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13月

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『クリスクロス/マリア様がみてる』今野緒雪
「引っ越ししてしまったクラスメイトが、お別れの日にくれたチョコレートなの。その子の顔も名前も、もう忘れてしまったけれど。その時もらったチョコレートの味だけは、ずっと忘れなかった。それで、時々思い出しては同じ物を求めたりして」(p.24)

(僕とは無縁ですがチョコレートの季節なので)
人が誰かに覚えていてもらうためには、何か偉業を為すとか、創作に励むとかそういう手段しかないと思っていた。
でもそれだけじゃないのかもしれない。
誰かにお菓子を勧めて、それを気に入ってもらえて、そのお菓子を買い続けていてくれる。そんな些細なことでも、その人の中にほんの少し生きていられるのかもしれない。
#毎日読書感想文 #マリア様がみてる
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『君の話』三秋縋
「全部、本当だったらよかったのにね」
 僕は首を横に振った。
「そんなことはないよ。この話は嘘だからこそ、本当よりもずっと優しいんだ」(p.294)

 四日かけて読み終わった。僕は本を読むスピードが遅いから一日100ページは厳しいようだ。知らない言葉を、印象に残った文章を書き出す時間を考えると50ページがどうも限界らしい。
 この本は何度読んでも泣けるどころか、読むたびに涙の量が増していく。今回は途中、呼吸困難になりかけた。僕が抱える孤独が年々大きくなっているから、歳を重ねるほど以前よりも刺さる内容になっているのだろう。
 この物語以上に運命の相手の存在を信じたいと思わせる本はきっと存在しない。
#毎日読書感想文 #三秋縋
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響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章後編 #武田綾乃
「多分、青い鳥がリズのことを好きだったから。リズが望むなら、それを受け入れた。リズの選択を、青い鳥は止められない。だって、好きな人が望むことだから。だから、いくら悲しくても青い鳥は飛び立つしかない」(p.232)

この本は誰に感情移入するかで受けとる内容が全く違うと思う。僕が受けたイメージは、才能は平等ではない、人生には努力してもどうにもならないことがあるということ。
僕は持たざる者の側として生きてきてきたから、希美が嘘を付いた理由、張り付けたような笑みを浮かべて本心を誤魔化していた理由がよくわかる。でも読者の多くはそんな希美の性格を快く思わずに、主人公やみぞれ側の視点に立つことができるのだとも思う。

みぞれが希美に向ける感情がどこまでも真っ直ぐで、純粋で美しかった。#毎日読書感想文
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『命の後で咲いた花』#綾崎隼
「世界で一番美しい言葉?」
「はい。透弥さんは何だか分かりますか?」
 そんな問いに万人に共通する答えが存在するのだろうか。
「……いや、想像もつかない」
「名前です。好きな人が呼んでくれる自分の名前」(p.237)

 もしこれが本当だとしたら、今のように毎日毎日狂ったように綺麗な言葉を探し続けたところで、僕は世界で一番美しい言葉に出会うことなく人生を終えるのかもしれない。
 アイネクライネが聴きたくなった。
#毎日読書感想文
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「命の後で咲いた花」綾崎隼
日常の狭間に零れ落ちた小さな幸せを拾い集めて。
宝石でも見つけたみたいに両手で差し出して。
こんなにも世界は素敵だねと微笑んで見せる。彼女はそういう人間だ。(p.143)

ポジティブな人、自己肯定感の高い人、前向きな人。そういった人間を表す比喩はたくさんあるけれど、これは格別にいいと思った。描写が美しいのはもちろん、その存在に主人公がどれだけ救われているのか伝わってきて、愛に溢れていて、胸が温かくなる。#毎日読書感想文
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『ノーブルチルドレンの残酷』綾崎隼
その時、あたしは生まれて初めて、自分の心臓の位置を知ったような気がしていた。(p.99)

とても美しい初恋の表現だと思いました。
#毎日読書感想文
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「命の後で咲いた花」#綾崎隼
 恋と愛との違いなんて狭隘な俺には分からない。分かる必要があるとも思わない。
 だけど今、もしも自分の心臓を彼女と交換出来るのならば、迷わずにそうしたいと願っている。この世界に愛なんてものがあるのだとすれば、それはこういう感情を指すのではないかとも思っている。(p.212)

よく耳にする恋と愛との違いは何かという質問の答えは、これなんじゃないだろうか。
自分以上に相手を大切に思うこと。自分よりも相手に生きて欲しいと思うこと。
「君のためなら死ねる」とかそういう安っぽい言葉を言っているわけじゃなくて。
相手の幸せが自分にとっての幸せであり、相手が存在していないなら自分が存在していたところで意味がないと、そう思ってしまえるほどの強い感情。
それを片方がではなく、お互いが相手に対して同様に抱き、その天秤が釣り合ったとき、その状態だけが唯一、愛と呼ぶに相応しいのではないだろうかと僕は思う #毎日読書感想文
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「命の後で咲いた花」綾崎隼
窓辺で猫のように日光浴をしながら、もしもミジンコに生まれていたらという妄想をして自分を慰める程度には孤独だった。(p.18)

僕のことかと思いました#毎日読書感想文
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『君が後生抱えて生きてくような思い出になりない 見るだけで痛いような』
この歌詞は、君の話(三秋縋)の小説に出てくる次の言葉と、並んでいる言葉が違うのに同じ内容を表していると思った。
『そうして私の死後、その死を嘆き悲しみ、一生消えない傷として心に刻みつけてほしかった。私を死に至らしめた病を憎み、私に優しくしなかった人々を恨み、私のいない世界を呪ってほしかった』 #毎日読書感想文
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夜紛い

ヨルシカ

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『命の後で咲いた花』綾崎隼
「私は命をかけて、あなたのものになりますね」(p.240)

愛する人の命にまつわる素敵な物語だった。

卑屈で世を拗ねた主人公に自分の姿が重なった。だから、前向きで純粋なパートナーと出逢ったことで救われた彼の人生に少しだけ夢を見た。
そんな未来に憧れるのは、僕が心のどこかで誰かに救って欲しいと思っているからなのだろう。人はひとりで生きればいいと口にしているのは、ただの強がりなのかもしれない。
ただ、自分が救われるために人との繋がりを求めるのは愚かなことだとも思う。その関係は最初から破綻している。本当に親しいと相手との関係は対等であるべきはずだ。強くありたいと思った。
#毎日読書感想文 #綾崎隼
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