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たるお

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僕にとってミラノは、ファッションや《最後の晩餐》の街というよりもむしろ、聖アンブロジウス(サンタンブロージョ)の街なのだ。
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 サンタンブロージョ教会の地下には、聖アンブロジウスの遺体と、彼が「奇跡的に」発見した聖ゲルヴァシウスとプロタシウスの遺体が、三体並んで目に見える仕方で安置されている。アンブロジウス本人の言葉によれば、発見当時これらの遺体は2世紀も前のものにもかかわらず、全身が揃い、血もそのままで溢れていたという。アンブロジウスは壮大にこの遺体を新しく建てた教会に安置し、自身の遺言の通り、死後もミラノを共に護るためにそこに眠ることになった。これは聖人崇敬を利用してミラノをローマに匹敵し得る都市とするものであり、古代末期における教会政治戦略の一例として注目されてきた。
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 冬至や太陽神の祝日であった12月25日をキリスト教のクリスマスとして祝った最初の記録は336年のクリスマスのものであり、これは354年にローマで作成された暦に記載されている。ローマ以外でどうだったのかと言えば、例えば聖アンブロジウスは、若い頃ローマで過ごしてクリスマスの祝祭に親しんだ後、380年代にミラノ司教になった際にクリスマスを教会に導入している。これはアンブロジウスにとって、当時激化していた「アレイオス派」との戦いにおいてキリスト生誕の「真なる」解釈を広める機会でもあった(「」を付けたのは、これらの呼び名や言葉は客観的なものではなく、それぞれの立場によって変わるものだったからである)。
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 ミラノでは、ドゥオーモ広場やガッレリーア、ダンテ通りを通ってスフォルツェスコ城に向かう道は、確かに観光名所ではあるのだが、人でごった返している。その点、聖アンブロジウスが眠るサンタンブロージョ教会付近は、そんなに混んでいない。近くにはサクロクオーレ・カトリック大学もあるし、少し歩けばナヴィリ地区があり、運河沿いの古書店で安い古本を買い漁った記憶がある。ブレラ地区も古い教会が残っていて心地よいのだが、個人的には南のこの辺りの雰囲気が好きだ。
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