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ハシオキ龍之介

ハシオキ龍之介

デヴィッド・ストーン・マーティン画廊 # 12


#レコードジャケット #JAZZレコード


☆『イリノイ・ジャケー』

村上春樹のコレクションの中からのデビッド・ストーン・マーティンが手掛けたジャケット作品にフォーカスした本を紹介している。
 こちらは豪華なカウント・ベイシー本人が弾くオルガンにハンク・ジョーンズのピアノ、フレディ・グリーンのリズムギター、レイ・ブラウンのベース、そしてリーダー イリノイ・ジャケーのテナーというごった煮風セッションである。
カウント・ベイシーといえば、オールアメリカンリズムセクションという強力なバックボーンが常に脇を固めていたものだが、ここではノーマングランツ系ジャケー、ハンク・ジョーンズらとベイシーは唯一の自楽団から一番信頼を置くフレディ・グリーンを呼び、異種格闘技戦の様なセッションを繰り広げている。ベイシーは若い時に憧れのトーマス"ファッツ"ウォーラーからオルガンの手解きを受けたので、多くのオルガン(或いは電子オルガン)演奏のレコードが残っている。ピアノを弾いても節約奏法と巨泉から名付けられた独特の必要最低限の音数のみの奏法は、今日アップしたアルバム表題曲♫Port Of Rico の演奏でも解る通り、オルガン奏法の影響によるところが大きい。
サポート役のハンク・ジョーンズの深い友情から指名されたレイ・ブラウンは当時新進気鋭のベーシストで日本でも大変馴染み深いミュージシャンの一人だ。そのレイと共に深くて滋味のあるリズムを刻むのはベイシーの右腕、ギターの名手フレディ・グリーンである。ベイシー在るところにこの人のリズムギターあり。この人のギターが聴こえたらそこには必ずベイシーが居る。生涯をほぼベイシーのバンドで過ごした。そんな安定のリズムセクションに支えられて、イリノイ・ジャケーの中庸なテナーのソリが、この時ばかりはコクみのある深煎りコーヒーの様な味わいに聴こえるから不思議だ。
デビッドの描くジャケーの肖像は独特の線画で描かれて一発で、彼の絵だと判る。絵画にせよ、音楽にせよ、重要なのは個性であるとこのアルバムは教えてくれる。
GRAVITY

Port of Rico

イリノイ・ジャケー

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