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「第11話 妖怪の山」

魔理沙はルーミアに言われて射命丸文か姫海棠はたてを探して、妖怪の山付近を飛んでいた

「探すと中々会わないもんだなぁ」

これ以上進むと妖怪の山に入ってしまう
妖怪の山は基本的に人間は立ち入り禁止なのだ
まぁ魔理沙は何度か無視して進んで、犬走椛に目を付けられている
しかしそれを気にする魔理沙ではないのだが、今回のミッションは天狗達の協力を得る事だ
その為には敵対行為と見られる行動は慎むべきだと弁えている
良い意味でも悪い意味でも霧雨魔理沙と言う人物は有名なのだ
そんな事を考えていると、白狼天狗が二人魔理沙の元にやって来る

「貴様!ここから先は我ら天狗のテリトリーだ!
人間風情が立ち入る事まかりならん」

2人の白狼天狗を一瞥すると魔理沙は「だから入ってないだろ?」と軽く答える

「貴様が犬走隊長が言っていた霧雨魔理沙だな!」

「なんだ椛の部下か?
だったら椛に伝えて、文かはたてを呼んでくれないか?
探していたんだよ」

それを聞いて2人の白狼天狗が激昂する

「犬走隊長だけじゃなく射命丸様や姫海棠様を呼び捨てとは何様のつもりだ!!」

「おいおい友達を呼び捨てにして何が悪いんだよ?」

魔理沙は何を言っているんだとばかりに肩を竦める

「人間風情が調子に乗って!もう許せん!!!」

一人の白狼天狗が剣を薙ぎ払い斬撃風の妖力弾を放つが、魔理沙はひょいっと躱す

「喧嘩売ってきたのはそっちだからな
椛がどんだけ鍛えてるか見てやるか」

2人の白狼天狗は魔理沙を追いながら次々と弾幕を放つが、魔理沙は空中を華麗に舞いながら軽々と避けて行く

「どうした?
二人がかりでその程度か?」

魔理沙はイリュージョンレーザーを放つ
二人の白狼天狗も危うくはあるが、ギリギリで回避する

「そんなモーションの大きい弾幕じゃ連続で放てないだろ」

右手には八卦炉を持ち
次々とイリュージョンレーザーを放つ
空中を華麗に自在に舞いながら、連続で放たれるイリュージョンレーザー
空中を自由自在に舞う魔理沙と比べ、二人の白狼天狗達は段々と背中合わせになる
イリュージョンレーザーが二人の動きを制限して行く

「そんなとこに固まってていいのか?
弾幕はパワーだぜ!
恋符マスター・・・」

八卦炉が起動し白狼天狗に向けて放たれようとした刹那

「魔理沙殿!お待ちを!!
お前達もやめろ!」

新たに現れた白狼天狗が割って入って来た

「隊長!何故ここに?」

「なんだ椛か?
喧嘩売ってきたのはそっちだぜ」

魔理沙はマスタースパークを放つのをやめて臨戦態勢を解除する

「一部始終見てました
それで慌ててやって来たところです
部下の非礼申し訳ない」

椛は魔理沙に椛は頭を下げると魔理沙は軽く頷くと「いや、別にいいけどさ」と笑う

「人間風情のスペカなど我々に通用するはずないです!」

「黙れ!魔理沙殿は数々の妖怪や神々と弾幕ごっこで渡り合って来た猛者だ
それに文さんとは共に異変を解決した事もある
友と呼んでもおかしくない」

「しかし!」

「私が敵わなかった相手だ
お前達が束になっても勝てるはずかなぃ
今正にマスタースパークの射線に捕らえられ、負ける寸前だったではないか!」

「申し訳ありません」と頭を下げる白狼天狗達に「謝る相手が違うだろ!」と声をあげる椛

「まあまあ椛、もういいよ
ところで椛は飯綱丸って大天狗と連絡はとれるか?」

魔理沙は椛に事情を話した
ここでの嘘は悪影響しかない
ルーミアの事を含めて全てを話す

「なるほど今回の異変に関して協力体制を取りたいとの事でしたか
そのルーミア殿は何故に我らを疑わないのでしょうか?」

「メリットがないからだろ?
これはあくまで私の考えだけどさ
この異変で得られるメリットが無いんだと思う
個人じゃなくて集団としてな
個人なら逆恨みとかあるかもしれないが、集団として見ると分かりやすい
例えば守矢神社や命蓮寺、豊聡耳神子達なら自作自演で信仰集められると言うメリットが発生するが、天狗達にはそれはない
普段から人間は立ち入り禁止の妖怪の山で、厳しく監視しているから人達から十分に恐れられている
この異変で天狗達の得られるメリットってなんだ?むしろデメリットだらけではないか?
多分そう言う事なんだと思う」

「なるほど、確かに我らも起きない仲間や里の人達がいて困っています
言われてみれば、さすがの妖怪でも何ヶ月も続けば衰弱死も有り得ます
確かに幻想郷の危機と言える異変ですね」

「あやややや、それは確かに大変ですね」

二人が驚いて振り向くとそこにはメモ帳にメモを取る射命丸文が居た

「驚いた!いきなり後ろに現れるなよ」

「文さん!?驚きました」

「幻想郷の未曾有の危機が勃発し、それにいち早く気付いたルーミアの中に封印されていたかつての大妖怪の人格
博麗の巫女や霧雨魔理沙に警告し、事態の収拾に動き出す!
大スクープじゃないですか!?」

満面の笑みを浮べ、両手を広げ天を仰ぐ文
そんな文を見て頭を抱える椛とやれやれと肩を竦める魔理沙

「記事にするのは異変解決後に頼む
それとルーミアの事は書くならちゃんと本人に許可をとってくれよ?
それとも復活したかつての大妖怪って煽るだけ煽って、伏せたままにした方が記事は盛り上がるんじゃないか?
正体は・・・次号に続くみたいにさ」

「なるほど!流石は魔理沙さん
何回も引っ張るのは飽きられますが、1回くらいなら有効ですね」

人の悪い笑顔で笑い合う二人
呆れる椛

「もう!白昼堂々悪巧みしないで下さい!
文さんはこの協力要請をどうお考えですか?」

「もちろんOKです
飯綱丸様がどう考えるかまでは分かりませんが、伝えるのは迅速にやるべきでしょう」

文は飯綱丸がこの協力にOKを出す確信している

「ここに来る前に稗田阿求に会ってきた
この異変解決の為に、阿求の人里と妖怪の山で協力体制を作りたいと話すと阿求は二つ返事でOKしたよ
これは阿求の里からの正式な要請でもある」

この辺りを魔理沙にあって霊夢には無いバランス感覚である

「手土産持参とは気が利かますねぇ」

「友達の家じゃないんだ
手ぶらで交渉する訳にいかないよ
しかも自分の懐が痛まない手土産なら尚更さ」

必要なのは手間と労力だけである

「しかも交渉が失敗しても飯綱丸様も事態の収拾に動き出すから、どっちに転んでも損はしない
流石は魔理沙さんですねぇ」

魔理沙はまた肩を竦め「それはルーミアを褒めてくれ、私はただのお使いさ」と笑う

「では!私はひとっ走りして飯綱丸様に事情を説明してきます
後は任せましたよ !椛」

「はい!分かりました」

地上に降りて魔理沙と椛は雑談を始めた
椛に叱責された白狼天狗達は持ち場に戻っていく

「椛は昔のルーミアを知っているか?」

「私の生まれる前ですから、流石に分かりませんが、文さんなら知ってるんじゃないですか?
あの人ああ見えて・・・」

「椛、なんの話をしてるのかな?」

椛の背後に現れた

「あわ!文ひゃん・・・なんでもないです」

噛んだせいか椛は真っ赤だ

「魔理沙さん、飯綱丸様が会って直接話しがしたいと言っておられましたので、こちらに向かってます」

「ここに来るのか?」

文の言葉に魔理沙は驚く

「はい、妖怪の山は基本的に人間立ち入り禁止ですから、天魔様に許可を取るより出向いた方が早いと仰ったので、一足先に魔理沙さんに伝えにきたのです」

魔理沙は「分かった、ここで待つよ」と軽く答える
大天狗の飯綱丸龍がここに来ると言うのに魔理沙は全く通常運転だ
流石は弾幕ごっことは言え神様に喧嘩売るほどの強メンタルである

「流石速いな射命丸、君が霧雨魔理沙君だね
私が大天狗の飯綱丸龍だ」
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