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Hinoki
コーヒーでも、カップ麺でも、パスタの茹で上げ、スープ、皿洗い、お湯割りの酒、体を温めて清潔にするシャワーやお風呂、湯たんぽ。
人間の体だって温かい水を流す時がある。
おしっこや怪我を除けば、
それは誠に美しい光景を目にした時か、
対照的にひどく汚い光景を目にした時か、
他人からの非難を浴びた時か、
幸福を感じ取った時か。
この世を観察する目からなのは何故。
景色が焼きついた場所から涙。
あみだくじな毎日で流すことがある。
新年を迎えた今月、私は映画鑑賞をした。理由が分からない温かい水が目から流れたが、不思議なことに、酷いと思っていたこの生活も捨てたものじゃないと思い直せた。むしろ美しく思った。希望や幸せの印なのか、悲しみの印なのかよく分からない。感情が昂って涙を流すのは何を意味するのか。そういえば、人間の体の6割が水だった。体温で温められた水が僕らの中を流れていることになる。死や体調も左右する大事な代物。
火を焚け、湯を沸かせ、そこから僕らははじまるんだと思う。そして、生活は続く。
温かい水がどこにも流れていない時、
君は生活の上に上手く立てているか。

あきっくす😗
〜Gravity-Link〜
第四十三話:無邪気な好奇心、甘い観察者 ―ももたろうの視点―
「ふふっ、今日は一段と賑やかだなぁ」
私はタブレットを片手に、ルームから溢れ出すみんなの感情を、まるでカラフルなドロップを眺めるような気持ちで楽しんでいた。この「Gravity-Link」は、私にとって世界で一番おもしろい人間観察の場所。
まぁずさんたちの不器用な恋や、もちこさん、葵さん、きびさんたちの複雑な想い。最年長のやざわさんが見せる大人の余裕。それらが混ざり合って、一つの大きな物語を紡いでいく。みんな一生懸命で、少し滑稽で、でもたまらなく愛おしい。私にとっての愛とは、誰かを独占することじゃなくて、こうしてみんなが輝く景色を、特等席で見守っていることだと思っていた。
……でも。
最近、どうしても私の観察眼を狂わせる「ピース」が一つだけある。
それは、軍師のテスターさん。
彼が冷徹な理論でルームを揺さぶるたび、私の胸の奥で、正体不明のワクワクが跳ねる。「どうしてそんなふうに考えるの?」「その仮面の下には、どんな顔が隠れているの?」――。それは恋と呼ぶにはあまりに無邪気で、けれどこれまでの好奇心とは明らかに違う、熱を帯びた探求心。
彼という難解なパズルを、誰よりも先に解き明かしたい。もし、そんな独占欲を「恋」と呼ぶのなら、私は今、生まれて初めてその入口に立っているのかもしれない。
やざわさんの深い声が、ルームの熱を優しく包み込んだ。
あきっくすさんが口を開く一歩手前。私はいたずらっ子のような笑顔を浮かべて、マイクをオンにした。
「みんな、そんなに難しく考えなくていいんだよ。今のこのルームは、まるで美しい絵みたい。どんな色が増えても、それが一つになるなら、きっともっと素敵な景色になるはずだよ」
私の無垢な言葉が、緊張に満ちた空気にふわりと溶ける。
さあ、準備は整った。管理人のあきっくすさん、あなたが描く「次の色」を、私に一番近くで見せてほしいな。
(つづく)
#連続GRAVITY小説
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#個人視点全て終わり
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