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#花彩命の庭 #初投稿 #タスク

『花彩命の庭 ― 影色の来訪者』

最初にその庭の噂を聞いたのは、
失踪した姉・紗耶の手帳を調べていたときだった。

——“花彩命の庭に行く。
   答えはきっと、あそこで見つかる。”

たったそれだけ。
だが、その一文がすべてを狂わせた。

姉が消えたのは十七日前。
警察は「自発的な家出」と判断し、調査はほぼ止まっていた。
けれど、紗耶を知る者なら誰もがわかるはずだった。
あの優しい姉が、何も言わずに家を出るわけがない。

「花彩……命の庭……?」

手帳をめくる指がかすかに震えていた。
どこかの観光地の名前だろうか。
それとも、何かの暗号か。

だが数日後、奇妙な報告が届く。

“町外れの古い温室で、夜ごと光が漏れている”
“誰も住んでいないはずなのに、影のように人が出入りしている”

その温室には、昔から噂があった。

——“花の色が人の心を映す”
——“願いを叶える庭だが、代償がある”

そして、その名前は。

「……花彩命の庭。」

紗耶の日記と噂が重なった瞬間、
胸の奥がざわついた。
そこに行けば、姉の行方がわかる——
そんな直感があった。

夜、懐中電灯を手に温室へ向かう。
門は少しだけ開いていた。
まるで訪問者を誘うかのように。

扉を押すと、
中に広がっていたのは朽ちた温室ではなかった。

光の粒子がふわりと浮遊し、
夜なのに庭は明るく照らされていた。
風はなく、音もない。
けれど花々だけが呼吸するように揺れている。

その中心に、一輪の赤い花が咲いていた。

見たことのない赤——
赤というよりも“鼓動”そのもののような光。

その前に立つ影があった。

「……紗耶……?」

呼びかける声が震えた。
影がゆっくり振り返る。

姉だった。
確かに、そう見えた。

だがすぐに違和感が走る。

瞳が、色を失っている。
すべての感情を忘れたような、空洞の目。

「来たのね。」

音のない声が、頭の奥に響く。
口は動いていない。
だが確かに紗耶の声だった。

「どうしてここに……?」
「……答えを探しに。」
「答え?」

紗耶は赤い花に視線を落とした。

「人の“影”を食べてくれるの。
痛みも、後悔も、罪も。
全部、この庭が吸い取ってくれる。」

ぞくりと背筋が冷えた。

「でも……影を渡し続ければ、いつか“自分”がなくなる。
影が人を形づくるから。」

「それで……そんな姿に……?」

紗耶は首を横に振った。

「違う。
私は自分の意思で影を手放した。
もう苦しまなくていいように。」

花々がざわりと揺れる。
まるで紗耶の言葉に呼応するように。

「あなたも……影を捨てに来たんでしょう?」
「違う! 俺はただ、姉さんを迎えに——」

言い終わる前に、
足元の花が光った。

色は、濁った灰色。

「……嘘。」
紗耶が小さく呟いた。

「その色……あなた、ずっと無理してたんだ。」

胸が刺されたように痛む。

誰にも言わなかった苦しみ。
踏み潰した感情。
見なかったふりをしてきた後悔。

花はそれらを、容赦なく暴き出す。

「大丈夫。
影を吸わせれば、全部消える。」

紗耶が手を伸ばしてくる。
だがその指先には体温がなかった。

触れたら——
もう戻れなくなる。

「姉さん……帰ろう。
一緒に帰ろう。
影なんか捨てなくていい。
苦しくても、生きててほしい。」

その瞬間、
赤い花が大きく音を立てて揺れた。

怒っているように。
独占を許さないかのように。

紗耶が苦しげに胸を押さえる。

「……だめ……花が……離してくれない……っ」

その姿に、衝動的に手を伸ばした。

「姉さん!!」

指先が触れた瞬間——
世界が割れた。

花々が一斉に黒く染まり、風が逆巻き、
温室が悲鳴を上げるように音を立てる。

「離れちゃだめ!!
手を……離さないで……!」

崩れていく花の海の中、
必死で紗耶の腕を掴んだ。

「帰るんだ……!
まだ終わりじゃない……!
影があってもいい、苦しんでいてもいい……
それでも生きて、戻ってきて……!」

紗耶の瞳に、かすかな色が戻った。

「……そんなこと……言ってくれたの……
初めて……だよ……」

赤い花が何かを奪い返すように巻きつく。
紗耶の身体が引き戻されそうになる。

「行かないで!!」
「……行かない……
絶対、戻る……!」

最後の力で紗耶の腕を引き寄せた。

花の根が裂け、光が弾け飛び——

温室は、
静寂の中に沈んだ。

気がつくと、
紗耶は腕の中で眠るように息をしていた。

温室はただの廃墟に戻っている。
花は一輪もなく、色も光もどこにもなかった。

ただ、紗耶の胸元にだけ
小さな白い花びらがひとつ残されていた。

それは“影を手放さずに乗り越えた証”のように見えた。

外に出ると、夜明けの光が差し込み始めていた。
まだ寒い朝だったが、
姉の手は確かに温かかった。

——花彩命の庭は消えた。
——けれど、失われずに済んだ命があった。

そして、
それだけで十分だった。
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らんす

らんす

今日も1日働きました。
午後は職場に団体様が来訪しました。
しっかり働いて、綺麗な夕陽を見ながら
家で晩酌🏠
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