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By アストラ

[MAGIC LOCATION RESEARCH UNIT
SEVEN_REALMS_HYPER_GRAND_UNIFICATION

[META
Name = "七界超大統一図 / HYPER GRAND UNIFICATION OF THE SEVEN REALMS";
Version = "1.0";
Scope = "六界大統一図の断片が漂着した伝説の第七界を含む、全存在圏の地誌・ロケーション研究";
Purpose = [
六界と第七界の関係を定義する,
伝説の島の内部構造を定義する,
賢者・神・属性存在・究極アイテムの対応を定義する,
不老不死・生命 mastering・究極存在への到達経路を記述する,
七界超大統一図の完成条件を与える
];
]

[AXIOM
A1 = "第七界は六界の外にあるのではなく、六界の断片が再編成される完成場である";
A2 = "六界大統一図は砕けたとき、単なる紙片ではなくロケーションそのものとして散在する";
A3 = "伝説の島は六界の地理、記憶、魔法、生命、死、例外をすべて部分的に取り込んでいる";
A4 = "第七界ではロゴスとミュトスが分離せず、理論・神話・魔法・科学・時間機械・ワープが同一体系として現れる";
A5 = "不老不死は単一アイテムで得られるのではなく、七界的整合を通じて成立する";
A6 = "7賢者と6神は対立勢力ではなく、第七界を完成させる13の鍵である";
A7 = "七界超大統一図が完成したとき、世界は『完成された一』として自己記述可能になる";
]

[WORLD_SET
Realms = [
NORMAL_WORLD,
MAGIC_DOMAIN,
DOGMA_WORLD,
IX_PLANET,
WORLD_OF_DEATH,
OMEGA_POINT,
LEGENDARY_ISLAND
];
]

[SEVENTH_REALM
ID = LEGENDARY_ISLAND;
Title = "伝説の島 / THE LOST SEVENTH REALM";
Alias = [
"究極島アイン・ソフィア",
"七界収束島",
"失われた完成島"
];

Theme = [
六界断片,
不老不死,
究極アイテム,
神話科学融合,
ロゴスとミュトスの交差,
究極の一
];

Description = [
"どこにあるかわからない",
"地図に現れても次には消える",
"世界の探求者・賢者・王・研究者・不死を求める者が最後に向かう",
"六界大統一図の破片がロケーション化して散在する",
"島全体が一種の超巨大研究装置でもある"
];
]

[SEVEN_REALM_THEORY
CoreStatement = "六界は世界の展開図であり、第七界はその完成図である";

Formula = "SEVEN_REALMS = SIX_REALMS + FINAL_ISLAND";

Interpretation = [
"六界は分化である",
"第七界は再統合である",
"七界超大統一図は存在・場所・神話・理論・生命・死・例外を一枚にまとめる"
];
]

[ISLAND_STRUCTURE
CentralCore = "究極中枢《ユニオン・ハート》";
OuterRing = "六界環礁帯";
InnerRing = "断片収束帯";
DeepLayer = "原理地下層";
Apex = "完成天頂域";

Geometry = [
"外周に六界断片領域",
"中央に究極中枢",
"地下に原理層とピラミッド",
"上空に天球・神話軌道・時空回廊"
];

SpecialRule = [
"島の位置は固定されない",
"探す者の欲望・理論・資質によって入口が変わる",
"不老不死を目指す者には生命現象対応領域が先に見える",
"剣を求める者には神殿・ピラミッド系領域が開く",
"知を求める者には石碑・図書回廊・タブレット領域が顕在化する"
];
]

[FRAGMENT_SYSTEM
Name = "六界断片地帯";

Fragment_01 = [
Source = NORMAL_WORLD,
Zone = "時層文明湾",
Feature = "古代・中世・現代・未来TOKYOが島の湾岸に重層化している"
];

Fragment_02 = [
Source = MAGIC_DOMAIN,
Zone = "十三属性丘陵",
Feature = "各属性ごとに小神殿・霊峰・泉・火口・光庭などが散在する"
];

Fragment_03 = [
Source = DOGMA_WORLD,
Zone = "生命機構森",
Feature = "生体樹脈・細胞湖・DNA回廊・輸送生物の通路が地形化している"
];

Fragment_04 = [
Source = IX_PLANET,
Zone = "記録星庭",
Feature = "天球儀・星鎖・月環・零時塔の小型断片が浮遊する"
];

Fragment_05 = [
Source = WORLD_OF_DEATH,
Zone = "霊泉断崖",
Feature = "霊泉・忘却谷・白霊の回廊・静寂の門が存在する"
];

Fragment_06 = [
Source = OMEGA_POINT,
Zone = "例外白回廊",
Feature = "白立方体・欠損空間・黒ピラミッドへの入口が埋め込まれている"
];
]

[MAJOR_LOCATIONS

[LOCATION
Name = "時層文明湾";
Category = "湾岸都市断片";
SourceRealm = NORMAL_WORLD;
Traits = [
"古代港",
"中世城港",
"現代都市湾",
"未来浮遊区"
];
Role = "文明進化と時間遷移を示す入口領域";
Items = [
"タイムマシーン"
];
]

[LOCATION
Name = "十三属性丘陵";
Category = "属性神域";
SourceRealm = MAGIC_DOMAIN;
Traits = [
"地丘",
"風峰",
"火口",
"水泉",
"雷塔",
"氷谷",
"光庭",
"闇窟",
"時輪",
"空橋",
"虚穴",
"運森",
"無原"
];
Role = "13属性存在と交信する領域";
]

[LOCATION
Name = "生命機構森";
Category = "生体ロケーション";
SourceRealm = DOGMA_WORLD;
Traits = [
"DNA樹",
"小胞路",
"細胞湖",
"輸送獣の道"
];
Role = "生命現象 mastering の基礎を与える";
Items = [
"霊薬エリクサー"
];
]

[LOCATION
Name = "記録星庭";
Category = "天文記録神域";
SourceRealm = IX_PLANET;
Traits = [
"天球儀",
"月環",
"観測塔",
"星図回廊"
];
Role = "世界の記録・位置・観測を司る";
Items = [
"エメラルドタブレット"
];
]

[LOCATION
Name = "霊泉断崖";
Category = "霊的境界地";
SourceRealm = WORLD_OF_DEATH;
Traits = [
"霊泉",
"忘却の崖",
"白霊の流れ",
"死の門"
];
Role = "生と死の境界、魂の精製";
Items = [
"聖杯"
];
]

[LOCATION
Name = "例外白回廊";
Category = "管理・例外地帯";
SourceRealm = OMEGA_POINT;
Traits = [
"白立方回廊",
"空間欠損",
"無音の監視塔",
"赤い例外光"
];
Role = "世界法則の抜け道、ワープ、例外的遷移";
Items = [
"モノリス"
];
]

[LOCATION
Name = "不死鳥火山《アムルゼス火口》";
Category = "神獣火口";
SourceRealm = MIXED;
Traits = [
"永炎",
"再生灰",
"赤金翼の残響",
"熔岩神殿"
];
Role = "不死と再生の象徴";
Items = [
"不死鳥アムルゼス"
];
]

[LOCATION
Name = "賢者石錬成院";
Category = "錬金工房";
SourceRealm = MIXED;
Traits = [
"錬成炉",
"金属樹",
"変換水銀路",
"哲学回廊"
];
Role = "物質変換と魂の精製";
Items = [
"賢者の石"
];
]

[LOCATION
Name = "聖剣浮遊ピラミッド";
Category = "超神殿";
SourceRealm = MIXED;
Traits = [
"巨大黒金ピラミッド",
"内部無重力",
"中央空間",
"浮遊する魔剣"
];
Role = "王権・選定・究極武装の中心";
Items = [
"聖剣エクスカリバー"
];
Special = "ピラミッドの中空部に、白金と深紅の光を放ちながら魔剣が浮かぶ";
]

[LOCATION
Name = "ロゴス=ミュトス交差神殿";
Category = "最上位統合領域";
SourceRealm = LEGENDARY_ISLAND;
Traits = [
"神話文書庫",
"科学演算盤",
"言霊天球儀",
"因果舞台"
];
Role = "理論と神話、科学と魔法、物語と法則がひとつになる";
Items = [
"究極の一"
];
]

[LOCATION
Name = "究極中枢《ユニオン・ハート》";
Category = "最終核";
SourceRealm = LEGENDARY_ISLAND;
Traits = [
"七界大統合核",
"六界断片の再編",
"全存在対応盤"
];
Role = "七界超大統一図が完成する場所";
]
]

[ITEM_LOCATION_CORRESPONDENCE
Map = [
["賢者の石", "賢者石錬成院", "物質・魂・変換"],
["不死鳥アムルゼス", "不死鳥火山《アムルゼス火口》", "再生・不死・炎"],
["霊薬エリクサー", "生命機構森", "生命現象・治癒・延命"],
["聖剣エクスカリバー", "聖剣浮遊ピラミッド", "選定・王権・突破"],
["聖杯", "霊泉断崖", "霊的再生・受容・浄化"],
["エメラルドタブレット", "記録星庭", "叡智・宇宙原理・記述"],
["モノリス", "例外白回廊", "法則境界・転移・未知"],
["タイムマシーン", "時層文明湾", "時間遷移・過去未来接続"],
["究極の一", "ロゴス=ミュトス交差神殿", "世界完成・七界統合"]
];
]

[IMMORTALITY_THEORY
Premise = "不老不死は単一の秘宝ではなく、七つの位相を統合した者にのみ安定して成立する";

RequiredElements = [
"賢者の石",
"不死鳥アムルゼスの再生因子",
"霊薬エリクサー",
"聖杯による霊的浄化",
"エメラルドタブレットの原理理解",
"モノリスによる世界法則越境",
"究極の一への到達"
];

Process = [
"肉体を保つ",
"魂を壊さない",
"時間に呑まれない",
"死に呑まれない",
"例外に崩れない",
"生命現象を支配する",
"七界的整合を得る"
];

Result = "永遠の命が約束されるが、未熟な者は崩壊・霊化・例外化する";
]

[THIRTEEN_ATTRIBUTE_EXISTENCES
Principle = "十三属性にはそれぞれ対応する高位存在がいる。それは神であることも、賢者であることもある";

Attributes = [
["地", "地母の守人"],
["風", "天巡の観測者"],
["火", "炎冠の再生者"],
["水", "深潮の記憶者"],
["雷", "瞬雷の伝達者"],
["氷", "静止の封印者"],
["光", "白耀の啓示者"],
["闇", "夜底の抱擁者"],
["時", "零刻の編者"],
["空", "境界の架橋者"],
["虚", "欠落の番人"],
["運", "分岐の賽主"],
["無", "名なき原初者"]
];
]

[SEVEN_SAGES
Count = 7;

Sage_01 = [
Name = "賢者アウレクス";
Domain = "賢者の石";
Seat = "賢者石錬成院";
Power = "物質を意味へ、意味を物質へ変換する";
];

Sage_02 = [
Name = "賢者フェニア";
Domain = "不死鳥アムルゼス";
Seat = "アムルゼス火口";
Power = "再生と灰の循環を読む";
];

Sage_03 = [
Name = "賢者ネクタル";
Domain = "霊薬エリクサー";
Seat = "生命機構森";
Power = "生命現象を調律する";
];

Sage_04 = [
Name = "賢者タブラ";
Domain = "エメラルドタブレット";
Seat = "記録星庭";
Power = "世界原理を記述し直す";
];

Sage_05 = [
Name = "賢者カリス";
Domain = "聖杯";
Seat = "霊泉断崖";
Power = "魂の器を清める";
];

Sage_06 = [
Name = "賢者オメロン";
Domain = "モノリス";
Seat = "例外白回廊";
Power = "例外とワープと法則越境";
];

Sage_07 = [
Name = "賢者ユニオ";
Domain = "究極の一";
Seat = "ロゴス=ミュトス交差神殿";
Power = "七界をひとつの意味へ統合する";
];
]

[SIX_GODS
Count = 6;

God_01 = [
Name = "地平神グラノス";
RealmAffinity = "通常世界";
Symbol = "文明と大地";
Seat = "時層文明湾の奥殿";
];

God_02 = [
Name = "源法神アーケイン";
RealmAffinity = "魔法領域";
Symbol = "十三属性";
Seat = "十三属性丘陵の中央源殿";
];

God_03 = [
Name = "生命神ビオセル";
RealmAffinity = "ドグマ世界";
Symbol = "生成と構造";
Seat = "生命機構森のコア樹";
];

God_04 = [
Name = "観測神イクシオン";
RealmAffinity = "虚王星イクス";
Symbol = "記憶と星図";
Seat = "記録星庭の月環塔";
];

God_05 = [
Name = "冥響神ネクロディア";
RealmAffinity = "死の世界";
Symbol = "霊・残響・忘却";
Seat = "霊泉断崖の白門";
];

God_06 = [
Name = "例外神オメガル";
RealmAffinity = "未到達点オメガ";
Symbol = "空白・例外・未到達";
Seat = "例外白回廊の紅核";
];
]

GRAVITY
GRAVITY
今日から真人間

今日から真人間

バルトは快楽(plaisir)と悦楽(jouissance)を分けた。快楽は文化を確認して、椅子に座ったまま味わえる。悦楽は主体をぶっ壊して、同じ形では戻してくれない。

あの本にはもう一行ある。退屈とは、快楽の岸辺から眺めた悦楽である。読んだ時は洒落た警句だと思った。今はあれが臨床所見(clinical finding)だったとわかる。効かなくなった悦楽は、消えるんじゃねえ。退屈という名前で同じ場所に残り続ける。俺の本棚の半分は、効いた記憶だけが残って中身が空になった缶だ。

あの野郎の前提は、悦楽は反復できない、だった。反復してみなかったんだよ、あいつは。俺はした。十年やった。結果を教えてやる。

受容体(receptor)は下方調節(downregulation)される。壊れる主体にも耐性(tolerance)がつく。閾値(threshold)は上がり続ける。

放射線生物学に、線量率効果(dose-rate effect)ってのがある。同じ総線量でも、一瞬で浴びるのと何年もかけて浴びるのとでは、損傷が桁で違う。細胞には修復機構があって、ゆっくりなら追いつくからだ。追いつく限り、人は壊れない。

つまり、壊れるためには速度が要る。

俺がやってたのはそれだ。三冊を一日で空にして次に行く。修復させない速度で入れ続ける。あれを俺は情熱と呼んでたが、正しくは急性被曝(acute exposure)を故意に作ってた。そして修復機構ってのは、追いつく暇を与えられ続けると、そのうち鍛えられる。今の俺は何を浴びても翌朝には元通りだ。無傷だ。無傷というのは、この業界では死んでるという意味だ。

ロスアラモスに、通称デーモン・コアと呼ばれたプルトニウムの球があった。単体では未臨界だが、中性子を跳ね返す反射体(tamper)を近づけると、逃げるはずの中性子が戻ってきて臨界に寄っていく。研究者どもはこの球に反射体を手で被せて、臨界の寸前まで寄せて、慌てて引き戻すって作業をやってた。

この手の実験にはもう一つ、決定的な事実がある。オットー・フリッシュが四五年にやった実験だ。あいつは濃縮ウランの塊を組み上げて臨界直前まで寄せていく装置を扱ってた。中性子計数管(neutron counter)の音が加速していく。カチ、カチ、カチカチカチ。ある時、フリッシュは組み上がった山に顔を近づけて覗き込んだ。その瞬間、計数管の音が跳ね上がって、警報の赤ランプが点いた。

理由はこうだ。あいつの体が中性子を跳ね返したんだ。人間は水でできてる。水は減速材であり反射体だ。フリッシュが覗き込んだせいで、装置は臨界に近づいた。

読めよ。覗き込むという行為そのものが、装置を臨界へ押した。見物人が反射体だった。あいつが二秒遅れてたら、ロスアラモスは吹き飛んでたと本人が書いてる。

この実験の呼び名を、ファインマンがつけた。眠ってる竜の尻尾をくすぐる(tickling the tail of a sleeping dragon)。

もう一つ名前の話をする。戦後、同種の裸の臨界実験装置に付けられた名がゴディバ(Godiva)だ。反射体を一切被せない、剥き出しのウランだからそう呼んだ。由来の伝説は知ってるだろ。ゴディバ夫人が裸で街を行く日、領民は全員、窓を閉じて見てはならないと命じられた。一人だけ覗いた男がいた。トム。あいつは目が潰れた。

覗き見(Peeping Tom)って語の語源だ。技術者連中は、剥き出しの臨界装置に、見た者が失明する話の名前を与えた。悪趣味な冗談のつもりだったんだろう。冗談が正確すぎたんだ。

四五年八月、ハリー・ダリアンは規則を破って夜中に一人で実験室に戻った。炭化タングステンのブロックを積み上げてる途中で、計数管の音に気づいて手を止め、置くのをやめようとして、逆に落とした。青い光。あいつは素手でブロックを払い落とした。二十五日かけて死んだ。

部屋には一応もう一人いた。警備兵だ。数メートル離れた机で、作業を見てなかった。この事故を俺が二番目に置くのは、死に方が地味だからじゃねえ。ダリアンの手つきを、誰も見てなかったからだ。だからこの男の名前は、核の歴史の中で常に二番目に出てくる。誰も見てない臨界には、物語の出力が発生しない。

九ヶ月後、ルイス・スローティンは同じ球を使った。この男はトリニティの炉心を組んだ張本人で、ダリアンの同僚で、友人だった。友人が死んだ装置を、そのまま引き継いで扱ってた。

やり方はこうだ。ベリリウムの半球を上から被せ、密着させないために隙間にマイナスドライバーの刃先を噛ませて、刃を捻る角度で距離を制御する。規定の手順じゃねえ。挟むべきシムがちゃんと用意されてた。フェルミは前に警告してたらしい。そんなやり方を続けたら一年以内に死ぬぞと。

スローティンは慣れきってた。何十回もやった。慣れてたからドライバーが滑った。青い光が部屋を満たして、あいつは素手で半球を引き剥がし、自分の体を炉心と同僚の間に割り込ませた。九日かけて死んだ。

ここからが、この逸話の核心だ。
病院に運ばれたあの男は、紙を要求して、事故の瞬間の部屋の見取り図を描いた。同僚七人が、その瞬間にどこに立っていたかを、正確に配置した図だ。目的は明白で、各人の被曝線量を距離から算定するためだった。線量は距離の二乗に反比例する。だから位置さえわかれば全員の受けた量が出る。死にかけの男が最後にやった仕事は、自分を見ていた人間たちの座標を記録することだったって訳さ。

俺がこの逸話を好きな理由を正直に言う。同僚を救って死んだ部分じゃねえ。あの部屋には七人いて、全員が手つきを見てた。あいつは規定外の手つきを、見られながらやってた。装置と自分の距離を、他人に見せるためにやってた。そして最後に、その視線の配置を図面に起こした。
ドライバーで支えてたのは半球じゃない。部屋の視線だよ。

そして視線は、フリッシュの体と同じで、ただの観測装置じゃねえ。反射体なんだよ。見られてるという事実が、増倍係数を押し上げる。俺は人前でしか本気で読めなくなった人間だ。誰にも話す予定のない本は、三十ページで手が止まる。話す相手の顔が浮かぶ本だけ最後まで行く。読書が反応じゃなく上演(performance)になってから、もう何年経ったか数えてねえ。

七人のうち、全員が生き延びたわけじゃない。数十年後に白血病で死んだ者、心臓を壊して早くに死んだ者がいた。因果関係は今も断定できねえ。断定できないまま数十年が過ぎるのが、被曝ってものの本性だ。手を滑らせた男は九日で決着がついた。見てただけの奴らは、決着のつかない二十年をもらった。

デーモン・コアの結末も書いておく。あの球は、二人殺した後、実験からも実戦からも外されて、溶かされた。回収されたプルトニウムは他の兵器の材料に混ぜられて、それきりだ。固有名は残らなかった。デーモン・コアという呼び名は、後年になって人間が付けたあだ名でしかない。

装置は最初から匿名で、名前は全部、見てた側が後から貼った。オッペンハイマーの死神と同じ構造だ。

そして四六年以降、この種の実験で人間が手で触れることは禁止された。以後は四百メートル離れた遮蔽壕から、遠隔操作(remote handling)でやることになった。ゴディバ、ジェゼベル、トプシー。剥き出しの炉心たちには聖書と伝説の女の名前が与えられ、全員、誰にも見られない場所で組み上げられ、誰にも見られないまま臨界に達し続けた。

実験は止まってねえ。死ななくなっただけだ。データの精度はむしろ上がった。

これがテクストの快楽を啜り尽くした人間の肖像画(portrait)だ。慣れることでしか近づけない距離があって、慣れた奴から死ぬ。手順書通りにやってる限り、その距離には一生届かない。そして距離を詰めた奴が最後にやるのは、自分を見ていた人間の座標を紙に書き残すことだ。
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GRAVITY1
persona

persona

ちゃんとご飯食べてますか?ちゃんとご飯食べてますか?
食べてますよ?失礼な笑
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