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1. 刺激の2つの次元的性質 (Dickinson & Mackintosh, 1978)

条件づけにおける条件刺激や無条件刺激は、以下の2つの次元で分類される。

興奮（excitation）と制止（inhibition）の性質

興奮子（excitor）: 特定の反応を起こす。無条件刺激や、無条件刺激と併せて示されることで無条件刺激が起きることを予測する条件刺激を指す。

制止子（inhibitor）: 特定の反応の喚起を抑制する。無条件刺激の非対呈示が繰り返されると、無条件刺激が起きないことを予測する条件刺激となる。

刺激の持つ感情価

嫌悪性（aversive）: 忌避される刺激で、退却反応を引き起こす。

嗜好性（attractive）: 好ましい刺激で、近接反応を引き起こす。

これらの性質をもつ中性刺激と組み合わされることで、条件刺激は無条件刺激がもつ感情価を引き起こすようになる。

2. 拮抗条件づけの機序

拮抗条件づけの過程を説明する主要な理論は、以下の2つがある。

反対過程モデル (Konorski説)
興奮性の無条件刺激を見聞きすると、中枢神経系で無条件刺激のイメージが活性化し、完了反応や情動的システムが活性化する。条件刺激が無条件刺激とセットにされると、条件刺激のイメージも無条件刺激と情動システムの両方を活性化させるようになる。
拮抗条件づけ (Dickinson & Dearing 1979) は、対立する2種類の感情価を同時に示すことで、嫌悪性条件刺激が引き起こす防御的な完了反応が、嗜好性の完了反応に変化すると想定する。

記憶検索説 (Bouton, 1993)
この説は、拮抗条件づけの過程を連合記憶の検索から捉える。
フェーズ1では、嫌悪性無条件刺激と条件刺激がセットにされ、条件刺激が嫌悪性の興奮性を獲得する。
フェーズ2では、フェーズ1と逆の感情価を持つ好ましい興奮子との対呈示による拮抗条件づけを行う。
それぞれのフェーズで独立した学習が保持されており、フェーズ2経験後も、時間経過や文脈変化によってフェーズ1で獲得した反応が再出現することもある。

3. 動物での拮抗条件づけ研究

拮抗条件づけの実験は、嗜好性反応を嫌悪性興奮子によって減弱させる、あるいは嫌悪性反応を嗜好性興奮子によって減弱させる、の2つに大別される。

拮抗反応を引き起こす嗜好性無条件刺激として、餌や快情動をもたらす脳内刺激（intracranial stimulation, ICS）が用いられた。

総じて、拮抗条件づけは通常の消去手続きやフラッディング手続きよりも効果的だが、条件性抑制事態では促進効果は見られていない。1970年前後の10年間に多くの研究が発表されたが、それ以降は研究が減少している。

【参考文献】

遠座・中島（2018）不安障害に対するエクスポージャー法と系統的脱感作法―基礎研究と臨床実践の交流再開に向けて,基礎心理学研究　第36巻　第2号

【ベストコメント】

Q．メンタルマジックをどう思いますか？メンタルマジックで人を誘導させたり、心を読んだりすごいよね。

A.見えるんでしょ？って聞かれるので、全部透けて見えるけど大丈夫？って答えると嫌がります。

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