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サフラン色の栄光──不滅より終焉を贈るまで
第三十四話 後編

雪崩れ込む魔物を、焔の蛇が噛み千切っていく。
ゲートが閉じる様子はなく、延々とそこから魔の群れが吐き出されているかのように見えた。
自分一人でどこまでやれるか分からないが、クレストの背中だけは守りたい。
身体強化の術を更に重ね、空飛ぶドラゴンや吸血鬼すら、跳躍して斬り散らす。
その間に隙ができた地上に戻るや否や剣を振って、振って、振り続けた。
上から見れば、空にも地にも、半円状にクレストの背後だけ敵がいない空間が出来上がっている。
正直、ルーヴェリアやクレストと比べればアドニスの力は肩書き負けの部分が多かった。
幼い頃からルーヴェリアに剣を教えられてきたとはいえ、やはり成長には限度というものがあったのだ。
永遠に肩を並べることは出来ないと、挫折しそうになったことだってある。
だから魔術も磨いた。
アドニス「裂き散らせ!」
焔の蛇が喰い損ねた獲物を中空を走る稲妻で屠る。
アドニス「沈み失せろ!」
それでも足りない時は、水球に閉じ込めて圧死させて。
アドニス「貫き砕け!」
まだ不十分なら、地面を突起させて串刺しにし、内側から爆裂魔術で四散させた。
凄まじい魔力の消費量ではあるが、どうせ持ち得る全てを放ってもあのゲートを破壊するには至れないなら、全てを賭けてクレストの背中を守ることに徹した方がいい。
冷や汗が滲む。魔力が尽きかけているのか。
先程から早鐘を打つ心臓に合わせて胸部が痛むのが原因か。
どちらか分からないが、関係ない。
目の前に現れる敵を蹴散らすだけだ。
焔が小さくなり、稲妻が遅くなり、水球は消え失せ、最早大地も呼応しない。
なら更に身体能力を向上させ、剣で斬り、鞘で砕いて、少しでも多くの敵を葬ればいい。
剣が折れたなら、転がった魔族の腕でも振ってその爪を利用してやろうとさえ思っていたその時、夕陽を反射して黄金色の髪を靡かせる女神の姿が見えた。
ゲートの向こう側から無数の光矢が放たれ、目の前に居た敵諸々を木っ端微塵にしていく。
女神は自分の側に舞い降りて、その腕の一振りで数多の闇を払い除けていった。
アドニス「ごめんなさい、師匠。なんか、よく分からないんですけど、体が重くて…」
魔力が枯渇したのか、疲労なのかは分からないが、剣を地に刺して支えにしないと立てないくらいに疲弊していた。
ああ、全身が痛い。身体強化の代償だろうか。
ルーヴェリアは気にするなと言うように首を横に振った。
目の前のゲートは漸く閉じ、残った敵は全てルーヴェリアの剣が八つ裂きにしていく。
その時、砦がガラガラと崩れ落ちた。
肩越しに背後を見やるが、クレストは微動だにしていなかった。
ルーヴェリア「クレスト!魔力枯渇なら後退してください!」
いつもなら素直に従う筈なのに、一切の応答も無かった。
そこで不信感を持つべきだったのだが、目の前に魔族の牙が迫ったため反射的に剣を振ったせいで敵と一緒に吹き飛んでいってしまった。
そうして、残りの敵も全て片付け、クレストの目の前にあったゲートも消失したのを確認して、防衛戦はひと段落終えられた。
鉛のように重たかった体は喜びと安堵で軽くなり、ルーヴェリアと二人でクレストの元へ駆け寄る。
アドニス「クレスト!良かった…無事で」
息を吐くと同時に、凍りついたように動かなくなったルーヴェリアに気がつき、視線を改めてクレストに戻す。
クレストは、死んでいた。
両目から、鼻から、口から、耳から、血を流して。
胸元には大きな風穴が空いていて。
いつも穏やかに微笑んでいたあの顔は、記憶の中ですら苦しげに血を吐いていた。
なんで、どうして。
だって背中は守ったじゃないか。
元からクレストの援護に回ってから師匠はこっちに来る筈だった。
師匠が本国西門に駆けつけてくれたということは、その時はこっちの戦況は落ち着いていたということで。
吐き気を催すほど思考が渦巻いて、何が何だか分からなくなる。
ルーヴェリア「…サフラニア西門防衛無事完了、騎士団への被害はありましたが、民衆は無事です」
唐突に報告を始めた彼女に、首を傾げる。
どうして今更戦況報告をするんだ?
だって彼はもう…
ルーヴェリア「第三騎士団長クレスト・アインセル。防衛戦は無事突破、戦闘終了です。……お疲れ様でした」
そう言うと、クレストの体はやっと崩折れて、地に臥した。
ああ、そうか。
クレストの意思はまだ死んでなかったんだね。
師匠はもう休んでいいと教えてあげたんだ。
僕はやっぱり、まだまだだなぁ…。
視界がぼやける。
疲れからくるのか、別の何かなのかはわからない。
ただ、膝から下に力が入らなくなってしまった。
あれ、おかしいな。
そう思った時にはもう、何もかもが手遅れだった。

地に膝をついたアドニスの吐息に大量の血が混ざった。
ルーヴェリア「え……」
外傷は見当たらない。
魔力干渉も感じない。
先程治癒の術を施したので身体強化によって傷ついた臓器は回復できた筈だ。
なのに何故、彼は血を吐いて膝をついている?
ルーヴェリア「殿下、肩を」
一先ず帰還しなければ。
クレストには申し訳ないが今は国の未来を担う彼を手当するのが先だ。
治癒の術も意味がないのに、どうやって?
浮かぶ疑問を頭を振って打ち消し、アドニスに近付いた時だ。
嗅ぎ慣れた嫌な匂いがした。
虫が集る程に甘く、吐きそうな程に嗅覚を突き刺す、腐臭。
まさかと思い彼のブーツを脱がせると、その皮膚は血の塊が透けて見えたような色をしていた。なんと呼べば良い色なのか、褐色とまではいかない、暗い赤紫色だ。
触れると氷よりも冷たい。
よく知っている体温。
ある一つの仮説が浮かぶ。
治癒が効かない時点で既にその顔を覗かせていた言葉が、嘲笑するように心中に響き渡る。
ルーヴェリア「呪…詛…」
自分にもかけられたもの。
なんとかして打ち砕かんとして、でもどうしても、何をしても解けなった呪い。
でもこれは不老不死の呪いじゃない。
不老不死の呪いじゃないなら宮廷魔導士か彼の母親なら、王妃なら解呪出来るかもしれない。
自分の側に膝をついた女神がぽつりと呟いた言葉さえ、アドニスの耳にはもう遠い。
ルーヴェリア「急いで城に…ああでも…」
珍しく焦燥している彼女を見た。
アドニス「師匠、何か気にかかることでも…?」
自分の状態に気が付かず、そう言ったつもりでいた。
彼女からの返答はない。
それもそうだ、彼は喋ったつもりでいるが一言も発せていないのだから。
そのまま体を持ち上げられて、出来るだけ振動が伝わらないよう、それでいて出来るだけ早く走った。
ルーヴェリア(でも、現在地から城までこの速度で走っていたのでは馬より遅い…!次元移動は使えない。殿下の体が耐えられない)
そういえば、付近に本国へ通じている川がなかったか。
ヘルベ湖から降れば。
それに観光地にもなるからと舟を渡せるよう整備された川は障害物も無かった筈だ。
アドニス「師匠…?一体何をしているんですか?ちょっと休めば歩けるようになりますけど、火急の案件なら置いていっても…」
そう話しかけるのに、ずっと呼んでいるのに、彼女は何も言わずただ前だけを見て走り続けている。
何故か布でぐるぐる巻きになっている胸元からは、止まっている筈の彼女の鼓動が早く脈打っているのが聞こえた気がした。
ルーヴェリア(急拵えのボートで辿り着くまでには、早くても3日はかかる…でも走るよりは早い……それまで殿下のお体が保つかどうか…!)
森に入り、湖の近くの木に背がもたれるようにアドニスを降ろした。
いくつかの大木を蹴りでへし折り、魔力で縄を編んで筏を作る。
ちらとアドニスの方を見やれば、暗い赤紫色だった脚は既に皮膚が溶け始めていた。
胸が苦しい。嫌だと泣き叫びたくなるようなこの感情をなんと呼べばいいのか、遠い昔に捨ててしまったからもう分からない。
急拵えのそれは筏とも小舟とも呼べないものだが、魔力で多少推進力を上げても問題無さそうなくらいには丈夫なものが出来上がった。
アドニス「師匠…?」
そこに乗せられたアドニスは、初めて自分の意思で自分の体が動かないことに気がつく。
全身が鈍く、鋭く、痛んだり痛まなかったりして、何か異常が起きているということだけは分かった。
きっと、先程から声をかけているのに返事をしてくれないのは、自分が喋れていないからなのだろう。
そうか、だからこんなに焦っているのか。
先程の戦いで自分の隣に立った彼女は、真っ先に治癒の魔術を施してくれた。
でも、いつものように体が軽くなることはなくて。
ああ、心臓が痛い。
心臓から全身に広がるように、鈍くもあり、鋭くもある痛みが駆け巡っていく。
ボートはルーヴェリアと死にかけのアドニスを乗せて動き始めた。
魔術で推進力を多少上げてはいるが、大きなヘルベ湖のほぼ真ん中あたりから舟を進めるのだ。
どうしても時間はかかってしまう。
彼の脚を切り落とせばなんとかなるかとも思ったが、指先までもがあの色を帯びているのを見て、諦めた。
星が瞬き始める。
せせらぎと、時折軋む木の音が聞こえる。
ルーヴェリア「…殿下、私の声はまだ聞こえますか」
アドニスはギリギリのところで動かせる瞼だけ、一度閉じて開くことで返事をした。
ルーヴェリア「殿下のお体は、昔の戦いで私達が常用していた体を腐敗させる魔術に蝕まれています。ただの魔術なら、私ならば治癒の魔術で打ち消すことができますが…」
筏を作りながらも、彼の体が保てるよう既に十数回は試している。
ルーヴェリア「残念ながら、私には治せないもののようです。腐乱の魔術を呪詛に昇華させたのでしょう。一定の期間をかけて蝕むか、発動条件が満たされた場合に侵蝕が始まるのか、術者の意思で自在に操れるのかは分かりません」
自分の呪いすら解けないのに、他人にかかった呪いが解けるわけも無かった。
そもそも魔力に宿る残留思念が呪詛に関わるということまでしか解明できなかったのだ。
こんなに、何十年と研究してきたのに。
副産物として次元に干渉する力を手に入れたりするだけで、肝心のものについては何一つ分からなかった。
ルーヴェリア「王妃様や宮廷魔導士なら解呪できるかもしれませんから、今から急いで城に戻ります」
悔しさに歯噛みする。
強く閉じられた唇に、そんなに思い詰めないで欲しいと指を添えてやりたいところだが、残念ながら体は動かなかった。
ルーヴェリアは考える。
今自分に出来ることはなんだろうと。
ここは鍛錬場ではなく戦地だ。
腐乱して跡形も無くなってしまっては、蘇生することも、出来ない。
だからせめて、せめて彼が心安らかでいられるようにしたい。
そんな思いからルーヴェリアは口を開いたのだった。
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パイン

パイン

なんで私が早大に!?(神宮で躍動している)
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ハシオキ龍之介

ハシオキ龍之介

昭和懐古録 # 409

#グラビティ昭和部


☆『プロ野球リーグ発足』

1月15日 新愛知新聞をバックに球団三番目の名
古屋軍が創設。三連覇を達成した中京商業の地
元であるだけに熱狂的に迎えられた新チームを
率いるのは、初代監督池田豊氏。
1月17日 オーナー有馬頼蜜伯爵、後援西武鉄道
で東京セネタース誕生。明大在学中を引き抜き
野口明投手を入団させたため、横沢三郎監督は
OB会を除名。攻守走三拍子揃った苅田選手が巨
人から移って一番打者。
1月23日 大正時代に宝塚野球協会を持っていた
阪急、正式名称大阪阪急野球協会が誕生。初代
監督は三宅大輔氏、神宮のスター慶大の宮武三
郎選手(主将)や山下実選手を入団させ、タイ
ガースの庶民性に対抗。
2月5日 日本職業野球連盟結成。
2月15日 国民新聞をバックに大東京が創立。
代表は鈴木竜二氏。初代監督は東京倶楽部の強
打者慶大出身の永井武雄氏だったが、リーグ戦
開幕前に解任、公式戦は伊藤騰三選手が代行、
十六連敗の記録を作って年末に小西得郎氏が就
任。にスポンサーがライオン歯磨になる。
2月28日 名古屋金鯱軍が名古屋新聞をバックに
誕生。最初は岡田源三郎監督でしたが、年末に
巨人から二出川外野手をトレード。
4月29日 第一回職業野球リーグスタート(巨人
渡米中のため選手権試合にならず)。
7月1日 早大・戸塚球場で連盟結成記念第一回
日本野球選手権大会(初の公式戦・年度優勝決
定戦なし)。
8月30日 西武鉄道上井草駅前に新球場落成(セ
ネタース本拠)。
9月18日 第二回大会甲子園で開幕。
10月14日 大東京、洲崎埋立地に専属球場落
成。
12月9日 洲崎球場で年度優勝決定戦が巨人と大
阪タイガースの間で行われ2隣1敗で巨人優勝。
秋季成績。最多勝利=沢村栄治(巨)12勝2敗、
首位打者II 中根之(名).376、
打点王=古谷倉之助(鯱)23、
最優秀防御率 景浦将(夕)0・79、
本塁打王=古谷(鯱)、山下実(急)、藤村富
美男(夕)2。
盗塁王=苅田(セ)16
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にぼ紳士🎩

にぼ紳士🎩

偏見の星が最早 大喜利の星
偏見の星偏見の星
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小鳩

小鳩

昨日から体調崩してて、今朝メンタルの方で
起きてるのにリビングに行きたくなかった。
夫一人で送り出しが出来れば良いのに。
と思ってわざと降りなかった。
子供1は起こすのは私がして、
無事出発。
子供2は妙に静かだと思っていて
「?無事出発できたのか?」
と思って夫が居ないだろう時間に降りたら
2人とも居た。
「ママごめんね」
と子供2。
「小鳩が体調悪い時くらい休ませてあげたくて半休とった!送り出しするよ」
と夫……。
「こんな時の有給だから気にしないで」

……………。
自分で子供の事してくれようとしたのね!
私の事も気遣ってくれて有難う!!

と言うべきなんだろうけど。
項垂れて「もう、いいよ」
と2階に上がった。

そしたら、夫がついて来て
「気にしなくて良いんだよ」
と言っていたけど。

送り出しするのに半休??
挙げ句に最早大分遅刻……
ああ。やっぱり何が何でも私がやらなきゃいけないんだって現実に気持ちがグッタリした。

夫は私には良い人なんだろう
ただ家族としてしんどい。
今一緒にいるのが凄くしんどい。

離れたい。
夫も子供も傷付けずに離れられないか。
そんな方法ある訳無くて
夫が傷付いたりメンタルが不安定になったら
子供も不安定になるんだ。

痛みは伴うんだ。
覚悟をしないといけないんだ。

もうさ。
家庭内別居が出来るならしたいけど
夫の性格上出来ない。
子供も荒れる。

答えは分かってる。
ただ疲れた
本当に疲れた。
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ゆるス

ゆるス

ノンフィクション良かったな
12浪の早大生
僕と同世代
就職がゴールではないんだけど、やっぱり人から必要とされる
「うちの会社で働いて欲しい」って言われるのは嬉しいよな
お母さんのホッとした表情がまた…

おめでとうございます㊗️
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ルイ14世やないかい

ルイ14世やないかい

早大レベル模試行きたくねぇ。日曜猫ぺろぺろしながら寝てたいのに
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大切なもの

ロードオブメジャー

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めんちかつ

めんちかつ

🇯🇵 日本の「附属学校制度」の謎:エスカレーターはなぜ「エレベーター」になるのか?

🎓 はじめに:多様性の尊重と日本の教育システムへの疑問

初めに断っておくが、私が決してその人を人種や性別、能力や学歴、学力で差別する人間ではない。私は多言語をやっていて特に欧米人から人間にとって大事なことは多様性を尊重することで、いろいろな人や違った価値観を受け入れていくことが大事だと知った。まずここははっきりさせておきたい。

しかし、昔からの、とりわけ日本の教育システムや大学制度に深く疑問と関心がまだある。もう大学を卒業してから20年以上になるのだが、その謎はつきまとっているのである。

🇺🇸 エスカレーターはアメリカで「エレベーター」になった背景

それはハロートークでアメリカ人と話してる時だった。なんでも彼らにも私たちの学歴や教育制度が関心があるらしく、その女性は日本の学校システム、附属学校のシステムのことを話し出した。その時、附属学校のことをうまく説明できる単語がみつからず、「アタッチメントスクール(Attachment School)というんでしょう?」と答えると、彼女から**「エレベータースクール(Elevator School)というのよ。」**と言い返された。

私は日本で附属学校出身者のことを、エスカレーター生とか、エスカレーターとよくない意味で呼ぶのは知ってたが、エレベータースクールというのは初耳だった。

しかも彼女は日本の学校のことをよく知っていて、「日本大学や慶応大学とか、附属高校出身者が多い学校のことを指す。」と個別具体名も上げて日本の学校システムについて語りだした。彼女がなぜ日本の大学と大学制度のことを知ってるのかというと、アメリカにそれらの大学から附属出身者たちが留学にたくさん来ているからとのことだった。

私は彼女のように附属システムや附属出身者のことを批判するつもりはなかったので、「お金持ちや、スポーツとか、特定技能に優れた方が多いんですよ。」とつけくわえたが、「そうよね。アメリカにもそういう学生たちはいます。」と全てわかってますというように語った。

エスカレーターがなぜアメリカに行ってエレベーターになったのかよくわからない。アメリカ人がなぜ日本のことを日本人以上に知ってるのかもわからなかったが、私は明治大学出身で、附属高校出身者たちとかなり仲良くしていた。彼女だけでなく私も、この附属制度に興味があったのは間違いないのだ。

📉 附属生への疑問:法政大学と明治大学での「就職」の知見の相違

xのアカウントで、法政大学の方が自分の大学の附属出身者の学問的なレベルの低さをツイートしていた。私はすべて彼女の意図が分かったうえで、「でも中には頭が良い人もいますよね?」とか「彼らは就職活動はすごく上手で、いいところに就職しますよね。」とか、彼女が女性だったために少し附属生たちにお世辞を言ったが、彼女の批判は容赦なかった。

一番の彼女の見解との相違は、附属生が良いところに就職できたという私の明治大学での知見と、彼女の法政大学の出身者の就職がうまくいってないという見分の違いである。ほかはだいたい附属学校出身者に対する考察は間違っていない。

私はかろうじて明治大学の当時偏差値最下層であった経営学科に引っかかったが、法政大学は二学部落ちたし、偏差値的にも今でこそマーチと呼ばれているが、明治大学は明治学院大学や法政大学など、周辺大学よりも入りやすかった、体感の偏差値は低かったと実感している。

💣 崩壊した大学の教室と、際立つ学力の低さ

それは学生の質を見ればわかる。私のゼミの教授は、私の学年のレベルがほかの学年や大学と比べて質が低すぎるとたびたび語っていた。

私の経験を話すが、まず初日にクラスコンパ、飲み会をやったのだが、次の日からおおむね男子生徒はみんな学校に来なくなってしまった。残ったのは附属高校出身者、指定校推薦で大学に入った人、女子学生だけなのである。50人くらいのクラスに女子は明治大学だから少なく、10人くらいだった。私はほかの男子生徒が来なくて、女子と交流できるかな、交際できるかなとワンチャン思ったが、そういうことは一切なかった。大学学級崩壊状態で、スクールカーストはないと感じてたが、私のように金がなく地方から二時間以上かけて大学に通う学生は女子から見ても負け組に思えたらしく、まったく相手にされなかったようだ。

それはそうと以上のような事実から残った学生である附属生との交流が始まったわけであるが、いろいろ附属生についてはネットで批判もされてるが、そのとおりである。彼らはとんでもなく学力が低い。私は彼らが経済学の市場(しじょう)を「いちば」と読むのをたびたび耳にしたし、簡単な中学生レベルの漢字が読めない、それどころか掛け算とか簡単な計算ができないのもよく目にした。

文系の明治とか法政とかたいしたことないように思えるが、受験科目はほとんどが社会一科目、英語、現代文、古文で受験した。だからその教科では一般受験と差がついてもおかしくはないのだが、彼らは算数とか理科とか、ほかの科目でも一般受験性よりもおとっていたのは間違いないのだ。

🌃 夜間部の学生から見た附属生の評価

ある日、同じくそんなに偏差値の高くない夜間部の学生から、私と同じ夜間部の部活に入った学生が、成就(じょうじゅ)を(せいじゅ)と読んだと伝えてきた。そのほかにもその夜間部の学生は附属出身者のことを厳しく批判し、なぜそんなに頭が悪いのかと厳しい態度だった。

あとで気づいた事なのだが、附属生はどの学部に入るかは選考があるらしく、選考にもれた人は夜間部や短大に進学したとのことだった。おそらく夜間部でも附属生がいて、交流があったのだと推察する。

🤝 学力以外の「力」:ネットワークと情報戦

ただ、私は長く附属生と交流していて、彼らの学力以外で優れた点をいくつも目にした。一般的にまじめな方が多いし、言葉がたどたどしい人も何人かいた。毎回講義にも来てる方が多かった。計算ができずに漢字も読めずに、よく卒業ができるなとも思ったが、これはどこの大学の人も知ってることなのだが、彼らは附属生だったときのネットワークを生かし、ノートをあっという間に集めてしまう。

どの講義が良いとか、どのゼミやサークルが就職に有利かなども知っていて、学生生活全般やその後の人生で有利に立っているのは少なくとも明治大学では間違いない。

ずっとほかの大学はどんな状況なのか気になっていた。5ちゃんねるで、埼玉県の早大本庄が偏差値や学力が低いと批判されてることを知った。それを話していた明治の学生もいた。かわって、埼玉県の慶応志木はレベルが高いとされてるとの話も聞いたが、私はどうでもよかった。

ただ、一般受験で地方から上京した学生(正確には自宅通いだが)にとっては附属生や附属システムについては謎だらけなのだ。みんなもっと知りたいのだ。

🏢 企業は「小学校」まで見ているのか?

私は彼らが就職活動で有利に動いてるのを見て、ひょっとしたら企業は採用において出身大学だけでなく、出身高校、もっというと出身小学校まで見てるのではと思うようにもなった。

ある精神障害の女性と話したのだが、彼女の家は家柄が良く、彼女の親せきは国立大学医学部に進学できるような附属の幼稚園?に入ったそうなのだが、試験は祖父の名前を書いただけで終わったと自慢げに語っていた。有名幼稚園の人たちは入園者の親せきの名前まで暗記してるくらい血縁を重視しているのだろうか、それともデータベース化して、名前を打ち込めばどこの家柄であるとかわかるのだろうか。

ただ、その国立大学の医学部に入った方は、医師国家試験にどうしてもうからず、マッサージ師をしているとのことだった。本当ならばかわいそうな話であるし、私は突然難関試験を受験するのは大変ですよねと伝えたが、かえって彼女の気分を悪くするだけであった。

🇨🇳 中国の大学制度との比較:「血縁」の価値

中国人とも昔この話をしたことがある。中国には附属制度はあまりきかない、とりわけ北京大学のような有名大学にはないと語っていた。あるのはせいぜいスポーツ推薦、卓球の選手くらいしか聞かないと語り、スポーツ推薦も中国では少ないようだった。

彼女の話だと、中国の難関大学は、最低合格点でたくさんの人が並んでしまい、最終的に身長や健康診断の結果まで選考に使われると、本当かウソかわからない話までした。この話を別の中国人にすると、絶対に嘘だと語った。ただ、彼女は北京出身であったため、完全に嘘というわけでもないと思う。中国人の多くが北京大学や北京市民になりたくて地方から出てくるわけだが、あまり正確に北京の情報は知らないようだ。北京市民になると年金がいくらもらえるとか、真偽不明の情報も話す人がいた。

この日本の附属学校制度の謎を解くことは、学力では測れない日本の社会構造を理解する鍵になるだろう。

#附属学校制度の謎 #エレベータースクール #エスカレーター生 #日本の大学 #教育格差 #内部進学 #明治大学 #法政大学 #就職活動 #学歴社会の闇
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【ザ・ノンフィクション】
「12浪の早大生 38歳の就活 ~僕に内定をください~ 」ドキュメンタリー



12年の浪人生活の末、早稲田大学に入学し、大学生活8年目の38歳。約20年という浪人・大学生活の果てに就活とい壁がのしかかってくる…
エントリーシートも自分の生まれ年を選択できないような状況で、あるサークルのOBの人を頼ることになる。その方が本当に良い人で彼を諭すのであったが…

☆Xでも一時期トレンドに上がった「磯野さん」女子大でキャリアセンターで働いて早稲田大学のサークルOB御歳70歳。この方が親身になってサポートしてくれるんです。もうもうなんとも言えない気持ちになります💦
この38歳の石黒さんがとにかくなんやかんやと言い訳してエントリーシートを前日まで書けなかったり、仕事も選り好みしててツッコミどころ満載です。「人に言われてやるより、自分がやろうと思った時にする」が彼のモットー。
そんな事で就職が決まるの?と疑問しかないです。「早稲田大の新卒」のカードという強いものを持ってるのに年齢や性格が邪魔をしてうまく行きません。果たしてそんな彼に仕事は決まるのでしょうか…
ナレーション 多部未華子
前編、後編とTVer見れます。

#ザ・ノンフィクション #TVer #多部未華子
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