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吉田賢太郎
1. 賢者と愚者と、知ってるふり
ぼくらの頭の中には、図書館がある。
東大王は、その本をぜんぶ読んだ人。
何を聞かれても、すぐにページを開ける。
ある日、**愚者(ぐしゃ)**がクイズを持ってきた。
「空の色は、何味ですか?」
賢者さまは考える。「太陽の光の波長(はちょう)…青い光の屈折(くっせつ)…」
図書館の本を、ガリガリめくる。
でも、答えはどの本にも載ってない。
愚者は言う。「味? バナナの味に決まってる!」
賢者さまはびっくり。
「なぜ?」「なんとなく、そう思っただけ!」
本当の知恵って、**「知ってること」**じゃなくて、
**「知らない時に、どう動くか」**なんだ。
知らないのに、「知ってるよ!」って顔をするのが、
いちばん残念なバカさなんだね。
2. ソクラテスの「気づき」
遠い昔に、ソクラテスというおじいさんがいた。
みんな、おじいさんを「世界一賢い」と言った。
でも、おじいさんは言った。
「ぼくは、何も知らない。」
「みんな知ったかぶりをする。
知っているのは、自分が知らないという事実だけだ。」
これを**「無知の知(むちのち)」**という。
「自分は知らない」とわかった時、
ぼくらの心のドアが、**ギイィ…**と開く。
「じゃあ、調べてみよう!」
そう思った瞬間から、本当の勉強が始まる。
3. クイズに勝つたった一つの方法
東大王が、バカクイズに勝つために必要なのは、
むずかしい方程式(ほうていしき)でも、歴史の年号でもない。
必要なのは、**「ふにゃふにゃの心」**だ。
クイズに勝とうと、真面目(まじめ)に、論理(ろんり)で考えると、
バカクイズは逃げていく。
「バナナを食べるとき、最初に何をする?」
賢い人は、皮をむく動作を考える。
でも、バカが作った答えは、
「電気を消す」
なぜなら、「暗闇(くらやみ)で食べると、甘く感じる気がするから」。
🌈 まとめ:一番すごい答え
一番すごい答えは、
**「誰も思いつかない、自由な答え」**じゃない。
一番すごい知恵は、
**「自分の知識を一度、ぜんぶ捨てる勇気」**だよ。
君がもし、見たことのないクイズに出会ったら、
図書館(知識)を閉じて、
目の前の「バカさ」を、素直に見てごらん。
そこに、新しい知恵の種が隠れている。
