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アメジスト
読書記録です
興亡の世界史
大英帝国という経験
井野瀬久美惠 著
講談社学術文庫
「日の没することなき世界帝国」がいかにして成り立ったか
植民地アメリカの喪失と西インドのサトウキビ産業の衰退によって、奴隷貿易がいらなくなったから、一転して奴隷解放の旗手となる変わり身の早さに、英国の強かさを感じました
また、アメリカ喪失の教訓が、19世紀のアジア、アフリカで展開された間接統治の帝国、
あるいは、南米や中国で展開された資本投下や技術移転などを通じての非公式の支配につながったことが分かりました
第三章では、貧民を植民地へ移民として送る棄民政策が解説されていますが、明治、大正、昭和の日本においても社会の安全弁としての移民=棄民政策をやっていましたので、日英は島国の悲哀の共通経験を持っているんだなと感じました
第四章
ブリストルやリヴァプールでは、奴隷貿易で栄えたという過去の罪がありましたが
奴隷貿易に関する展示会をおこない
奴隷貿易は「人道に対する罪」であると捉え
未来のために過去を謝罪して
勇気をもって歴史の痛みと向き合い、そして変わるということを英国は実行しました
臭いものには蓋をするという日本人の悪習とは全く違う姿がそこにはありました
日本が本当の意味で、自由や民主主義や人権尊重や法の支配や平和主義を国是とする国家になるのはいつのことになるやら
大英帝国において第一次大戦で本格的に展開された科学・技術の軍事利用は
第二次大戦において科学・技術を全面的に戦争に総動員した戦争国家となりましたが
これは日本にも当てはまることです
特に日本の場合
戦後も続いた巨大科学の暴走が「3・11、フクシマ」という破局を迎えた末路を経験しました
「アジア・太平洋戦争の歴史化」が進むなかで、再び戦争国家への道を歩み始めようとする日本においてこそ、「帝国だった過去」への反省が求められているように感じました
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