共感で繋がるSNS
GRAVITY(グラビティ) SNS

投稿

ととと

ととと

『愛されなくなる前に終わらせれば、傷を減らせるからだ』──糸林 茜寧

社会という集団の中で生きていくためには、大多数と良好な関係を築く必要がありますが、そのためにはまず大多数から好かれる必要があります。
誰かに好かれるために興味のないことでも好きだと言ってみたり、相手の言うことをなんの抵抗もなく全肯定してみたり。
方法は様々ですが、ありのままの自分を愛してもらえる人というのは酷く少ないのではないでしょうか。
誰もが何かどこかを繕いながら、不完全な自分をそれでも尚愛してもらえるように見せかける。
私はそれを悪いことだとは思いません。
とはいえ、「作り物の自分」が愛されたからといって、それは本当に「自分」が愛されていると言えるのでしょうか?
自分が隠していること、偽っていることを『腹を割って』話したとして、そこから溢れ出てくるのは本音でも本心でも何でもなくただ両者の痛みのみではないでしょうか。
そうなのであればお互いに本心は隠したまま、誰かに好かれる自分という外皮だけで関係を続けていくという方がよっぽど健全なような気もします。
自分を偽って生きるというのは、自分の弱みを隠して生きているように思われますが、あるいはその行為自体が弱みになるのかもしれません。自分を隠そうとする人はどこかに恐怖心があると思うんです。
「自分の性格が嫌われたらどうしよう」「自分の好きな物が否定されたらどうしよう」、そんな恐怖があるから中々自分を曝け出せずに結局は自分を押し殺してしまう。
その結果、自分の好きな物も忘れて、その中に残るものはただ「愛されたい」という自分だけ。自分を守るために始めたはずのそれに、気がつけば自分が殺されてしまっている。本作の主人公もきっとそんな感じだったのではないでしょうか。
誰かに好かれたい、と思うのは当然の考えですが、あくまでもそれは手段であって目的ではありません。自分を守るために、自分の好きを共有するために誰かに愛される必要があったのに、誰かに愛されることに躍起になって、なぜ愛されたかったのかも忘れてしまうと「愛されたい」だけが残った醜い化け物に成り果てます。
けれど多分、作り物の、上辺だけの自分を愛してくれる人の愛もまた、上辺だけのものなのでしょうね。
#読書感想文 #読書 #読了
GRAVITY
GRAVITY53
話題の投稿をみつける
関連検索ワード

『愛されなくなる前に終わらせれば、傷を減らせるからだ』──糸林 茜寧