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桔梗色のきたじー

桔梗色のきたじー

#愛の余韻 #愛の一撃
#夢 #悪夢
(※本当の悪夢です。閲覧の際はご注意下さい。)

『漆黒風』(The Pitch-black Gales)

ザーーーッ……!
ビュオーーーッ……!
ゴーーーッ……!

とにかく暴風だった。そして、何も見えない。黒い長リボンのようなものが、私の周りを囲むかのように荒れ狂っていることしか見て取れない。
何より、寒い。雪はないはずだ。いや、黒しか見えないだけで降っているのか? そう思った瞬間、うずくまっているこの体が重くなった。
心なしか、体の感覚が少しずつなくなってきているように感じる。ここに、私はひとり。怯え苦しんでいるだけ。動けもしない。何もできない。息だけで、やっと。

ヒューーーヴゥウーーーッ!

一際強い風、一陣。このとき、右頬が痛かった。
瞬間、声が聞こえる。
「ここにいたのか」
男女が分からない声だ。直後、私は何者かの腕に包まれる。
「大丈夫だ、大丈夫だ」
頻りに声は言った。私を強く腕に抱きながら。
今度は地面(床と言うべきだろうか)が大きく揺れだす。私は思わず悲鳴を上げる。すると声の主は――見えないが――、より強く私を抱き締めてきた。
「大丈夫だ、ここに私がいるから」
いると言っても、見えない。それのせいで、この声すら怖く思えてきた。
声の主を突っ撥ねようと試みる。だが、私の体は固定されているらしく、それができない。
いるのか? いるのか? 本当にいるのか?
「暴れるな」
突然、ドスの利いた声に変わる。やっぱり突っ撥ねるべきだったじゃないか!
風の音が低く厚いものになってきた。もう耳が痛い。今はこの暴風よりも、私の方が狂乱しているかもしれない。
動け、動け、私の体。
このままじゃダメだ!
足掻いていると、体が沈み始めた。ずっと揺れ続けているこの地面に。
嫌だ、これ以上は絶対に嫌だ!
私の本能が、私の上腹を内側からノックする。その微かな衝撃が、私を叫ばせた!
大きく口を開けて、私は叫んだ。叫びながらもがく。
すると、私の腕がやっと動いた。解かれた反動で、勢い良く何かを突き飛ばした。そのまま流れるように私は立ち上がる。歯をくいしばって。
直後、風が一気に静かになった。あの声も、二度と聞こえてくることはなかった。

暫くすると、黒リボンが解かれ、辺り一面に広がる大きな湖が現れた。私は、なんと湖面に立っている。
そこまで認識した直後、私の名前を呼ぶ小さな声を聞き取った。振り返ると、女性がいた。銀の長髪は、その腰まで。オーシャングリーンの、ネグリジェみたいな服を纏っている。
女性は私の目を見ると、駆け足でこちらまで来て、私を抱き締めた。強いが、優しかった。
「良かった、生きていて」
女性の囁きの数秒後、胸辺りに滲むものを感じた。
「あいしてる。はなれたくない」
その言葉通り、女性は私を離してくれなかった。でも、これに至っては、このままでいたいと思ってしまったのだった。
愛の余韻(こえ)~ことばに満ちる宙(そら)~
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ごまとうふℱ🎸

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前半怖かったけど 最後が笑えました[星2]

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