表層意識と深層意識の統合こそが｜ギフテッド　ゲニウスの投稿-GRAVITY(グラビティ) SNS

イケメンのオタク

いま人気のスニーカーブランドに立ち寄った。たまたま欲しい最新モデルがあったからだ。

店員さんはマスクしていてもイケメンだった。オサレパーマネントでピアスのイカしたイケメンだった。ちょっと話したのち、スニーカーを試し履きした。ちょっと色が好みではなかった。それを告げると何かのスイッチが入ったのか急に彼のマシンガントークが始まったのだ。前置きなしでそのブランドの歴史から何から思い入れたっぷりに語りだした。何にもたずねてもいないのに。イケメン店員の正体は正真正銘の「オタク」だった。

わたしもどちらかというと、「オタク」な方なのだがレベルが違った。彼は喋りながら息継ぎをしない。瞬きしない。こちらのあいづちを待たない。その目はカッと見開いてわたしを見ていた。延々と続く彼の説明が恐ろしかった。わたしはその間「逃げる」ことしか考えなかった。

なんとか「明日発売されるモデルを10時の開店に並びますね」としらこい嘘をついて、そそくさと逃げ出した。もう行かない。あそこには絶対行かない。欲しかったスニーカーへの情熱はとっくに失せていた。恐ろしい世の中になったものだ。好きなスニーカーさえ満足に買えない。つか、あんな事やってたら誰も買わんぞ。これ書いてるの読まれたら尚更買いに行けんぞ。買うなら路面店に行くぞ。などとひとりのたまいながら、悲しいかなまたひとつわたしの人間嫌いが深まってしまったのだった。

宇宙意識…海綿体ですね！