作り物の受け答えはしない様にする｜りゅーこの投稿-GRAVITY(グラビティ) SNS

その国には、白と黒の、たいへん可愛い動物がおりました。世界でそこにしかおりません。
「ご覧ください。可愛いでしょう？」
国の人は穏やかに言いました。
「しかしこの動物は、いま絶滅の危機にあります。人類共通の宝です。ですから我が国では、研究所を設け、保護と繁殖の研究を続けております」
海外の人々はうなずきました。なるほど、それは尊い取り組みです。

「もしよろしければ、みなさまもこの研究にご参加ください」
「参加費はいくらですか？」
「それはお気持ちで結構です。事情はそれぞれ違いますから」

しばらくして、ある国が研究への参加に興味を示しました。
すると国の人は微笑んで言いました。
「参加団体には、この動物をお貸しすることも検討できます。展示も許可しましょう。ただし一つ条件があります。我が国と貴国の関係が良好であることです。関係が悪いと、研究も交流も進みませんから」
「なるほど」とその国は言いました。

そして心の中で、こう考えました。
――逆に言えば、この動物を借りられている限り、我が国とこの国の関係は良好だと、誰の目にも映るということだ。
その考えは、口には出されませんでした。
出されることも、望まれていませんでした。

「ちなみに」とその国は慎重に尋ねました。
「他の参加団体は、どれくらいの“お気持ち”を？」
「そうですね……だいたい、これくらいでしょうか」
示された数字を見て、その国は少し黙りました。

「……それは、まるでレンタル料のようですね」
空気が、一瞬だけ冷えました。

「そのような考えの方には、お貸しできませんなあ」
国の人は静かに言いました。
「この動物は売り物ではありません」

「失礼しました。撤回します」
その国はすぐに言いました。
「研究への参加について、改めてお話を」
「よろしい」
国の人はにこやかにうなずきました。
「では続きを」

こうして今日も、白と黒のたいへん可愛い動物は檻の中におりました。国と国の関係がどうであるとか、“参加費”がいくらであるとか、ましてやそれがレンタル料に似ているかどうかとか、そんなことはその動物はまったく気にしていません。

ただ、“お気持ち”によって守られ、与えられた竹を食べ、穏やかに一日を過ごしていました。

その姿は、とても可愛らしいものでした。

●●●100kmウォークチャレンジ●●●
げっつです。
2025年も新しい学びや挑戦を重ねてきました。
今年１番の挑戦は「24時間100kmウォークチャレンジ」でした。
ルールは大阪城公園を8:00に出発し、50km先の垂水を折り返し翌朝に大阪城公園に戻ってくること。参加者は147人で順位はなく24時間以内に戻れば「完歩証」がもらえます。
当日は14人の仲間と参加しました。
10kmごとのチェックポイントで写メを撮り、グループLINEに送ることで仲間と現在位置の共有をしました。
一緒に練習歩行をした初参加のこまちゃんと「練習で半分は歩けたからワンチャン100kmいけるかもね！」と2人で話していました。
16:00過ぎにお腹が空いてきたので7人で牛丼屋へ。
「残りあと67km～！乾杯～」「まだまだあるなぁ～」と楽しく食事をしました。
この日は天候が悪く時々雨が降っていたのですが、折り返し地点付近で豪雨に襲われました。
数分間のことでしたが大きく体力を削られました。
折り返し地点に到着すると、仲間の大森さんが「おつかれさまです。
あと半分がんばって！」とカップラーメンを用意し、ふるまってくれました。
雨で冷えていた身体も温まり、最高に美味しく感じました。
70kmを超えると4人のグループになりました。
夜中になると疲れもピークに近づき、リタイアするメンバーも出てきました。1時間おきにエネルギー補給という名の休憩をコンビニで繰り返しました。
「あと20km」「あと10km」気持ちは高まるけど身体が限界に近づきます。
それでも「練習の成果でてるね」こまちゃんと私は意外と元気でした。
水ぶくれができたり、筋肉痛で痛みが増します。それでも音楽を流しながら歩き続け、最後は4人で手を繋いでゴールしました。
完歩したのは50人。
そのうち私たちの仲間は7人でした。