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マサヤス   龍之介

マサヤス 龍之介

Uber Jazz ♯ 26

 ☆『スウィングジャズの花形ボーカリスト3️⃣』
 
テディウィルソンは生涯で6回乃至7回結婚したと言われている。凡ゆる芸術家はその功績とは反比例する人生を送るのだろうか。芸術家は余りに個性が強すぎるゆえ、それを理解するのは至難の業なのであろう。
 そんな華麗な女性遍歴を物語るが如くテディ楽団には実に多くの女性シンガー達が去来した。が、それは大抵ボスのベニーグッドマンの所でひとしきり唄った後、新入りが直ぐに入り前のシンガーは押し出される様にベニーとの契約を解消してテディのバンドに来る、そんな構図が透けて見える。恋人同然だったヘレンワードがベニーの元を去り代わりに入ってきたのがフランセスハントだった。が、程なくマーサティルトンにその座を譲りあっさりテディのバンドで唄った。写真にもある様にテディのレコードでビリーホリデイの裏面にハントのボーカルと云うものも存在するようだ。最も、ここでセールされてるのはヨーロッパ盤なのでそちらで勝手にこうしたカップリングで売られている可能性は否めない。オリジナル盤であるアメリカ本国の方では例えばビリーホリデイのボーカル入りの盤の裏面にはテディの楽団によるインスト演奏が入っていたりする事はある。
 このハントのボーカルをフューチャーしたテディ楽団のレコードは1937年8月29日にロスで録音された5曲、内♫Ain't Misbehavin' はオミット、つまり没となりリリースされなかった。その日の最初の楽曲♫Big Apple を今日は紹介する。
 ビッグアップルと云うと今では中古車販売店を私などは想像してしまうが、これはニューヨークのニックネームだ。1920年代から使われ出したスラングでニューヨークのみならず大都市を指してこう呼ばれていたらしい。ハントのVo.はアルトでこうした明るい曲調は余り似合わない。彼女のレコードは楽団独立後もリリースされていたらしくYouTubeに1曲だけアップされていた。ベニーグッドマン時代には最後の写真の様に唄っている映像もアップされていた。底抜けに明るかった。
 紹介する♫ビッグアップル はブライアンラストのディスコグラフィーにも記載がないテイク2が存在する。長年中古屋回りをしているとこう云うパターンにしばしば出会す。決して珍しい例ではない。
GRAVITY

Big Apple (08-29-37)

テディ・ウィルソン

スイングの星スイングの星
GRAVITY
GRAVITY34

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