凛として豪快な剣道さんの婚活物語【第一話】

【凛として豪快な剣道さん１】#まる婚活

去年11月にお見合い相手「小説家さん」にフラれ、翌12月には何の腐れ縁か「運営も素人のお見合いパーティー」に参加した。

なんにも成果が無い。
進むどころか、むしろ後退しているような感覚すらあった。

そして年の明けた1月。

「年末年始は忙しいだろうから大目に見たけど、そろそろ【婚活初め】するべきじゃないの～？」

結婚相談所のおばちゃんが私に催促してきた。
しかしリストを見ても、どの人もいまいちピンと来なかった。

「そんな簡単にピンと来るわけないでしょ。会って話してみて、ようやく分かるものよ」とおばちゃんは発破をかけるが…　やっぱり気が重い。

もういっそのこと、【婚活パーティー編】【街コン編】【アプリ編】【新しい結婚相談所編】などと方向性を変えて戦おうかとすら思っていた。
【過去振り返り編】として、最初からの婚活の流れを洗ってやろうかとも。

っていうか、初めての一人暮らしで冬の光熱費が２倍に膨れ上がって『婚活どころではないのでは？』と思い始めていた。（主に暖房が原因である）
お金が足りない・貯金が出来ないことを理由に、夏前の転職を視野に入れていた。

『１月は休もうかな…』とぼんやり考えていたところ、スマホが軽快に音を鳴らした。

１件のお見合い申込みが来た。

スマホから相手の情報を見ると…　遠い所に住む農家だった。
以前お会いした男性【東大さん】と同じところ…　つまり車で片道３時間の距離だった。

『農家かぁ…』

これを読んでいる農家さんにブチ切れられても仕方ない。申し訳ない。
でも…　農家は私には無理だ。

私の実家が農家だから、なおさらに【農家と結婚するのは無理】と思ってしまう。
農家は「汚れるから」とか「体力仕事だから」というだけじゃない。

農家は【家族ぐるみ】になるから無理だ。