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アメジスト
読書しました。
オスマン帝国500年の平和
林佳世子 著
講談社学術文庫
表題の500年の平和というのは、14世紀から18世紀にかけての時代、帝国内の多民族、多宗教を包括した覇権によって、その勢力内で争う必要がなくなったという意味での平和だった500年という意味です。
この500年の間には、外征やら内乱やらは沢山あるし、王家の後継者争いを未然に防ぐための悪名高き兄弟皆殺しや失政した大宰相の処刑など、現代人の目からみれば、おぞましいことを沢山やってきた歴史です。
しかしながら、トルコ人の国でもなくイスラム帝国でもない、この帝国において、宗教の垣根を越えた寛容な統治がおこなわれてきたという歴史は、かつてこの帝国が支配してきた地域において、まさに今、戦乱が起こっている状況を踏まえると、「オスマン帝国による平和」というものに、学びがあるように感じます。
19世紀以降、民族主義を煽る手法でオスマン帝国を切り刻んだ英仏露を中心とする欧州列強の罪深さを改めて感じます。
イスラムの名のもとに多宗教・多民族を包括した寛容な統治がおこなわれてきた歴史が過去に存在していたということが、現代の中東を平和にするヒントになるかどうかは難しい問題ですが、「民族の時代」というのは19世紀以降の時代特有の問題であるという相対化することによって、単一の宗派や民族を国家のイデオロギーにするというのは、本質的に不可能であるという認識を世界中の人々が共有することは可能なのではないでしょうか。
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