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アメジスト

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こんにちは
読書記録です

神秘学概論
ルドルフ・シュタイナー著
高橋巖 訳
ちくま学芸文庫

ちくま学芸文庫なので学術的な神秘学を期待して読んだのですが、想像以上に難解でした
ただ、人間の霊魂の故郷が宇宙の他の星にあるとか、本書では土星期とか言ってますが
もともと人間の霊魂は過去の記憶を持っているとかの輪廻転生的な考え方とか
東洋の世界観に似ているなという感じはしました

可視的な世界の背後には不可視的な世界があることを認めることで
世界をなんでもかんでも思い通りにしようとする人達に対してブレーキをかけられるかもしれませんし
マクロコスモス=宇宙には分かっていないことがたくさんあることを認めることで
ミクロコスモス=人間をコントロールしようとする傲慢さを抑制できるかもしれません
霊魂の存在を認めることで、人権というものはとても尊いものであると認識できるかもしれません

シュタイナーの生きた19世紀の終わりから20世紀の初めは
重化学工業が革命的に推進され、環境破壊が進み、人間に厳かな気持ちを与える源泉である自然がどんどん破壊されていったこと
社会の大衆化によって
従来の価値観が揺らぎ、何を信じて生きていけばいいのか分からなくなっていく時代でもありました
そういう行き過ぎた開発と虚無感の中で、霊的なものを見直そうと書いたのが本書だったのかもしれないと思いました

科学・技術の特に技術の面が人間精神を蝕んでしまう防波堤として、本書の意義を感じました
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