人気

うぱぱ
エックスフライドポテトはユルシテ……ユルシテ……

あんま

山芋
りりい
フクヲバクガイシマシタ
ユルシテ…

はやね


ひでよ

福侶優


へべれ

宵崎 え


わんこ
もっとみる 
関連検索ワード
新着

わんこ

ききぞ

りんこ
*先程のバリ山行は誤って投稿してしまいました。
どんな小説も、作者の手を離れた時から、読者のものとなる。作者の意図に反して、読者が違う受け取り方をするのは、致し方ない事であろう。
戦争で手足、各器官をやられ「黄色い肉の塊」となった夫が、二階に閉じ込められ、仰向きに寝転がり、頭でトントンと畳を叩いている。また時には、器用に、駒のごとく、クルクル回って見せる…
実際になせる技か?いやしかし、人の身体は、失くしたものの代わりに、違うところが過剰に機能する事がある。
誠に面白い作者の想像力である。口がきけぬ夫は、このようにして妻の時子に訴えているのである。時子は夫の要求に応える。時子にしか解らないであろう訴えであった。
夫は、鉛筆を口に咥え文字を書いた。
「ドコニイタ?サンジカン?」
夫は独りぼっちで寂しかったのか?いや、世話になっている鷲尾老人と、時子が会い、一糸まとわぬ姿で、絡まり合い、乱れている様子が、頭に浮かんでいたのではないか?嫉妬に狂いながら、数時間をもだえ苦しみ、耐えていたのではないか。
不自由な夫にとって、時子が世界の全てだったはずだ。
夫の身体で、僅かに完全だったのは、無心の子供のような、涼しくつぶらな両眼であった。その眼で「シンブン」「クンショウ」を見つめる。夫は、過去の自分の栄光に縋った。
戦争で、こんな身体になってしまったが、これで良かったのだと、自分を納得させたのか。まさか戦火の中へ、帰りたいとは思うまい。自分の苦しみを和らげるため、何度となく「シンブン」「クンショウ」を眺め、そこに救いを求めた。
時子と夫に残されていたのは、肉体上の欲望ばかりであった。食欲、性欲、征服欲、嫉妬に偏愛。一軒家に閉じ込められ、未来に希望のない時子と夫は、二匹のけだものであった。
時子の強い欲情に対して、夫のつぶらな両眼が、悲しみの色や、怒り、喜びなどの感情を露わにする。この肉の塊となった夫を、責め虐め愛する事により、時子はこの上もない快楽を得ていた。
ところが、とうとう、時子の内にある凶暴な力が、夫の両眼をつぶしてしまう。夫の瞳のうちに、まともな人間らしい正義の観念が残っていたのだ。小憎らしかったのか、恐ろしかったか。
いや、眼だけが、人間の面影を留めていた。
それは、時子にとって「不完全」であった。
完全な自分だけの肉ゴマにする為、夫の両眼を潰した。
時子は、我に返った。「ユルシテ」と何度も懇願した。
肉ゴマになった夫は、沈黙を続けた。沈黙しているのではない。「ただの肉の塊」になってしまったのだ。愛する時子がそうしたのだ。
時子は、哀れな夫を置き去りに、鷲尾老人の元へゆく。もうこうなっては、夫に残されたものは、歪んだ想像力だけではないか?妄想が膨らみ、またもや時子と鷲尾老人の戯れが見えたのではないか?
「ユルス」
夫は、柱に書き残していた。時子はそれを「許す」と読んだ。本当に「ユルス」だったのか。
★「ユルス……」の後に、文字があったかもしれない、とも考えたが、、、
鷲尾老人と時子が駆けつけた。夫は、逃げるようにして、住処の二階から転がり落ちたであろう。蛇のように蠢き、草むらをうねるように進んでゆく。そうして鷲尾老人と時子の視界から消えた。
古井戸に落ちたのである。
夫は自ら落ちたのか?古井戸があるなど知らなかっただろう。
恋敵かもしれない鷲尾老人に、惨めな姿を笑われたく無かったかもしれない。
「ユルス」は「ユルス、、カ」であったかもしれない。
謎である。
時子が夫の全てであった。
唯一であった。
ただ一人の女が見えなくなった男はどうだ?
自分の両眼が、時子を惹き付けて止まなかった。
それを失った、芋虫は、どんな気持ちだったのだろう。
解らないので、また、繰り返し読み続けるとしよう。

好きなミステリー小説
参加

ャー
もっとみる 
