"...リアリズムによれば、国家がただひとつの重要な主体であり、軍事力が国家の支配的な手段であり、パワー(あるいは安全保障)がその支配的目標である。もし国家がただ1つの主要な主体でないとすれば、(もし国境を越えた脱国家的主体もまた主要な主体だとすれば)どうなるのか?もし軍事力がただ1つの主要な手段でなければ、(もし経済的操作や国際制度の利用が主体的な手段であれば)どうなるのか?もし安全保障ではなく福祉が第一義的な目標であれば、どうなるのか?こうした反リアリスト的世界は、複合的相互依存の状況と特徴づけられる。社会科学的に言えば、この複合的相互依存も「理念型」の一種である。理念型とは仮想的な概念であって、現実の世界を完全に記述するわけではない。.....実際、リアリズムも複合的相互依存も、理念型なのである。現実の世界は、この2つの間のどこかに存在する。とすると、ホッブズ的自然状態[リアリズム]と複合的相互依存を結ぶ線上のどこに、ある国とある国の関係は位置するだろうか、ということになる...."
ジョセフ・S・ナイ・ジュニア「国際紛争 理論と歴史」
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"...リアリズムによれば、国家がただひとつの重要な主体であり、軍事力が国家の支配的な手段であり、パワー(あるいは安全保障)がその支配的目標である。もし国家がただ1つの主要な主体でないとすれば、(もし国境を越えた脱国家的主体もまた主要な主体だとすれば)どうなるのか?もし軍事力がただ1つの主要な手段でなければ、(もし経済的操作や国際制度の利用が主体的な手段であれば)どうなるのか?もし安全保障ではなく福祉が第一義的な目標であれば、どうなるのか?こうした反リアリスト的世界は、複合的相互依存の状況と特徴づけられる。社会科学的に言えば、この複合的相互依存も「理念型」の一種である。理念型とは仮想的な概念であって、現実の世界を完全に記述するわけではない。.....実際、リアリズムも複合的相互依存も、理念型なのである。現実の世界は、この2つの間のどこかに存在する。とすると、ホッブズ的自然状態[リアリズム]と複合的相互依存を結ぶ線上のどこに、ある国とある国の関係は位置するだろうか、ということになる...."
ながのーきィ 投稿者
結局どっちも不完全なので、コントラクタヴィズムに則ってメチャクチャ複雑なものを後から解釈するしかないよね、単一のものさしで測れる単純な話ならだれも苦労しないよね、というきもち
ながのーきィ 投稿者
単語と理論の説明、古代近代の事例の考察、第一次大戦と第二次大戦の分類、そさて最近の事例の紹介と一歩ずつステップアップしていくのはまさに講義のよう 入門としてとても良いと思います 国際紛争と銘打ってはいるものの、武力紛争や武力そのものに焦点をあてているわけではなく、"国家間の力学"(←用語として全く正しくないが、とりあえずこう置く)がどう紛争(武力以外も込みで)につながっていくかを説明しているので、"国際関係に焦点をあてた本ですよ〜"の方が良い...ウーンでもふわっとしすぎですね
ながのーきィ 投稿者
これ1年くらいかけて高校でやればいいのに
ながのーきィ 投稿者
古代近代の舞台がユーロップ(古代はギリシア、近代はビスマルク辺り)なので極東の中華圏パンピーには馴染みのない横文字名詞連打がちとキツイが、それらは抽象化されるのでまぁついていけます メチャクチャオススメ🙆🙆🙆🙆🙆 これが頭にあってからほかの本やニュースを読むと自分でより整理・解釈できると思います