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食費節約して品数減った時あからさまに嫌な顔するじゃん。頑張ってるんだよ
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クリスマスイブ、日夜喧嘩に明け暮れる底辺高校のヤンキー戸中井桐人(となかいきりと・通称トナカイ)。家庭も貧困で、母親は出て行き、残った父親もギャンブル狂いで借金を重ね、生活は常にギリギリだった。そんな中でも健気に自分を慕ってくれる妹、真理亜(まりあ)にケーキとプレゼントを買ってやりたいと、ネット(X)で見つけた単発バイトをやることにする。それは、サンタの紛争をしてプレゼントを指定されたところに届けるということだった。コスプレは恥ぃと思いながらも、妙に高額な単発バイトだったし、妹のためだと一念発起して、実行するのだが、、、
指定された、マンションの一室の前に行き、事前に指示されたリアクション(インターホンを押すのではなく、ドアを均一感覚でドン、ドン、ドンと叩く。クリスマスプレゼントだから子供にバレないようにインターホンは押さないで、と指示されていた)をする。しかし、反応が無い。どういうことだと思うと、突然、ドアがガバァと開き、やたらガタイのいい巨体の女が出てきて、戸中井は取り押さえられる。
「確保! 確保だーーッ!! のこのこと現れやがって!ブタ箱にぶち込んでやっから覚悟しろよな!」
いきなり、謎のデカ女に取り押さえられてもなんのことやらわからない戸中井、ブチ切れて拘束された状態から脱出、デカ女に反撃しようとするのだが、逆に投げ飛ばされる。
「あんた、自分がなにやったか、もしかしてわかってない?」
デカ女は、実は刑事らしく名前を三田美紗(みたみさ通称サンタ)といった。
「みたみさ?ふざけた名前だな?」
「ああ?ジョジョやデスノートに出てきそうな名前でかわいいでしょうが?」
どうやら三田は見かけの割に漫画が好きらしい。それはともかく、あんたの持ってきた、そのプレゼントの箱、中身を開けて見てみなよ?と三田に言われて、中を見ると白い粉が、、、
「なんだこりゃ?小麦粉?ケーキでも作るのか?」
「麻薬だよ!!……はあ、あんたそこまで世間知らずのお馬鹿さんなら、単純に利用されただけみたいね」
「どういうことだよ、オレは妹にケーキとプレゼントを買ってやりたいから、ネットで見たバイトに応募しただけなんだけど」
「それ、闇バイトなんだっつーの!!バイト料、万単位だったろ?クリスマスでサンタのコスプレすれば違和感ないから、それに乗じて麻薬の受け渡しの役をされてたってわけだよ」
「マジかよ!!じゃあ、オレは犯罪の片棒握らされてたってわけかよ?」
「そういうこと。クリスマスイブの今日はサンタの格好した奴が大量にうろうろしているけど、そん中にもあんたみたいな犯罪まがいのやつが相当、紛れ込んでるだろうね」
「そいつはやべえな。なあ、オレとっとと帰って妹にプレゼントとケーキを買ってやりたいんだけど、はやく帰してくんねえ?」
「はあ?あんた犯罪グループに協力したんだから、立派な容疑者だぞ、このまま帰すわけねーだろ」
「なんだってーー」
「……いや、ナイスアイデアを思いついた。あんた、私に協力してくれたら、恩赦を与えてやる。なんなら妹さんへのプレゼント代くらいはくれてやるよ」
スマホでどこかへと電話する、三田。しばらくすると、妙にぽっちゃりした配達員の男(オタ恋の広告動画に出てくるような動けるデブみたいな見た目)がやってきた。
「姐さん、指定された衣装持ってきやした! 姐さんのサイズにピッタリですよ! あと、もう一つのも適当に持ってきました! 今度のコミケも楽しみにしてますからね! あっ、着替えたら記念な撮影していいっすか?」
なんのことを言っているか戸中井だったが、仕事のための制服みたいなもんだから、これを着ろと言われてしぶしぶ着用する。三田も、個室に行って着替えてくる。
配達員のオタク兄さんが説明する。
「姐さんは、刑事のかたわら、実はコスプレ活動をしていて、ボクたちみたいなデカ女萌えの者たちには聖女として崇められているんですよ」
なにいってんのかヤンキーの戸中井には、イマイチよくわからないのだったが、暴力的なあの刑事にも変わった趣味があるんだなと納得するのだった。と思いつつ、自分が着ているものはなんだこれ?と思う、なんか茶色し、着ぐるみみたいなかぶりものがあるし、、
三田が個室から出てくる。サンタコスチュームで相変わらずガタイがいいものの、顔はコスプレ仕様でちょっと化粧っ気が出ている。ガタイはいいけど、顔だけは整っている三田、それなりに映える模様。
「うひゃーー!!ミサ様のご降臨だ!!」
バシャバシャと写真を撮りまくるオタク兄さん。
「マジ女神!ボクたち下民を踏み潰してほしい!これ、インスタにあげていいっすか?」
「それは職権濫用であたしが処分受けるから勘弁な」
「へえ、あんたもなかなかのトナカイっぷりだねえ、あたしのサンタにはお似合いだよ」
「えっ? これ、トナカイだったの?」
「で、今からこのふざけた格好でなにをするっていうんだよ」
「クリスマスイブの今日に乗じて、さっきのあんたみたいサンタコスした運び屋が大量にいるからね。そいつらを全員ぶっ飛ばす!!」
こうして、暴力的なサンタとトナカイによる偽サンタ掃討作戦が開始された!!
間違って善良な一般人をぶっ飛ばしたりとのトラブルもありつつも、その人がデカ女マニアだったため事なきを得る、などのトラブルを挟みつつも、殆どの偽サンタをぶっ飛ばし逮捕した三田と戸中井。
最後に残る、サンタコスの男は、小柄な中年のようだが、、とんでもなく強い!これまで無双してきた三田の攻撃をかわし続ける。渾身の三田のパンチを受け流したと思ったら、その隙を見て瞬時に投げ飛ばされる!
「なんだ、、こいつ、今まであたしが戦ってきたやつの誰よりも強い!!」
謎の男の動きを見て、戸中井は気付く。
「あの動き、、、! まさか、、、三田さん!! そいつはオレが相手する!!」
「あんた、あたしよりも弱いじゃないかよ、敵うはずないだろ?やめとけよ」
「いや、オレはあの動きを知っている! オレなら対応ができる。だから、任せろ。これはオレじゃなくちゃいけないんだ!!」
戸中井の謎の勢いに気圧されて、任せることにした三田。
「なんなんだ、あいつの熱意は?」
対峙する戸中井と謎サンタ。
「この技術は合気道! 愛を持って相手を制する技だって、昔ガキの頃、あるやつに教わったんだよ、、、なあ? 親父!! 」
謎サンタの正体は、なんと戸中井の父、盛平だったのだ! 互いの呼吸を伺いつつの合気道バトルが始まる!!
「あんた、昔はめちゃくちゃ強かったのに、なんで落ちぶれちまったんだよ!!」
「試合にばかり夢中になって、俺は家庭を顧みなかったんだ、だから妻にも逃げられた! 愛を与えるのが合気道だったのに、俺は肝心な家族に愛を注ぐことができなかったのだ、、」
一瞬の隙を見て、父盛平を投げ飛ばす戸中井。
「桐人、強くなったな、、、」
結局、盛平も、うだつのあがらない自分に嫌気が指し、心を入れ替えて働き、クリスマスイブの今日、子供たちにクリスマスプレゼントとケーキをプレゼントするために、バイトに応募していたということがわかる。
「そんなところも親子なんだねえ」
最後に残る盛平とのバトルも終わり、犯罪者グループの掃討も終了。
外を見たら、もう暗くなってきた。雪が降ってきた。ホワイトクリスマス。
それは盛平の過去や、親子ふたりのいざこざも全て洗い流してくれそうな美しさだったのだ。
エピローグ
「三田のねえさん、バイト料、結構気前よくくれたもんだな。おかげでプレゼントとケーキだけじゃなくて、チキンとか色々買えたぜ!」
「うむ、しかし、こうしてふたり一緒に家に帰るのも恥ずかしいもんだな、昔を思い出すというか、、」
2人揃って、家に戻る戸中井親子。家は昭和マンガに出てきそうなボロい木造の一軒家だった。
迎え入れる妹の真里亞。
年は桐人より5つ下の小学生ながら、発育は良く桐人とほぼ同じくらいの身長だ。(三田と同じようなデカ女の系譜)
「あっ、お兄ちゃんとお父さんだ! ふたり一緒に帰ってくるなんて珍しいね」
真里亞には頭が上がらなくデレデレのふたり。貧しいわりに、ムチムチしているので、相当甘やかされている模様。
こうして、久しぶりの親子3人水入らずの食事がクリスマスイブに実現するのでした。
「よかったよかった、、これもあたしのおかげね!」
いつのまにか三田が戸中井家の食卓に紛れ混んでいた。
「わっ、三田さん!あんたなんでこんなとこにいるんだよ!もう用件は終わっただろ」
「常勝無敗だったあたしを負かした、その人が気になっちゃって、、、」
どうやら、三田は自分を負かした盛平に惚れてしまったらしい。
「今お仕事に困ってるなら、その合気道の技術を生かして、仕事を紹介してあげてもいいんだけど、、、」
「それはありがたい。もう闇バイトとやらに利用されるのは勘弁なんでね」
「あと、真里亞ちゃん、あなたコスプレに興味ある?あなたならあたしの衣装も、そのまま着れそうよ」
「あるあるー!!」
「はあ、やれやれ、なんかとんでもないことになったな。でも、こんなクリスマスの日は久しぶりだな」
これからは賑やかな日常になるだろうな、と桐人は思うのだった。
おわり
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返信は気まぐれで返します( ˊ꒳ˋ ) ᐝ
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