夏休みの読書感想文ってのが定番だけれど自分の感想を拾うのはすごく難しい。褒められたいとか良く見せようとか恥ずかしいとか笑われたくないとか、無意識に常識の壁がでてきて本当の感情ってわからないものだから。そんなの取っ払った裸の自分になって聞いてみたらホントの感想がぽんと出てくる。
と云いながら、一枚の紙切れを渡わたしました。ジョバンニはその人の卓子の足もとから一つの小さな平たい函はこをとりだして向うの電燈のたくさんついた、たてかけてある壁かべの隅の所へしゃがみ込こむと小さなピンセットでまるで粟粒あわつぶぐらいの活字を次から次と拾いはじめました。