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ハシオキ龍之介

ハシオキ龍之介

昭和懐古録  ♯ 207

#グラビティ昭和部


 ・昭和8年(1933年)

 ☆『この年の文学』

 6月3日 作家山本有三氏(47)は共産党に資金
 を提供した疑いで突如検挙。
 6月9日 釈放。
 7月 「学芸自由同盟」発足。5月のナチス焚書事
 件に対する抗議を契機としてドイツ文化問題懇
 話会が開催され発足した。三木清、広津和郎、
 久米正雄らが集まり、会長は徳田秋声。滝川事
 件等への抗議運動なども行われたが、昭和九年
 の直末三十五らが動いてできた「文芸懇話会」
 の発足により内部崩壊した。
 10・2 大阪刑務所収容中の作家片岡鉄兵氏(40)は、昨夏コップからの脱退を通告していた
が、午前九時仮出所を許され「もう左翼とは絶
 縁したのだから、今後大衆小説に精進するつも
 り」と語った。
 10月 「文学界」創刊、武田購太郎、林房雄、小
 林秀雄を中心に、川端康成、宇野浩二、広津
 和郎、横光利一、河上徹太郎、舟橋聖一、井伏
 鱒二、村山知義らを加えて創刊。旧プロレタリ
 ア系、芸術派系、既成文学系を集め、川端康成
 は編集後記に「時あたかも文芸復興の萌あり」 
 と記す。政治主義に対し、個人主義・芸術主義
 を掲げ、文壇の主流勢力となった。文化公論社
 などいくつかの発行所をへたのち、菊池寛の文
 芸春秋社発行となる。十九年四月、廃刊。

[主な発行作品]
小林多喜二「党生活者」(「中央公論」)/谷崎潤一郎「春琴抄」(同)/宇野千代「色ざん
げ」(同)/尾崎士郎「人生劇場・青春備」(都新聞)/尾崎一雄「暢気眼鏡」(「人物評
論」)/宇野浩二「枯木のある風景」(「改造」)/小林秀雄「故郷を失った文学」(「文芸春秋」)/川端康成「末期の眼」「文芸」)/谷崎潤一郎「陰翳礼讃」(「経済往来」)/石坂洋次郎「若い人」(「三田文学」。
久保栄「五稜郭血書』/内田百聞「百鬼園随筆』/田辺元「哲学通論」/柳田国男「桃太郎の誕生』/西脇順三郎『Ami barvalias』
/国枝史郎『神州纈・城』前篇(後篇は未完のままだったが、昭和四十三年完成版が出版)。

*ベストセラー山本有三「女の一生』。
即「若い人」(「三田文学」)。
*「文学」(岩波書店)「四季」(堀辰雄編集)「行動」(舟橋聖ー、阿部知二ら)創刊。
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