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御庭番衆（おにわばんしゅう）とは、江戸時代に第8代将軍・徳川吉宗が設置した、将軍直属の情報収集・諜報活動を行う秘密組織のことです。表向きは「御庭番」として江戸城の庭の手入れなどを行いつつ、実際には身分を隠して諸大名の動向や世情を探り、将軍に直接報告する「隠密（おんみつ）」の役割を担いました。フィクションでは忍者のイメージが強いですが、史実では将軍の命を受け、幕府の正規の監察官（大目付・目付）を補佐するような立場で、危険な任務を避けることもあった実務的な組織でした。
実像
将軍直属の諜報機関: 他の隠密と異なり、将軍から直接命令を受け、他の幕府高官を通さずに活動していました。
紀州藩からの人材: 吉宗が紀州藩主時代から引き連れてきた紀州流の忍者や下級武士が中心で、情報収集のプロフェッショナルでした。
情報収集の方法: 旅費を受け取り、町人などに変装して諸大名領地へ赴き、城の構造や町の様子、内情などを詳細に調査し、綿密な絵図を作成しました。
身分と組織: メンバーは秘密にされておらず、『武鑑』（幕府職員録）にも名前が載っており、旗本に昇進するなどエリート集団でもありました。
活動実態: フィクションのような危険な暗殺や戦闘は少なく、主に情報収集に徹し、危険が伴う調査は避けられました。
フィクションにおける御庭番衆
『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』などの作品では、将軍家を守る精鋭の忍者集団として描かれ、四乃森蒼紫（しのもりあおし）などが率いる「京都御庭番衆」などが登場します。
まとめ
御庭番衆は、徳川吉宗の治世下で、将軍の権力基盤を強化するための将軍専属の情報機関として創設され、実務的な情報収集活動を通じて幕府を支えた存在でした。