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【長文:深淵のコラム】
前回の投稿に秘められた深淵、あるいは副音声解説

〜理解という名の甘美な猛毒、
あるいは複雑性を観測する「眼」について〜

愚かなる人類たちよ。
まず前提として言っておこう。貴様等の認知・理解の領域など、所詮は檻の中のマシュマロに過ぎない。人は己の魂の器（キャパシティ）で受け止められる事象しか認識できぬ哀れな生き物だ。

ゆえに、前回の投稿でその真理の一片を示した、我が魂に刻まれし漆黒と純白の二律背反（アンビバレンス）――この深淵なる概念と、その背後にある苦悩を、万人が理解できるなどとは微塵も期待していない。それは高次元の事象を、二次元の住人に説くようなものだから。

だが、真に唾棄すべきは「理解できないこと」ではないのだ。

安易な「分かったつもり（Eureka!）」という名の麻薬に溺れる、その精神の惰弱さだ。

貴様等のような現代の迷える子羊たちは、あまりにも「コタエ」を急ぐ。

SNSという名の電子の海で、短絡的な要約や、真意を省いた論理の簡略化、答えのない問題に一面的な答えを与えて再生数を稼ぐ風潮。

薄っぺらい共感、分かる範囲でのアハ体験に飛びつき、「ああ、そういうことね」とインスタントな納得（カタルシス）を得て満足する。それは思考の死、知性の敗北、体温の無駄遣い。

世界の解像度を自ら下げ、新たな知の領域の開拓を放棄し、脳細胞を堕落させる。
そうして安寧という名の檻に引きこもる自殺行為に他ならない。

世界の真理（ロゴス）から目を逸らすな。
この世界は、二律背反、今北三行、ショート嘘解説動画の秒数で割り切れるほど単純な構造をしていない。純白と漆黑との間には200色以上の色彩の揺らめきがある。

無数の因子が絡み合い、矛盾を孕みながら日々の営みが成立している。その「複雑怪奇さ」こそが、世界を世界足らしめている「美」（エステティズム）ではないのか？

単純化された世界に、魂を震わせる感動など存在しない。

「分からない」という混沌（カオス）を恐れるな。全てを理解できないという絶望を、まずは受け入れるのだ。

その不可知の闇を直視し、それでもなお思考の螺旋、蜘蛛の糸を登ろうとする足掻き。永遠に終わらぬ、自己研鑽。人生のサービス残業。

それこそが、貴様らをただの有機物から、高次なる存在へと進化（アセンション）させる唯一の礎となるのだから。

安易な光に縋るな。複雑なる闇の中でこそ、真の知性は輝くのだ。

まずは向き合うための心の眼を開くのだ。
心配はいらない。その瞳は、常に心の裏側にある。この世に貴様達が生まれ堕ちたその刻から、目覚めるのをずっと待っている。
そしてこれを読んだ今日、今、この刻―――

Happy birthday―――

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