MBOには「Management Buyout(マネジメント・バイアウト:経営陣による自社買収)」と「Management by Objectives(目標管理制度)」の2つの主要な意味があり、文脈によってどちらを指すかが異なりますが、一般的にはM&A手法のMBO(経営陣が自社株を買収)か、人事評価のMBO(目標管理制度)を指します。前者は経営陣が自社株や事業を買収して独立するM&A手法で、後者は社員が自ら目標を設定し、組織の目標達成を目指すマネジメント手法です。 Management Buyout (MBO)(経営陣による自社買収) 概要: 企業の経営陣が、金融機関や投資ファンドの支援を受けて自社の株式や一部事業を買い取り、経営権を取得するM&A手法。目的: 上場廃止(非公開化)、事業承継、事業の独立・再建、親会社からの事業切り離しなど。特徴: 買収資金は借入金やファンドからの出資で調達することが多く、LBO(レバレッジド・バイアウト)の形態をとることが多い。 Management by Objectives (MBO)(目標管理制度)概要: 経営学者のピーター・ドラッカーが提唱したマネジメント手法で、組織の目標と個人の目標を擦り合わせ、社員自身が目標を設定・管理する。目的: 従業員のモチベーション向上、主体性の育成、組織目標達成、人事評価への活用。特徴: 上司からの指示ではなく、社員が自ら目標を設定し、達成プロセスを管理することで「やらされ感」をなくし、参画意識を高める。 どちらのMBOかを見分けるには文脈: M&Aや株式、上場廃止の話なら「マネジメント・バイアウト」、人事評価や社員の目標設定の話なら「目標管理制度」です。略称: 後者は「Management by Objectives(目標による管理)」と表記されることもあります。