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ハーロック
夜のアトリエは、やけに静かだった
窓の外では、街灯のオレンジ色が滲み
古いカーテンに影を落としている
男は、床に置いたキャンバスを見下ろしていた
描きかけの絵
何度も塗り直され、何度も削られ
もう何を描きたかったのか分からなくなったキャンバス
美術大学に通っていた頃、初めて見た《星月夜》
あの渦巻く夜空に、胸を殴られた
「こんな絵を描ける人間が、この世にいるんだ」
その事実だけで、息ができなくなった
――俺も、画家になる
そう決めたのは、あの瞬間だった
だが現実は、甘くなかった
評価されない
売れない
生活できない
大学を出てから、正社員にならず、アルバイトを転々とし
イベント会場で似顔絵を描き
「上手ですね」と言われては、心の奥で空虚になった
結婚はできなかった
恋人ができても、将来の話になると、必ず終わった
友達も、いつの間にか連絡をくれなくなった
四十歳
独身
不安定な収入
画家志望
「……俺、才能ないんだろうな」
声に出した瞬間だった
「今さら気づいたんか
遅すぎるわ、自分」
背後から、低い声がした
振り向くと、黒い服の男が、いつの間にか壁にもたれて立っていた
腕を組み、冷めた目でキャンバスを見ている
「……誰だ、あんた」
「ワシはただの通りすがりや
で、自分、画家やめるんか」
「……やめようとしてる」
男は、鼻で笑った
「“やめようとしてる”やと？
四十にもなって、まだ覚悟も決めきれてへんのか」
胸に、ずしっと来た
「うるさい、俺なりに必死だった」
「知っとるわ」
男は、即座に言った
「必死やったことくらい、見たら分かる
せやけどな、自分――“勘違い”しとる」
#希望 #自作小説
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コメント
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saki
育児・子育ての星
さゐだ
でも可愛いと思う！
自認チェンソーマン
今も彼が心の中にいます
ゆゆゆ
1人くらいしかいないんだけど
そんなもん？当たりが悪いの？
そこ重視じゃないから別にいいんだけどさ…
11
たびの左耳と右足🦈🦈
限られてるから
欲張るよ溢れちゃうよ
1
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私友達ですら3年以上は仲良くなるにはかかる笑
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いつものように振る舞って大丈夫大丈夫〜ってごまかすのもいいけど、しんどすぎて取り繕う事も出来ずに誰かに声かけられても、うん、あー、とかしか答えなくなるのが良いんだよ。
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