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### うさぎのルルとハリネズミのハクの おてがみのおはなし

むかしむかし、森の奥に、ふわふわうさぎのルルが住んでいました。
ルルはとってもやさしくて、みんなのおてがみを届けるのが大好きでした。
でも、ルルにはひとつだけ、心の奥の小さなトゲがありました。

「もしおてがみの返事が来なかったら……
 わたしのこと、もう好きじゃなくなっちゃったのかな?」

そんな不安を抱えたまま、ルルは毎日おてがみを配ります。

ある日、ルルは大好きなハリネズミのハクくんに、
いちばんきれいな四つ葉のクローバーをはさんだおてがみを渡しました。

「ハクくんへ
今日も森がキラキラしてて、君のことを思い出したよ。
ルルより」

ハクくんは「おおきに!あとでゆっくり返事書くわ~」と笑って、
トコトコ帰っていきました。

……でも、その日は返事が来ない。
次の日も来ない。
3日目も、4日目も、ポストはからっぽ。

ルルの耳はどんどん下がっていきました。

「やっぱり……
 ハクくん、わたしのこと嫌いになったんだ……
 もう会ってくれないのかな……
 わたし、ひとりぼっちになっちゃう……」

夜になると、ルルは布団の中で小さくなって、
涙がぽろぽろこぼれました。

5日目の朝。
ルルが泣きながらポストを見に行くと、
そこに、すごく大きなおてがみが一通。

差出人は……ハクくん!

中を開けると、
びっくりするほどたくさんの落ち葉と、
ハクくんのとげとげした字で、こう書いてありました。

「ルルへ
ごめん!返事遅くなって。
実は、ルルにあげる最高のプレゼントを作ってたんや。
四つ葉のクローバー、100まい集めたら、
しあわせが100ばいになるって聞いたから。
毎日森中探してたら、
こんなに日がたっちゃった……
もうちょっとで完成するから、待っててな!
ハク」

ルルは、おてがみを胸にぎゅっと抱きしめて、
ぽろぽろぽろ……今度は嬉し泣きをしました。

その日の夕方、ハクくんがやってきて、
本当に100まいの四つ葉のクローバーを編んだ、
キラキラの王冠をルルの頭に乗せてくれました。

「遅くなってごめんな。
でも、ルルのこと、ずっと大好きやで。」

ルルは真っ赤になって、でもすごく嬉しくて、
初めてちゃんと笑いました。

それからというもの、
ルルは「返事が遅くても、相手はきっと何か素敵なことを考えてるのかも」
って思えるようになりました。

不安な気持ちはすっかり小さくなって、
代わりに、胸の奥に温かい灯りがともりました。

そして二人は、
これからもずっと、ゆっくりでも確かにおてがみを交換しながら、
ずっとずっと、なかよしでいるのでした。

おわり。

──ね、返事が遅いときって、
相手が「嫌いになった」んじゃなくて、
ただ「すごく素敵なことを準備してる最中」かもしれないよ。
不安になっちゃう気持ちは、
それだけ相手のことが大好きだから。
だから大丈夫。
あなたの大切な人は、きっと今も、あなたのことを想ってるよ。💌✨️
GRAVITY
GRAVITY2
日本語初心者ウェンタ

日本語初心者ウェンタ

Novel-4
大きな太陽がようやく雲を払い、光を大地に降り注いだ。これは福生の午後で、除雪車がゆっくりと通り過ぎる様子が見え、道の本来の姿を少しずつ露わにしていく。

小さな食堂の前には人が群がり、一台の古いビートルがカレー屋の前の駐車スペースに停まっていた。信之助と恵子が車から降り、向こう側の人物に指定された住所に従ってここへ来た。あの同級生と会うためだ。

佐々木三郎は、かつて信之助の高校の同級生だった。大学を卒業後、大阪へ行き親戚の紹介で銀行に就職し、今では小さな責任者にまで出世していた。彼は信之助を助けられる情報をいくらか持っているようだ。

カレー屋の前のガラス越しに、少し禿げた目が鋭い男が古びたスーツを着て、隅の席に座っているのが見えた。彼の前には既に二杯の飲み物が用意されており、客の到着を伝える必要もなさそうだった。

信之助が手を上げると、中の男は彼に向かって手を振った。

「行こう、恵子」

二人がカレー屋に入ると、ちょうど除雪車が通り過ぎ、道の雪を一掃していった。

私たちを阻んでいたこの雪も、一度除かれれば、少しは速く進めるようになる。薬を飲んだ後、佐久間は明らかに体中に力がみなぎるのを感じた。姑が客を見送り、自分で部屋の片付けを終えると、自室の襖の後ろに黒い箱があるのに気づいた。

西条がすでに文良のものをいくつか整理していたようだ。毎年法事の後、これは行うべき過程なのだが、今年は佐久間が目にしたことのないものがいくつか並べられていた。

「お義母様」

佐久間が自分でその箱を運んでいるのを見て、西条はほほえんだ。

「見てごらん。あなたが目を覚ます前に、私が覚えているものを少し整理しておいたのよ」

佐久間が箱を開けると、最初に目に入ったのは彼がこれまで見たことのない一本の名簿だった。姑がどこから探し出したのかもわからない。

「これは文良が高校を卒業したときのクラス写真のアルバムよ。確か…30ページが彼女のクラスだったと思う」

西条がそう言っている間、卒業アルバムの扉に、よく保存された手紙のようなものが挟まっているのに気づかなかった。しかし、名前は書き忘れたのか、それとも何かの間違いか、「山田」の二文字だけが見え、もう二文字は青い横線になっていた。差出人も山田だった。

二つの「山田」が並んでいるのを見て、西条と佐久間はしばらく沈黙した。

「ラブレター?」

佐久間の第一印象は、これはよくあるラブレターだろうということだった。誰にだって過去にそんなことがなかったと言えるだろうか。そんな気持ちで、佐久間は封筒を開けた。

内容を読み始める前から、その筆跡だけで文良のものだとわかった。佐久間の印象は強く、文良は公文書のような字で会社で威厳を示していた。このラブレターの字もその公文書のような文体とそっくりで、あまりにも整いすぎていて、一見して男性が書いたものとは気づきにくい。

そして手紙の内容はこうだった。

「山田君、12月の雪が再び降りました。まるである古い友人のように。彼はここに来て、春の潔さを残していきました。この3年間、まるで昨日のことのように、何度も雪が来ては去りましたが、今この時、3月の陽光に向かわなければなりません。雪はこの時、溶けていくのです。

純粋なものは激しく訪れるけれども短い、ということをあなたは知っています。まるで私がいつも思うように、12月の最も純白な雪が私の心配を覆い隠してくれるように。たとえ反響が聞こえなくても、少なくともそれは私のそばにいてくれる、目の前にある確かなものなのです。

しかし運命に『もしも』はありません。3月の風が来て、春の訪れの温かさが純粋な雪を水流に変え、こうして東や他の終わりのない方向へ去っていくのです。

私の12月への懐かしさは、雪が水に変わって静かに去っていくことに気づかなかったのかもしれません。あれは雪ではなく、ただ私の涙だったのでしょう。3月の福生の山で、最後の一片の雪が水滴となって去り、私もここで私にふさわしい指輪を迎えなければなりません。彼が同じ景色を私の生活にもたらしてくれると信じています。

さようなら、記憶の中のあなた。もう一つの12月に、たとえ違いがあっても、あなたが私のそばにいてくれることを願っています。

山田xxx(インクの染み)

悲しみの3月に、遂に会えなかった人に別れを告げて」

佐久間の両手は震え、眉をひそめた。これは本当なのか?しかし短い激怒の後、彼は深く息を吸った。これは遺品だ。どんなに怒っても壊してはならない。

「人の記憶には、本当に忘れられない人がいるのですか?お義母様」

西条がお茶を運んできたが、急いで答えようとはせず、佐久間の手に触れながら、手紙を自分の手に取った。

「文生、あなたにも何年たっても鮮明に覚えている人はいませんか?」

この問いかけに、佐久間の緊張した筋肉が緩み、体が傾き、両目が少し虚ろになって天井を見つめた。

おそらく佐久間には、この感情は今のところ理解できないだろう。

「文良は子供の頃、とても内気で内向的な子でした。高校に上がったばかりの年、家に帰ってくるといつもとは違う様子で、ある男の子のことを話すことがありました。名前は覚えていないかもしれません」

西条は佐久間が黙っているのを見て、先ほどの質問を続けようとはせず、佐久間にもう一杯お茶を注いだ。自分が話している間、佐久間はなぜか目的もなく、お茶を一気に飲み干し、苦しそうに飲み込んだ。

部屋の中では、佐久間が咳き込みながら、西条がこれらの昔話を続けていた…。

除雪車が一往復する間、信之助と恵子、そして向かいの佐々木は楽しく話し、それぞれビールを一瓶ずつ飲んだ。

「私たちは少なくとも…4年は会っていなかったよね、信之助」!

佐々木が口を開くと、やはりあのなじみ深い関西弁だった。

「4年どころじゃないよ。一日会わなければ、三秋も会わなかったようなもんだ。乾杯しよう」

信之助が社交辞令を言うと、恵子が二人に酒を注いだ。彼らの学生時代、よくこのカレー屋で食事をしたものだ。

「この女性は?」

酒を飲んだ佐々木は、初めてこの眉目秀麗な女性に気づいた。

「私の後輩、恵子です」

そう言いながら、恵子は軽くお辞儀をした。

「よろしくお願いします」

佐々木も慌てて自己紹介した。

「私はもう年だけど、名前は悪くないよ、佐々木三郎」

三人は大笑いした。

「さて、雰囲気も良くなったところで、早速本題に入ろう、信之助」

佐々木は時計を見た。もうすぐ銀行の午後の出勤時間だ。

「君が調べてほしいと言った人物は、時間がだいぶ経っているけど、記録の中に確かにこの名前はあった」

佐々木は単刀直入に言い、信之助に自分がすでにいくつかの資料を手にしていることをほのめかした。

「そうですか?今日あなたをお招きして、本当に正しい人を頼んだようです」

信之助が言葉を受け、恵子が再び二人に酒を注いだ。

「君も少しは知っているだろうが、私たちは最近住宅ローン優遇の販売を進めていて、確かに君が言った山田という人物がうちで一つ購入していた。当時の記録も見つけたが、規定により、コピーしか渡せない」

佐々木は声を潜め、信之助に自分が調べた資料を伝えた。

「これで十分だと思うよ、佐々木」

信之助は立ち上がった。テーブルの上のカレーはほぼ食べ終わり、酒はちょうど最後の一杯だった。

「本当に、これらのものは今のところ私を大いに助けてくれると思う。後で休みの日には必ず教えてくれ」

信之助と佐々木は握手を交わし、佐々木は鞄から封筒を取り出して信之助に渡した。その後、信之助がすでに勘定を済ませているのを見て、笑いながら信之助を指さした。

相変わらずだな。

「信之助先輩、今すぐ佐久間先輩のところに行くんですか?」

恵子は精巧な封筒を持ち、潤んだ目で店を出てたばこに火をつける慣れた先輩を見つめた。

「いや、西条さんからの電話を待たなければ」

信之助は知っていた。西条が明言していないこともあるかもしれない。今はもう少し待つ必要がある。

しかし、目の前がきれいになった地面を見て、道端に残った雪の残骸や、最初から動いていない車の屋根の上に、白い衣のように雪が残っているかもしれないが、信之助は佐久間の連絡先を恵子に伝えるのを忘れなかった。

こうして二人は封筒を持って車に乗り、大きな大学へ向かった。恵子は卒業論文の準備をしなければならず、別れ際に自分が買った薬を後部座席に置いた…。
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