6000星粒から2000欠片まで…枯渇民の生存日記

生存者0人
〜本当に闘うべきもの〜⑧
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ドーーーーーン！！！
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今まで聞いたことのない鉛のような重くて大きな音が聞こえる。
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画面が激しく乱れた。
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瞬く間に激しく火花が光り、黒煙があがる。
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煙は一瞬のうちに巨大化し、積乱雲のように上空を覆い尽くした。
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まるでドラマのワンシーンを見ているようだった。
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2〜3分続いた爆音がようやく鳴り止んだが
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街の様子なんて分かるはずがないほど、煙が画面を覆っている。
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とてもこの世で起きたとは思えない映像を見て、
僕は恐怖のあまり全身の震えがとまらなかった。
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「テレビ、みてる？」
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すぐに電話をくれた侑斗の声も震えていた。
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「ああ、まさか、本当に落ちるなんてな。」
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あまりのショックな映像に、僕たちは言葉が出なかった。
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数日後に煙が消火されたルワンダの街の様子が、放送された。
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その様子を見て僕はまた息をのんだ。
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何日か前まであった建物も、人々が住んでいた家も消えて、そこが道路だったのか、山だったのかさえも、わからない。
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何も識別できなくなっていた。
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そこに残っているのは、数センチほどかすかに立ち昇っている煙くらいだ。
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辺り一面に焼け野原が広がっている。
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跡形もなくというのはこういうことを言うのだろう。
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自然の力は怖い。
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そうよく聞いていたけれど
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本当の怖さなんて、人間は分かっていなかったのだと、この時ようやく気がついた。
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この日以降、僕たちは隕石におびえる生活を送ることとなった。
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ようやく感染症が収まってきた矢先に、次は隕石に襲われる試練の連続だった。
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人間は試されていたのだろう。
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この局面をどうやって乗り越えるのか
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人間の知恵は、自然の脅威や、ウイルスと闘う為のものであり、争うために授けられたものではないのだと
人間同士で争っている場合ではないと、気づく事ができるのか
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試されていたのだろう。

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