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とうふ

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『正体』

------------ネタバレあり感想------------






よかった。安心した。
人の善性を信じる人がきちんと救われる結末でよかった、と思った。
ただ同時に、これはフィクションなので現実はそうは上手くいかないよ、という思いもあった。

実際そうで、現実には冤罪で死刑判決を下されて長期に渡り勾留されてきた人もいる。死刑までと言わずとも、映画の中であった痴漢冤罪のように、正しく裁かれないことも多い。

人を信じる事、人から信じられる事、これらがどれだけ難しく、今の時代重要視されてるのだろう。

SNSでバズれば流行り、炎上すれば廃れる、一側面だけを切り取ってネットに載せた情報でもこれらの現象は発生していると思える。正しい情報であれ、誤った情報であれ、またそれが情報の一側面でしか無いものであれ、受け取り手がどう感じたかが全てを決める。

この映画で、主人公は潜伏先で出会った人々とそれぞれ交流するが、当然自分の全てを曝け出すことはなく、顔を変え服装を変え雰囲気を変えて一側面としての自分を見せていた。

彼等はそんな一側面の姿から主人公の「正体」を思い描き、これを信頼していた。映画の冒頭、『「正体」をわかっていたのか』という問いかけがあるが、この映画の中で主人公が関わる人々は、「正体」に触れることができていたのだろうと思う。どの潜伏先でも主人公が見せていた、根っこの優しさ人の良さに信頼が生まれて、彼を結末まで運んだのだと思う。

当然、ほんの少しの期間しか知り合っていない人間を、それも犯罪の被疑者を信頼して、あろうことか逃走幇助をする等、浅慮と思われても仕方ないかもしれない。

しかし、本当に自分が正しいと思い、信頼できると思えるものであれば、信頼することを諦めてはいけないのだろうと感じた。同時に、映画では「正体」に触れることができていたが、それがもし虚偽であれば、誤ったものを信頼してしまうことになる。

映画でも、主人公の関わった人々が情報を持ち寄る集会を開いていたが、一側面に留まらず広く情報を収集し、信頼できる「正体」を見極めることの重要性を、この映画では説いているように感じた。
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