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ヒロ🦻【えんの木】

ヒロ🦻【えんの木】

1.第1世代の認知行動療法(Hayes, 2004)。

・1968年以降、アメリカの精神科病棟を中心として発展していた応用行動分析学は、主に神経症を対象としていた。

・その後南アフリカ (例えば、Wolpe, 1969内 山監訳 1971) やイギリス (例えば、Eysenck, 1964) を中心として発展していたアプローチと合わせて行動療法と呼ばれるように(Yates, 1970)。

 

2.第2世代の認知行動療法

・認知療法との領域が曖昧になり、認知行動療法における行動分析学の存在感は薄れる(Kohlenberg et al., 1993)。

・ヒトの私的事象(観察者が自分しかいない行動)を、自分以外の人からも観察が可能な顕在的行動の媒介変数、あるいは原因として捉える認知的アプローチが注目されるようになり、初期の行動療法はそれらのアプローチと統合されて認知行動療法(CBT)と呼ばれるようになる(Lazarus, 2001)。例)うつ病に対する認知療法(Beck, 1963, 1964)

・精神科臨床領域で、言語行動を含めた複雑な問題を扱う必要性が指摘されるように(Kohlenberg et al., 1993)。

 

3.第3世代

第2世代で用いられた認知的アプローチに対して、認知的な介入技法を用いなくても効果に差はないという結果(例;Dobson & Khatri, 2000; Jacobson et al., 1996)が報告されるようになる。



・1990年代から研究報告が増える(Dougher & Hayes, 2000)

・言語行動としての認知そのものを変容させるのではなく、対象者の生活上の重要なオペラント行動に及ぼす認知の影響を変容するという、認知の機能の変容を方法論の一部として取り入れていると呼ばれるアプローチへ(行動すると気分が勝手に変わる)。

・行動分析学の考え方を取り込んだ心理療法を「臨床行動分析」と呼ぶ

例)

・アクセプタンス & コミットメント・セラピー(Acceptance and Commitment Therapy: ACT; Hayes & Wilson, 1994)

・機能分析心理療法(Functional Analytic Psychotherapy: FAP; Kohlenberg & Tsai, 1991 大河内監訳 2007)

・Integrative Behavioral Couple Therapy(Koerner, Jacobson, & Christensen, 1994)

・弁証法的行動療法(Dialectical Behavior Therapy: DBT; Linehan, 1993 大野監訳 2007)

・行動活性化(Behavioral Activation: BA; Martell, Addis, & Jacobson, 2001 熊野・鈴木監訳 2011)

・統一プロトコル(Unified Protocol: UP; Barlow et al., 2011 伊藤・堀越訳2012)

など



・アメリカの国立精神衛生研究所 (NIMH)やイギリスの国立臨床評価研究所 (NICE) に代表される公的機関が、多くの精神疾患に対してエビデンスがある心理療法としてCBTを推奨(Holmes, 2002; Tolin, McKay, Forman, Klonsky, & Thombs, 2015)。

・エビデンスを重視するなら薬物治療以外の標準治療はCBTだが、“エビデンスを備えた心理療法のエビデンス”が何を指すかは検討する必要がある。

 

【参考文献】

仁藤・奥田・川上・岡本・山本(2021)精神科臨床における応用行動分析学の実践と研究, 行動分析学研究 第35巻 第2号

 

【ベストコメント】

温玉さんはゆで卵って食べますか?

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1.うつ病に対する行動活性化療法(behavioral Activation)

・新世代の治療法として最近注目されている

・認知療法では,うつ病患者の認知の歪みに着目しそれを変容させるための過程として行動の変化を求めるのに対して、BAはうつ病を持続させる鍵概念として,嫌悪状況や社会的状況からの回避行動に注目する。

→ うつ病は「快を感じる事柄が減り、不快な事象を引き起こすことで結果的にうつ症状を強化している」と考える。

・するることで気分が改善するような行動を同定し,それを増やすことによって目標の達成や感情調節に前向きな態度がとれるようになり、それは,症状を緩和するばかりでなく(負の強化),正の強化を通して前向きな行動レパートリーをさらに増加させる(Jacobsonら)【ケースフォーミュレーション】

①    患者を取り巻く環境因子を同定

②    正の強化,罰といったオペラントモデルに基づいてうつ症状やそれに伴う回避行動がどのように形成されているか行動分析

③    その変容のための行動課題を設定する

【治療技法】

・活動記録表などを用いて、行動や気分についてセルフモニタリング

・本人の価値に沿った報酬が得られるような活動の強度を段階的に増やしていくための活動スケジュールの策定

・反すう思考の同定と対処

・回避行動の機能分析

・目標達成のためのスキルトレーニング等


2.BAが効くうつ病

・軽症うつ病,ディスチミア型うつ病,それらの慢性経過例により効果的な可能性

・特に学業の挫折,就労の失敗,離婚といった生活環境や対人関係の負の変化からうつ病を発症し,回避的生活パターンに陥り慢性うつ病を呈している症例など

※中等症以上のうつ病や精神病性のうつ病には,抗うつ薬,抗精神病薬による増強療法,修正型電気けいれん療法が推奨される,精神療法の単独実施は推奨されないという意見あり

※統計的な研究については今後の結果を見る必要がある

 

【参考】

中尾智博(2021)うつ病・不安症の理解と治療,福岡医誌 112(1)

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