるのは、
見えない場所で守ってくれる存在がいるからだ。

光の都市と七つの国には、それぞれ騎士団長がいて、
天使の軍勢が世界を守ってる
能力を使えば姿を透明にして守護できる。
超巨大都市の騎士団長はかつてクレアナという女戦士が務めていたが、
今は光の翼を持つ若い女性、ルミナが後を継いでいる。
天使たちは昼も夜も、
誰にも気づかれないまま戦っている。



この世界には、
一年に二回、必ず祝われる戦いの祭典がある。

戦うといっても、ただのケンカや殺し合いじゃない。
――力を見せて、心を試す場。

一つ目の祭典は、
時鎖闘域《クロノギア》。

闘技場の中心には、
巨大な砂時計がそびえ立っている。

その砂時計が逆さになっている間――
たとえ殺されたとしても、
砂が落ちきる前に元に戻せば、生き返る。

痛みも、傷も、死さえも、
砂とともに巻き戻されるのだ。

だからここでは、
相手ではなく、
「自分自身」と戦う。

能力が弱くても、
能力がなくても、
――誰もが挑戦できる。

倒れようとも、力尽きようとも、
命は守られる。

ただし、この復活は
1年にたった一度きり。

その一度のために、
無数の挑戦者が今日も砂を見上げる。

己の限界を砕く者。
仲間を守る力を求める者。
そして――
自分がどれほど強いのかを確かめたい者たち。

ここでは、
望む者すべてが、
“本当の自分”と出会う。

そしてもう一つの祭典は、
妖精序列闘領《フェイランク》。

三つの月が夜空に同時に姿を現すとき――
三人の大妖精が、別世界から静かに降り立つ。
彼らは誰よりも強く、誰よりも残酷な、
“評価者”としての力を持っている。

大妖精が来訪してからの一週間、
フェイランクは、この世のどの国よりもにぎわう。

最初の二日間――
その期間だけは、
死んだ者の魂と会話できる。

伝えられなかった想いを口にし、
別れられなかった人に、さよならを言う。
涙と祈りが渦巻き、
夜空の三つの月がそれを静かに照らす。

そして残り五日間が本番だ。

大妖精の詠唱によって、
戦士たちは強さ・技・精神を基準に
いくつもの階層へと振り分けられる。

力が弱い者は弱い者なりに、
強い者は強い者同士で、
目指すべき頂が決まる。

この戦いの期間中――
死んでも生き返る。
魂は大妖精の魔法に守られ、
命が尽きても、試練は続けられる。

だからこそ、
本当の強さが、
最後まで隠せない。

生き様も、弱さも、願いも、
すべてはランキングという形で世界に刻まれる。

名誉か、屈辱か。
頂点か、どん底か。
評価は冷たく、容赦はない。

ここで試されるのは “勝ち負け”ではない。
自分がどこに立っているか──その真実だ。

そして、挑戦者たちは知っている。

その結果が、
一生つきまとうことを。

そしてライトサイディアを守るのは
人間や天使だけではない。

空を駆ける獣、
雷をまとった白い虎、

四体の神獣が、
三つの世界を巡って
光と闇のバランスを見張り続けている。

それらの存在がいるから
この世界は、今日も平和に見える。



けれど、
誰も知らない真実がある。

光は強すぎると、
影を濃くする。

笑い声が響く都市の下にも、
命の灯りが漏れる国々の裏にも、
もうひとつの世界が、
静かに息をひそめている。

この世界の人々はまだ知らない。

光の裏側で生まれはじめた
小さな牙が、
いつか光を噛み砕こうとしていることを。

――この物語は、
光の世界で育つ少年と少女が、
その真実と向き合っていく物語。

まだ、始まりの始まり。
GRAVITY
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名無しのジェーン

名無しのジェーン

第三章

 反乱軍の拠点に戻ろうとしていた一団に、クローディアスと先妻との息子であるルシアスとマーカス兄弟が率いる軍勢が襲いかかる。何とか軍勢を追い払ったが、敵兵にとどめを刺さず見逃したヨハンにリア姫は内通者の疑いを強める。しかしヨハンは「復讐に協力はするが殺人は絶対にしない」と不殺の宣言をする。リア姫は当然ヨハンを非難するが「俺の国ではどんな理由があっても殺人は犯罪でタブーだ」と冷徹に言い切る。しかし一般人であるはずのヨハンには戦闘の知識と技能があった。これはどういうことか?
 一方、クローディアスの居城では、先王ハムレットの私生児が先王派の貴族や騎士たちをまとめ上げ反乱を企てているという噂で持ちきりだった。そんな中、帰還したルシアスとマーカスが仮面を着けた貴公子(リア姫は8年前に死亡したことになっており、正体がバレないように仮面を着けている)の軍勢と斬り結んだことを報告する。廷臣たちに動揺が広がる中、宮廷道化師のオズがパペットでの寸劇を披露し、王位を簒奪したクローディアス、そんな王弟と関係を結んだ王妃ガートルードの不義を強烈に風刺した。道化師オズは毒殺された先王ハムレットと水死して見つかった王女リアが亡霊となって、王と王妃に取り憑いていると嘲笑う。王妃は罪悪感に顔を歪ませ、王は決戦の日は近いと覚悟を決める。
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珠雅(しゅが)

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失われた万年の時を駆ける影 ―縄文から飛鳥、暦なき英雄譚―

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遥か昔、氷河の残響が大地を震わせる頃、日本列島に縄文の民は棲んでいた。約1万3千年もの歳月、森の囁きと海の鼓動に身を委ね、土器を焼き、土偶を刻む。彼らに西暦などという概念はなく、年号の鎖も存在しなかった。星々の巡り、月の満ち欠け、桜の散る季節、鹿の角の生え変わり――それが彼らの暦。縄文後期、集落の長老たちは貝殻の山や火の灰の層を数え、冬の訪れを予感した。道具の型が変われば「新しい時代」と囁き、口承の歌で記憶を紡ぐ。万年の時を、星と土に刻んだのだ。wikipedia+1​

やがて弥生の風が吹き、約2300年前に稲の黄金波が広がる。大陸からの渡来人らが青銅器と鉄を持ち込み、水田の影で暦の萌芽が生まれた。干支の原型か、月の周期を数える農作業の暦か。だが正式な年号はまだない。古墳時代へ移り、巨大な鍵穴形の墓が林立する頃も、時間の流れは王の系譜と神話に委ねられた。邪馬台国の卑弥呼は鏡を神託に使い、時代を支配したが、文字なき世界で歴史は霧の中。hello+1​

時は流れ、飛鳥の空に朱雀が舞う。645年、大化の改新が雷鳴のように響く直前、聖徳太子――蘇我馬子の影で十七条憲法を敷き、遣隋使を送る天才政治家が現れた。彼は武人か? いや、ただの文官ではない。冠位十二階で才覚を競わせ、仏教を武器に国家を鍛えた。戦場で槍を振るう英雄ではなく、頭脳の刃で蘇我氏を斬り、唐の叡智を盗む策士。飛鳥の軍勢は強かったか? 朝鮮半島の百済・新羅との戦乱で、白村江の敗北を喫したが、それは後の話。太子の時代、ヤマト王権の軍は弓と槍で近隣を平定し、法隆寺の影で鉄の意志を研いだ。太子は「強さ」の化身――知略の覇王として、縄文の万年を繋ぐ橋渡しをしたのだ。wikipedia+1​

縄文の民は星を、飛鳥の太子は天皇の命を軸に時を刻んだ。暦なき時代から年号の夜明けへ、日本史は一人の天才の瞳に映る。失われた万年が、今、君の手に蘇る――。
✧• ─────────── •✧


【完】
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