大石圭 湘南人肉医(角川ホラー文庫)タイトルを見てわかる通り人を食べる医師によるサイコホラーです。一般のエンタメ的な食人ホラーのような食すために次々と他人をおそうような内容とは異なり、人を食すことに対する人間の心理構造とその欲求を大石圭らしい人間生命に対するニヒリズムのような負の観念の思想を食人光景から追い求めていくという、食人心理と人間ニヒリズムの恐るべき精神哲学の織りなすカニバリズムの至上のホラー小説です。かなり難しそうな内容に見えるかもしれませんが、文体は非常に読みやすく内容も現代的なユーモアのノリもちゃんとあるのですんなり読める内容の本だと思います。難しい文学のような堅いものではないので案外気楽に楽しんで読めると思うのでおすすめです。