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ひより

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正しい復讐②
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消防士は毎日厳しい訓練ばかりで、時には死と隣り合わせの仕事は想像以上に過酷だったが、やりがいのある毎日を過ごしていた。
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そんなある日、出動連絡が入りいつもの様に急いで火災現場へ向かった。
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「これは酷い、、」
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現場である一軒家はかなり燃えていて、もう手がつけられない状態だった。
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しかし中にはまだ人が1人取り残されているらしい。
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なんとか助けたい、、
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その一心で、僕は1人で炎の中に飛び込んだ。
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部屋の端で、うずくまって苦しそうにしている男性を見つけた。
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「もう大丈夫ですよ!」
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僕の呼びかけに振り向いた男性の顔を見て、僕はすぐに気がついた。
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この人は、10年前に僕を救ってくれたあの時の消防士の男性だった。
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すぐに駆け寄り男性を抱えて逃げようとしたが、もう逃げ場がない。
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「私はいいから、あなただけでも逃げなさい」
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男性は僕にそう言った。
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「私は10年前の火事で、あなたに命を助けて頂きました。今度は私があなたを助ける番です。絶対に助けてみせます。」
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そう男性に声を掛けると、男性も僕の事を思い出したのか、ハッとした表情をした。
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必死の思いで火の中をくぐり、2人ともなんとか外へ逃げ出すことができた。
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火も無事に鎮火され、その後、僕とその男性は同じ病院に運ばれた。
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2人とも煙を吸っているので、念のため検査入院が行われた。
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僕たちは、同じ病室で隣同士のベッドに横たわっていた。
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僕はずっと聞きたかった事を男性に聞いた。
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「10年前の火事、放火だったんです。
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犯人はまだ捕まっていなくて、未だに手がかりもないみたいなんです、、
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もしもあなたが知っていることがあったら教えて頂きたいのですが、何か覚えている事はありませんか?」
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