賄賂政治と未だに歴史で教えられている田沼意次を軸に、その目指す理想と現実、時代に翻弄された人々が描かれている物語。さすが周五郎なので飽きさせないし、上手い。周五郎は天然自然のすごい妖婦をよく書くけれど、関わるとまず不幸になるのはやっぱりなのね。山本周五郎「栄花物語」