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仕返しの始まり3

第四章:反省の時間

家に連れ戻された将太。

リビングの椅子に座らされ、シンとニックに挟まれる形で座らされる。

シンが厳しい目で言う。

「全部話せ。隠すな。」

将太はポツポツと話し始めた。

砂糖を塩に変えたこと。ペーパーを隠したこと。学校で人参を投げたこと。

すべてを話し終えると、シンは静かに言った。

「謝るってことは、自分が悪いって分かってるんだよな?」

将太は小さく頷く。

「…ごめんなさい…」

その言葉を聞いて、シンは少し表情を和らげた。

「次から、イタズラするんじゃねぇぞ。バレないと思うな。」

ニックも笑いながら言う。

「それに、仕返しってのはな、された側がもっと傷つくもんだぞ。お前、いつも最終的に自滅してんじゃん。」

将太は「うう…」とうつむいた。

シンが将太の顔を覗き込みながらニヤニヤして言った。

「さてと…罰を受けてもらうか……お前がイタズラした混ぜた調味料は…お前が責任持って食え!とびっきりマズイ料理を作ってやる!」

将太は青ざめ必死に謝り倒した。

「うげぇーーーー!そ、そんなぁぁぁぁ!
ごめんなさい!もう2度としません‼︎許して…下さい‼︎」

シンの冷たい声が響く

「ダメだ!…食べ物を粗末にするな!」

そして1時間後…約束通り将太の前には見た目は美味しそうな料理が並んだ……
震える手で料理を小皿に取る将太……

シンとニックがジッと見ている。

「どうした?遠慮しないで、食え!」

「残しちゃダメだよ〜。全部食べるまで許さないからなぁ〜」

将太は覚悟を決めて口に運んだ……
有言実行…マジでクソマズイ!コレはもはや凶器…たまらず吐き出す……

「おやおや〜どうしたのかなぁ〜?」

「食べれないなら、手伝ってやろう」

「うげぇぇぇぇぇ!勘弁して下さい‼︎……えぐっ……オェっ……」

そして地獄の様な食事が終わり…涙目になる将太に追い打ちをかける様に…オレンジ色のドリンクが目の前に出された……
人参ジュースだ……マジで鬼だ…この2人…

泣きながら謝る将太にシンは一言

「コレで最後だ。お前人参が嫌いなんだよなぁ〜…コレを飲めば。許してやる。」

ニックが将太の口に流し込む。……

「……ん⁉︎…コレ…本当に人参?……」

シンはニッコリ笑って言った

「美味いだろ?」

「うん、オレンジジュースみたいな他の味も混ざってる…フルーツジュースって感じ!」

シンとニックが顔を見合わせて微笑んだ。

「嫌いな食べ物も美味しくしたり、細かくしたりすれば抵抗なく食べれる…最初はそこから始めるか」

「徐々に食べれる様になろうね〜、将太〜」


その夜、将太はベッドの中でつぶやいた。

「次こそ…絶対成功させてやる…!」

「でも。あの最後の人参ジュースは…確かに美味かったな…やっぱシンって凄いんだな…」

懲りない将太のイタズラ魂は、まだまだ燃え続けるのだった——。
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