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東方Project二次創作
宵闇奇譚
「第9話 敗因は・・・」

「都は美鈴の挑発に対して挑発で返したわね」

レミリアの問いに霊夢は首を傾げる

「挑発だといいんだけどね」

霊夢は都と組手とは言え一戦交えている
何か感じる物があるのだろう
都は軽くステップを踏みながら、左腕をブラブラ振っている
今にも行くぞ!行くぞと圧力をかけているようだが、美鈴はそんな都を見ながら微笑みすら浮かべている
都は黒流鞭を放つ
縦横無尽に乱打される左拳を美鈴は少しの動きで回避している
見切ったと言い切っただけはある
回避し切れない物は軽く弾いて捌いている
黒流鞭の弱点は一撃一撃が軽い事だろう
元からジャブのような攻撃だ
いくら威力があるとは言え、相手を制し行動の制限をかける事を目的とした攻撃でしかない
都はどんな意味で見切れないと言い切ったのか?
美鈴には余裕がある
都の乱打を回避し捌いている

「どうしたのですか?
見切れないのでしょう?」

「制空権・・・ですか?」

都は呟く
美鈴は「ほぅ」と関心した

「流石は宵闇さんの弟子
知っていますか」と笑顔だ

「それでも黒流鞭は見切れない」

またも都は黒流鞭の乱打
しかし美鈴は見切っている
回避し捌いている
都はそれでも強引に黒流鞭、焦っているようにも見える
その一撃を美鈴は待っていたかのように大きく力強く弾いた
都は反動で体勢を崩してしまう

「美鈴の勝ちね」と笑うレミリア
霊夢は「いいえ、都ちゃんの勝ちよ・・・多分ね」と返した
その瞬間、都の身体は一瞬ブレる
そのブレが収まると都は体勢を崩した格好ではなく、攻撃姿勢に戻っていた
「あっ・・・」と言う声ともに膝が崩れる美鈴
そう都はもう攻撃を終えている

「夜陰流黒流鞭・旋(つむじ)」

「何が起こったの?!」

レミリアが声を上げる
しかし美鈴は意識はあれど身体を動かせない
焦点の定まらない視線でレミリアを見ようとしているようだ

「これで詰みです」

ビー玉を握ったままの右手を美鈴に向けた
美鈴は動けない
咲夜は慌てて「勝者白城都!」と声を上げた

「一体何が起こったの?
都が一瞬ブレたかと思ったら、美鈴が崩れたなんて」

「黒流鞭で顎の先端を撃ち抜きました
そうすると脳が揺られて意識はあっても動けなくなります」

人間だろうが妖怪だろうが脳を持つ以上、その脳が激しく揺らされたら意思があっても身体は動けなくなる
それは当たり前の事だ

「でもどうやって攻撃したのよ・・・」

「私の能力は自分を加速する程度の能力で実際の時間で1秒間だけ、自分を加速できます
今回は調子が良かった
5倍くらい加速出来ました」

つまり1秒が都にとって体感で5秒になったのだ 
5秒もあれば崩れた体勢も立て直して反撃に転じる事も可能だ

「多分都ちゃんは黒流鞭と言う技で自分の最高速を美鈴に覚えさせたのよ
それで美鈴は見切れると判断した」

都は無言で頷く

「美鈴は都ちゃんの実力を理解して、勝てると確信した
しかしそれは都ちゃんの描いた図面
体勢を崩した瞬間、美鈴は勝ったと思って一撃で決めようと思った
攻撃に意識が行った時、それは一番反撃を警戒してないタイミング
しかし都ちゃんは加速して体勢を整えて反撃した」


「多分こう」と左腕をピンと伸ばして、身体をグルンと回転させる
その超高速の一撃が美鈴の顎を掠めて脳を揺らし戦闘継続をできない状態にしたのだ

「はい、それが黒流鞭・旋です
美鈴さんの敗因は私より強かった事
私は美鈴さんより弱い、しかしそれを私は美鈴さんより知っていました」

都は美鈴が本気になる前に勝負を決めに行った
美鈴が勝ちを確信した瞬間を、その瞬間を狙い済ました
いやより正確には美鈴が勝ちを意識するその瞬間を演出して、狙い済まし致命的な一撃を入れる
この隙は美鈴が都より強いから出来た物だ
実力が拮抗していては出来ない
美鈴の余裕があってこその致命的な一瞬

「黒流鞭は見切れません
何故なら本来は私の能力を使い、軌道も速度も自由自在に変化します
見切られる、弾かれる、ガードされる瞬間に私が加速し軌道もスピードもリーチも変化させる事が出来るからです
力が自分と同等、もしくは格下の場合はそう使いますが、圧倒的に格上の時は敢えて見切らせる事に意味があるとルーミアさんは言いました
霊夢さんの説明の通り、黒流鞭で私のMAXスピードを美鈴さんに覚えて貰い
見切れると判断して貰う事が最初のステップ
それを踏まえて美鈴さんに心理的余裕を持ってもらう事が次のステップ
実際に見切って貰い、勝利までの道筋を意識してもらう
それらを全てクリアして、私は焦って強引に攻めるフリをする
当然美鈴さんはそれを崩して決めに来る
勝ちを確信した瞬間ほどカウンターへの警戒は無くなります
警戒が無くなった所に望外の一撃、それこそ私に見いだせた唯一の勝機でした
逆に美鈴さんの場合、見切れないと判断したら出させない
つまり黒流鞭が使えない超至近距離の戦いにするか、当たらないミドルレンジで戦うかの二択になります
こうなったら私の勝機はほぼありません
見切った、見切れると誤解して貰った方が隙が生まれ、致命的一瞬を演出出来る可能性がある
それが私に与えられた勝機です
弱いならその弱さすら武器に変える
それが強き者から弱き者になった
ルーミアさんが辿り着いた答えです」

ようやく身体が動くようになってきたのか、美鈴が頭を抑えている

「でも!こんなの1発芸みたいなもんじゃない!
次やったら美鈴が勝つわ」

「はい!その通りです」

レミリアの言葉に都はあっさり答える
「へっ!?」レミリアは素っ頓狂は声を上げた

「これは試合ですからね
次は私が負けるでしょう
もう勝てるビジョンが浮かびません
格上が慢心を捨てるのです
弱い私が勝てる訳が無い」

都はここで一息入れた
レミリア達は息を飲む

「だから次戦うような事になれば、全力で逃げます
逃げに徹した私を捕まえる事は、幻想郷最速の射命丸文さんでも出来ないとルーミアさんか教えてくれました」

都は笑顔で言い切った
清々しい程の勝ち逃げ宣言である

「それでも戦わなければならない状況ならどうする気?」

レミリアが都に問いかける

「対峙した瞬間フル加速で指弾を乱射します
ルーミアさんは私の能力を真正面から正々堂々と不意打ちできる程度の能力と言っていましたから、望外から意表を突いた一撃はこれしかないです」

一度負けて慢心を捨てているからこそ、先手は譲らないだろう
逆に攻める気満々なはずだ
自分の方が実力は高い、それも圧倒的に強いと理解しているからこそ、下手な小細工されないように一瞬で決めようと考える
そこにいつ撃ったか認識できないスピードで放たれる超高速の指弾の弾幕
都の勝ち筋はこれしかないだろう
硬気功などで防がれてしまえば、都は負けを受け入れるか、逃げるしかなくなる
ルーミアは都に逃げる事は恥ではないと何度も言っている
勝てないなら逃げる、これは当然の考えだ
当然な事は恥では無い
弱い事は罪ではない
弱さを受け入れ、立ち向かう事こそ人の強さなのだから

「それでレミリアさん
協力してくれのですか?」

「協力してあげるわ
そこそこ面白かったし、宵闇に会ったら伝えてちょうだい
一度顔を出せとね」

レミリアにとって弱さは罪だった
そう言う世界で生き抜いて来た
それなのに弱さを武器に変えるなんて発想はレミリアにはなかったのだ

『面白い!面白いわ
宵闇と白城都・・・あなた達は必ず紅魔館に引き入れる』
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宵闇奇譚
「第8話 夜陰流黒流鞭」


紅魔館の中庭には紅美鈴が待っていた

「美鈴、この子白城都と試合をしてちょうだい
面白い試合になったら、紅魔館はこの異変の解決に全面協力するから、手を抜いたらダメよ」

「白城都です
よろしくお願いします」

ペコッと頭を下げると、美鈴が拳包礼で「紅美鈴です」と答える

「この子は宵闇の弟子だから、胸を貸してあげなさい」

「ルーミアさんの弟子なんですね
それは面白い」

やる気になってる美鈴に都は慌てる
ルーミアと美鈴の間にいったい何があったのか、都には分からない

「宵闇は一度美鈴に勝ってる・・・と、美鈴は思っているんじゃない?
あれは引き分けだと私は思うけどね」

どうやら一悶着あったらしいのは理解した
都はふぅーと息を吐くと両の頬をパチンと叩き気合いを入れ、前に出て構えを取る

「夜陰流戦闘術白城都
まだ未熟ですが、お手合わせお願いします」

都はアウトボクサーのようにステップを踏み左前構え、右手は顎の辺りを防御姿勢
左手は軽く握ったままブラブラさせている

「見た事のない構えですね
面白い」

美鈴は腰を軽く落としてやはり左前の構え
両者の準備は整ったと咲夜はレミリアを見た
それにレミリアが頷く、咲夜が右手を振り上げると「始め!」と勢い良く振り下ろした
その刹那!都がステップを踏みながら、美鈴に近づく
軽く握った左手を鞭のように振り回す
ボクシングを知っている人なら、フリッカージャブと言うだろう

「夜陰流戦闘術!黒流鞭」

軽いステップ共に縦横無尽に繰り出される左拳
美鈴は両腕でガードしていたが、堪らすバックステップで距離を取る
その両腕にはいくつかミミズ腫れのような物が出来ている

「都さん、なかなかやりますね」

美鈴は楽しそうだ
都はステップを踏みながら近づくとまた左拳を無数に振るう
左拳の弾幕を遮るように美鈴は強引に間合いを詰めた
いや詰めたように見えた、その刹那、美鈴は前進を辞めて上体を後ろに反らす
美鈴の顎があった辺りには、都がはね上げた右膝があったのだ
拳の弾幕をガードする為、美鈴はボクシングで言うピーカーブースタイルだった
ピーカーブーは左右から攻撃には強いが、上下からの攻撃には弱い
身をかがめ拳の弾幕を遮るように前進すると、そこには下から突き上げるような膝の一撃
最初からデザインされた連携だ
強引に引き上げた顔目掛けて、右手から指弾が放たれる
これには流石の美鈴も慌てて膝を落として倒れ込むように回避する
それを見逃す都じゃない
倒れた美鈴に飛びつくと、身体を絡めて腕を取りそのまま脇固めの体勢に入り、ガッチリ固めてしまった
武術の達人相手にスタンドアローンで戦うなんて、拘りは都には無い

「流石は宵闇の弟子ね」

レミリアが呟く
霊夢が「どう言う意味よ?」と聞く

「宵闇が美鈴とやり合った時もあの体勢になったのよ
美鈴からしたら、可愛がってるルーミアに得体の知れない何かが取り憑いているように見えたのでしょう
宵闇から見たら言いがかりなんだけど、取り敢えず押さえ込んで話を聞いて貰おうとしただけかも知れないけどね」

気が付いた咲夜が止めに入って事情を聞いたって事らしい

「がっちり関節決められたとなれば、美鈴は負けを認めてしまうだろうけど、宵闇は小さい、体重をかけて関節を決めても美鈴の気のパワーを使えば返せたと思うのよね
だから決着付かずにドローが私の判定」

レミリアは楽しそうだ
華麗な立ち回りの打撃戦も泥臭い寝技ありの戦いもどちらも楽しめるのだろう
美鈴もただの人間相手に関節を決められたとしたら、それは屈辱だろうが都は過去に宵闇の人喰い妖怪と恐れられた程の妖怪の弟子である
美鈴は決められたはずの右手に気を集中する
その瞬間、都は美鈴の関節を離して距離を取った

「何故離したのですか?」

美鈴に都が「危険と判断したら距離を取って仕切り直しが、ルーミアさんの教えです」と返す

「危険を犯さないと火中の栗は拾えませんよ?」

「まだ生焼けの栗を危険を犯してまで拾う必要はありません」

つまりそこに勝機は無いと都は判断したって事になる
まだ試合は始まったばかりの序盤戦、勝ちに焦り危険を犯す必要は無いって事だろう

「私相手に勝つ気でいる訳ですか・・・
やはり貴方は面白い」

「ルーミアさんは私を怠惰で面倒臭がりと言いますが、最初から勝ちを諦めるほど怠惰ではありません
結果的に負けるのは仕方が無いですが、それは最初から勝ちを諦める事とは違います」

都が纏う妖気が研ぎ澄まされて行く
美鈴も思わず息を飲む程にだ
夜陰流は格上相手に対抗する為にルーミアがデザインした戦闘術
弱い人間が強い妖怪に勝つためにはどう戦えばいいか?を追求した物だ

「どこからでもかかって来て下さい」

「ルーミアさん曰く、強い妖怪は弱い人間を下に見ている
実際人間は弱いので下に見ているのは文句はありません
故に受けに回り後の先を選びやすい
そこに付け入る隙があるだそうです」

都は一旦区切る
そして美鈴を見つめて問いかける

「ホントに先手を譲ってもいいのですか?」

これは人間同士でも当てはまる
将棋やチェスのようなボードゲームで、相手が格下の場合、攻め手を相手に譲り守勢を取る傾向がある
それは相手の実力を測ると言う意味と、攻めるより守る方が戦術的に有利と言う事を知っているからだ
相手の戦力を削ってから攻勢に出る
これは戦略的に正しい
戦略の基本は勝ちやすきを勝つ事、そして戦術とはその勝ちやすい状況を作る手段でしかない
格上が格下相手に守勢を取るのは戦略的には正しいのだ
強き者から弱き者になったルーミアは考えた

そこにロジックの穴があると

本来戦術で戦略を覆す事は出来ない
正確には非常に難しい
しかし戦術とは戦略的勝利を確定する手段なのだ
相手の戦術が崩壊すれば、戦略も当然崩壊する
そして後の先の戦法の唯一の弱点、それは主導権を相手に渡してしまう事
つまりどっからでもかかって来いと言う姿勢が相手に戦術的フリーハンドを渡しているのだ
そこが付け入る隙になる
それに都の能力、自分を加速する程度の能力
先手を取りながらも後の先を選べる事
そして能力を使っていてもバレずらい隠匿性、ルーミアが都に与えた指弾と言う技術、武術よる高度な虚実を使い分ける戦略眼
それらを駆使して主導権を握り続け、相手の戦術を崩し、こちらの戦術的有利を積み重ねる
それが夜陰流の基本にして真髄なのだ
実際先手を譲ってもいいのですか?と聞かれて、やっぱこっちから攻めるわと格下相手に意見を変える者はいない
確認ではなく駄目押し、それが都の問いの意味だ

「黒流鞭と言う技は見切りました
もう通用しません
貴方が次に何をして来るかたのしみですよ」

これは美鈴から黒流鞭を使って来いと言う挑発

「黒流鞭は見切れません
そう言う技です」
GRAVITY
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まきみや

まきみや

好きなキャラクターとか、アニメとか、あったりする?好きなキャラクターとか、アニメとか、あったりする?
東方紅魔郷/ルーミア
多分コイツが私を虹オタに引き摺り込んだ(
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あのあ・まーしゅ。

あのあ・まーしゅ。

ロスワで好きな絵札は?ロスワで好きな絵札は?

回答数 4>>

ビジュだと黒幕との遭遇?だっけ… 
ルーミアと魔理沙映ってるやつ
東方ロストワード東方ロストワード
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宵闇奇譚
「第7話 紅魔館」

霊夢達は紅魔館に訪れた
幸い門番の紅美鈴は起きていたので、霊夢のおかげですんなりと話はレミリアに通り、捕らえた夜雀達は妖精メイド達に別々の部屋に隔離される事になった
3つほど部屋を離して保護と言う名の監禁をされる
応接室に通された3人は、紅魔館の主であるレミリア・スカーレットを待っていた

「あたしまでいいのかなぁ?」

ミスティアが呟く
場違いに感じているのだろう
しかしそれは都も同じなのだ
そわそわと落ち着かない
堂々としているのは霊夢のみである

「あんたはまた狙われるかも知れないんだから、暫くは一緒にいなさい」

霊夢は咲夜が出してくれた紅茶を飲みながら答える
主に変な紅茶を出す咲夜だが、流石に客には普通の紅茶を出すようだ
霊夢は平然と飲んでいる
そこに応接室の扉が開き、レミリア・スカーレットとそれに従う十六夜咲夜が現れた
霊夢達の前にある椅子に座り足を組むレミリア
その後ろに静かに控える十六夜咲夜
都とミスティアは緊張している

「霊夢お久しぶりね
そっちは博麗神社の宴会で顔を合わせた夜雀の・・・ミスティアだったからしら?」

「ひゃい!ミスティア・ローレライです」

思わず噛んでしまうミスティア
顔は真っ赤だ

「確か、ミスティアはバンドをやっているのでしょ?
これくらい緊張してちゃダメよ」

レミリアは軽く笑う
ミスティアはさらに赤くなった

「で、そっちの見慣れない人間?にしては妙な妖力を感じるわね
あなたは?」

「はい!白城都と言います
ルーミアさんに言われて、代理で来ました」


「ルーミア・・・あぁ宵闇の方の?
あなたが宵闇の弟子・・・
ふぅーん、あなたがねぇ」

品定めするかのような視線、都は緊張を深くする

「あんたも大人ルーミアを知っているのね」

霊夢が問うとレミリアが笑いながら

「ルーミアは意外にもフランが気に入ってるのよ
妹とみたいと言ってね
遊び疲れて寝たはずのルーミアがたまに帰っていくから、声をかけたら宵闇の方だったと言う訳、宵闇とはたまに話をするくらいには仲が良いわよ」

意外とオープンである
隠す気がないのだろう

「いつの間にか図書館に宵闇の事が書かれている本が増えていて、それをこあが発見
本経由で宵闇の経緯を知ってるくらいだけどね
過去なんてどうでもいいし」

紅魔館の地下図書館はいつの間にか本が増える事がある
それを小悪魔達が管理し、定期的に確認作業をしているのだ
こあとは小悪魔達のリーダーの愛称、小悪魔達は個別に名前を持たないので愛称で呼ばれる事が多い

「単刀直入に言うわ
夜が明けない件に紅魔館は関わってない
多くの妖精メイド達が起きなくて困ってるくらいよ」

レミリアはじっと霊夢を見つめている
霊夢も無言でレミリアを見ていた


「でしょうね?
あんたやミスティアが言う宵闇の方のルーミアが、これは幻想郷全体を敵に回す異変だって、そして紅魔館は幻想郷と敵対する理由が無いとも言っていたわ
私もそれは同意見よ」

それを聞いて目を丸くするレミリア
てっきり疑われていると身構えていたようだ

「だったら何をしに来たの?
さっさと異変を解決させなさいよ
夜か明けないくらいで幻想郷を敵に回すとか大袈裟ね」

「あのね
夜が明けない事が問題じゃないの
寝ている人達が起きない事が問題なのよ
あんたのとこの妖精メイド達も何をしても起きなかったんじゃない?」

レミリアが咲夜を見ると「その通りです」と短く答えた

「妖精は大丈夫かも知れないけど、起きない人間はいつか衰弱死するわ
そして今起きている人間達もいつか眠ってしまう
そうすれば結果は同じ、これは幻想郷の一大事よ」

ふむと考え込むレミリア
確かに幻想郷存続の危機と言える

「咲夜、美鈴に伝えてちょうだい
暫く門番はいいから、フランのお目付け役をしてとね
美鈴はたまに居眠りしてるから、そのまま起きないと問題だわ」

普段門番をしている紅美鈴はたまに門番をしながら居眠りしている事がある
それで門番が務まるのか?とも思うが、美鈴は武術の達人で気を使う程度の能力を持っている
敵意や害意に鋭く、居眠り程度なら直ぐに察知して目を覚ますのだ
門番としては意外と優秀である

「チビルーミアが寝たまま起きないらしいから、美鈴も寝たら多分起きないわよ」

その瞬間バタンと扉が開き、フランが飛び込んで来た

「ルーミアが起きないってホントなの!?」

「盗み聞きははしたないわよ
フランドール」

レミリアが窘める

「ごめんなさい、お姉様」

フランドール・スカーレット
レミリア・スカーレットの妹でありとあらゆる物を破壊する程度の能力を持つ吸血鬼だ
一時期は情緒不安定だったが、幻想郷に来て平和に暮らせ、また霧雨魔理沙を始めとした交友関係を複数持った事で、情緒不安定は克服しつつある

「それで宵闇が動き出したっ訳ね
話は思っていた以上に大事だわ
それなら尚更何をしに紅魔館に来たのよ?」

霊夢が都をチラッと見る

「ルーミアさんがレミリアさんやパチュリーさんの協力を得たいと、私に自分の代理として話に行けと言ってまして、それに霊夢さんが着いてきてくれた訳です」

都が言うと「協力って何をすればいいの?」とレミリアが返す

「はい、博識なお二人に夜に関係する能力を持ってそうな妖怪や神様を図書館で探して欲しいと言われていました」

「なるほどね
話はわかったわ
で、ミスティアはどうしてここへ」

霊夢がここに来る途中に見知らぬ夜雀達に襲われていたのを助けた事
また襲われるかも知れないから連れて来た事を話す

「あの雄の夜雀達は情報源にするつもりね
しかしただ協力するのも面白くないわね・・・」

レミリアが何かを考え込む

「そうだ!都は宵闇の弟子なんでしょ?
美鈴と試合しなさい
私を満足させる試合をしたら、紅魔館は今回の件で全面協力してあげるわ
吸血鬼相手に協力を仰ぐなら、それなりの代価が必要でしょ?」

「美鈴さんって武術の達人なんですよね?
私なんかが勝てる訳ないじゃないですか!?」

レミリアは可笑しそうに笑う

「当たり前じゃない
勝てなんて言ってないわ
面白い試合をしなさいと言っているの
宵闇が言っていたわ
弟子は怠惰で面倒臭がりだが、人間にしてはかなり面白い能力を持っているとね
それを見せてちょうだい」

「分かりました・・・期待に添えるか分かりませんが頑張ってみます」

渋々了承する都
レミリアは咲夜に指示して美鈴を中庭に呼び出しに行った

「霊夢!ルーミアは大丈夫なの?」

フランが霊夢に話しかける

「落ち着いてフラン、ルーミアは大丈夫よ
今はレミリアの言う宵闇、もう1人のルーミアが起きているから、この異変さえ解決すればまた遊べるわ」

「そっか!でも心配だなぁ」

フランはまだ不安そうだ

「大変な事になったなぁ」

レミリアが先導して皆中庭に向かう
都の呟きは誰にも届かなかった
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宵闇奇譚の裏話

私は東方Projectの原作未プレイです
PC壊して以来スマホでいいかって感じになり、東方原作を未プレイでしたw
東方を知ったきっかけはYouTubeのゆっくり解説、雲ゆきさんのレミリアとフランが遊戯王の微妙なカードってか、使えないカードとダイナソー竜崎ばかり解説してるチャンネルで知りました
現在は更新されてないのが残念ですw
それから東方mmdのワッキュウさん、ゴキブリ3号さん、TNTさん、風月さんなどmmd紙芝居にハマり、ソシャゲのロストワード、幻想エクリプスにハマり、何故かルーミアが1番の推しになる
次点でアリス・マーガトロイドも好き
ルーミア推しはmmdのルーミア飼いませんか?がきっかけです
他にも霧雨魔理沙、スカーレット姉妹、ミスティア・ローレライが好きなキャラです
宵闇奇譚を書くきっかけは、やはりYouTubeのAlsieさんのmmd紙芝居ですね
バカルテット+大妖精の軽快なやりとりのショート動画の影響を思いっきり受けて、自分でも二次創作やってみてーって思い、勢いで始めたんです
ルーミアのmmdモデルで好きなのは、ゼケさん風ルーミアbvモンテコア/AIudaと雪萱式ルーミア
宵闇奇譚のイメージはゼケさん風ルーミアかな?
雪萱式ルーミアはロリ感が強いから、宵闇奇譚のルーミアにはちょっと合わないような気がします
今回からみすちーが登場してますが、残りの寺子屋組は宵闇奇譚には出ません
だってあの子たち夜はしっかり寝てそうなイメージがありますから、特に⑨はぐっすり寝てそうw
紅魔館組からはフランとお目付け役に美鈴が参戦予定
レミリア、咲夜、パッチェさんは参謀ポジで物語に関わるかも、地霊殿組、特にさとりは好きなキャラではありますが、能力が扱い難いし、こいしは多分扱えない
更に地霊殿の場所は地底ですから、夜が明けない異変にまだ気づいてない可能性もあるでしょう
そんな訳で地底組の参戦は多分ありません
イメージ的に霊夢パーティに都とみすちー
魔理沙パーティに文、はたて、椛
宵闇ちゃんパーティにフランと美鈴、後方支援的に紅魔館組ってイメージで物語を進めて行こうと思ってます
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宵闇奇譚  

「第6話 夜雀襲来」


霊夢と都は紅魔館へと向かっていた
都は一応、ルーミアから飛行用の妖術も習っているが、飛ぶのは苦手だ
特に空中戦は壊滅的にセンスが無いと師であるルーミアから言われている
しかしそれはしょうがない事
都の基本的なスタイルは指弾&体術
打撃技がメインなのだ
打撃技は地面に足が着いている事で威力が発揮される事が多い
空中戦は踏み込みの強さを打撃に乗せる事ができないのだ
打撃技とは本来、身体全体を効率良く使う技術である
柔拳だろうと剛拳だろうと打撃の基本は踏み込みの強さと速さだ
某世界的ヤサイ人の空中戦を否定している訳ではない
あれは一撃一撃の威力が下がってる分、手数で補っているのだろう

閑話休題

紅魔館に向かう道の途中「誰かー!助けてーー!!」と言う声が聞こえてきた
霊夢と都は身構えて背中合わせになり、周りを警戒している

「れっ!・・・霊夢ー!!助けてよーー!!」

現れたのはミスティア・ローレライ
夜雀の妖怪だ
独特な形をしたロングスカート身につけている
霊夢目掛けて一目散に飛んでくる
よほど切羽詰まっているのだろう

「霊夢〜!見た事ない夜雀達が仲間になれ、ならなきゃ消すって襲って来るんだよ~」

「夜雀?あんた意外にも存在してるの?」

「見た事ないよ~
でもいきなり夜雀なら自分達に従えとか襲ってきたの~」

ミスティアは霊夢に抱きつくとワンワン泣き出した

「助けよ~先週の呑み代のツケ、少しまけてあげるからさ~」

霊夢はため息をつくと「呑み代はちゃんと払うから、都ちゃんミスティアをお願いね」と、抱きついていたミスティアを都に押し付ける

「み!都!?えーい!この際都でもいいよ~助けて~」

「みすちーさんはルーミアさんのお友達ですしね」

都はミスティアを庇うように立つと、「キター!あいつらだよ!!」とミスティアが空を指をさす
そこには槍と盾で武装した男の夜雀が5人?それとも5羽?がこちらに飛んでくる
霊夢達の前に降りてきた男の夜雀達の1人が「そこの夜雀を渡せば見逃してやるぞ?人間」と威圧してくる
霊夢はしれっとした顔で威圧を受け流している
さすがは博麗の巫女って事だろう
霊夢が受けてたとうとした刹那!話しかけてきた夜雀がいきなり後ろに吹き飛んだ
都が指弾を放ったのだ
電光石火で問答無用の判断だ
吹き飛んだ夜雀は気を失っている

「貴様ら!何をした!!」

叫んだ夜雀がまた吹き飛んだ
どちらも眉間にビー玉がクリーンヒットしている
残りの夜雀達が身構える
しかし都は夜雀達の槍を持つ手を狙撃、槍を次々と弾き飛ばした
夜雀達は都が何をしたのかさえ理解していないだろう
ただ何かが飛んできて武器を弾き飛ばされた
誰が何をどうやって飛ばしたのか?全く理解できないでいる
驚愕の表情を浮かべ都達を見る
それを確認した都は全くの無表情で前に出る
ゆっくり1歩1歩、夜雀に近づいて行くと夜雀達はジリジリと下がっていく
ヤニァ~と都が笑うと、「引け!」夜雀の一人が叫んだ
それに従うように3羽の夜雀は飛び去った
飛び去った方を黙って見ている都
夜雀達の姿が見えなくなった途端に振り返り「はぁ~怖かったぁ~」と一息つく

「嘘つけ!あんたの方がよっぽど怖いわー!!」とミスティアが叫ぶ

「同感だわ・・・」

霊夢がやれやれと言った仕草をする

「ルーミアさんから、言葉での脅しはナンセンスだ
本気で相手を脅したいなら無言で殴れ、それが1番怖い
相手が引いたら笑顔を忘れるなと言われてまして、実践してみただけですよ~
内心ビクビクでした」

「それも夜陰流戦闘術?」

「いいえ、将来彼氏や旦那が浮気した時の対処法と言ってました」と都が笑うと「絶対にやるんじゃないわよ」と霊夢が釘を刺す

「さすが宵闇ちゃんだね」

ミスティアは苦笑いだ
霊夢はその宵闇ちゃんと言う言葉に反応した

「ミスティア、あんたもあの大人ルーミアを知っているのね」

「うん!ルーミアが屋台で飲み過ぎて潰れると出てきて、ちゃんと支払いしてくれるからさ
あと都も知ってるよ?
昔都の修行を手伝わされたしね」

「修行を手伝ったの?」

都は印を結び、拘束の妖術を使い気絶している夜雀を拘束している

「手伝ったよ~
指弾だっけ?あれで狙撃されるのを飛んで逃げ回ったの
1回も当たらなかったんだ!えっへん」

ミスティアは胸を張る

「一度も当たらなかったのね・・・
都ちゃん、ホント?」

「あっ!はい
当てないようにギリギリで撃てとルーミアさんから言われてましたし、みすちーさんはホント早いので」

「宵闇ちゃん昔は大妖怪だったみたいだよ?
あの幽香が引き分けるのがやっとだったと言ってたし」

風見幽香は幻想郷最強の妖怪の一角と言われるくらい強い妖怪だ
その風見幽香が引き分けるのがやっとだった言うほどの実力とは一体どんな強さだったのだろうか

「そんな大妖怪を宵闇ちゃんってあんたねぇ」

「最初は宵闇さんと言ってたんだけど宵闇ちゃん自身が、チビがミスティアの事を友達だと思っている
私もそうだ
友達からさん付けはなんかおちつかない
せめて宵闇ちゃんくらいしといてくれって言われたんだよ」

風見幽香も呼び捨てで構わないと言っているので、妖怪とは呼び方には拘りが無いのかもしれない

「で、都ちゃんそいつらどうする気?」

霊夢が都に問いかける
都は妖術を使い2羽の夜雀を持ち上げている

「尋問して情報を引き出します
夜の明けない異変、幻想郷では見た事のない夜雀達、なんらかの関係がありそうですし」

確かに怪しいが、簡単に口を割るだろうか?

「できれば別々に隔離したいんですけど、どこかで部屋を貸して貰えたらいいんですけどね」


「紅魔館で交渉してあげるわ」

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いしのみ

いしのみ

雪合戦

ロイヤルガード軍
レッサードッグ、グレータードッグ、イヌッス、イヌッサ、ワンボー、01、02、モンスターの子(助っ人)

草の根妖怪軍
わかさぎ姫、今泉影狼、ルーミア、大妖精、リグル、ミスティア、レティ、赤蛮奇(助っ人)

主審:四季映姫・ヤマザナドゥ
副審:小野塚小町、サンズ

会場:石舞台古墳
音響:ナプスタブルーク、虹川幽霊楽団
設営:十六夜咲夜、八雲藍、橙、河童軍団、マフェット、キャッティ&アリゲッティ
実況:射命丸文
解説:バガパン
提供:紅魔館、グリルビーズ、地霊殿、メタブランド、命蓮寺、手ミー村、永遠亭、ブルーク牧場、フォーサイド、ナイスクリーム
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リトル紅🚷

リトル紅🚷

ルーミア
#イラスト #東方project
絵師の星絵師の星
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