「Minority」私の毎日は、騒がしい街の雑踏とどうにもならない苛立ちでできていた。人の群れにまぎれても、私は少数派。言葉も心も、居場所を探すまま揺れていた。嫌気がさして、一人歩く。歩きながら紡ぐメロディは、誰かのためじゃなく私自身の心に触れるための歌。「今日から始まる第1章、大きく踏み出すはじめの1歩」歌っても、世界は変わらないことを知っていた。見知らぬ街で出会ったのは、静かで、でも胸の奥を揺らすギターの音色。左利きのギタリスト。彼の音は私の涙を見透かして「強がらなくていいよ」そっと寄り添うように流れた。灰色だった日常に、メロンソーダにさくらんぼを落としたみたいな小さな彩りがふわり。でも、わかっていた。夢はシャボンの泡のように消えることを。優しさに見返りを求めてしまう自分の醜さ。──でもいまだけは、バカなフリをしていたい。バスの窓に映る街の灯が遠ざかりその中で、居場所を持てない私の影が揺れる。Minority──それが、私らしさ。自分の力で「特に何もない今日をハッピーに」塗り替えていく。これは現実逃避じゃない。居場所を探し続けてきた私がやっと踏み出せる新しい物語のはじまりの一歩。#小さな彩り #新しい物語 #songtostory#ことばりうむの星#音楽と言葉イベント