私もこの映画を上げさせていただきたく思います。 『ベン ハー』 (1959)監督:ウィリアム・ワイラー主演:チャールトン・ヘストン原作:ルー・ウォーレス(小説『ベン・ハー』)上映時間:約 212分(めちゃくちゃ長いです。確か地上波は二週に分けての放送だったかと)映画史的な凄さアカデミー賞 11部門受賞(長年最多記録。『タイタニック』『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』と並ぶ)作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、 撮影・美術・衣装・編集など技術部門ほぼ独占伝説の「戦車競走」映画史上屈指の名シーン。CGなし・実写(もちろん)撮影期間:約 5週間1周約 460m の巨大セット(当時世界最大級)実際に死亡事故寸前の危険なスタントあり特に有名なのが(トリビア)戦車が宙を舞うカット事故に見えるが、スタントマンは生還(編集で採用され、そのまま名場面に)物語の核心(ネタバレなし)舞台:ローマ帝国支配下のエルサレム親友だったユダヤ人ベン・ハーとローマ軍司令官メッサラの決裂復讐の物語として始まり、最終的には赦しと救済へと変質する単なる宗教映画ではなく、人間の怒りがどう変容するかを描いた作品です。キリストの描かれ方が特異イエス・キリストは顔が一切映られない、セリフも最小限しかし、水を与える手、背中、影だけで強烈な存在感を放ちます。観客に「見る」より「感じさせる」演出の極致。当時『キネマ旬報』においては超大作・記念碑的作品として大きく扱われております。『スクリーン』『映画ファン』(やや後年含む)チャールトン・ヘストンのスター性スペクタクル場面の写真中心「必見の超大作」という娯楽寄りの紹介『週刊朝日』『サンデー毎日』単なる映画紹介ではなく興行収入の規模世界的ヒット現象アメリカ文化の象徴として紹介「映画」というより戦後世界の巨大文化商品としての扱い。『世界』『中央公論』直接の映画評は少なめキリスト教文化や西洋精神史との関連で言及冷戦期の「西側的価値観」の象徴として論じられることも。『主婦の友』『婦人公論』家族で観られる映画道徳的・教育的価値のある作品年末年始にふさわしい大作として紹介されておりました。