実はなんですがどうやら男という性を授かった者は皆、普通であれば女という者たちと愛を育むのが道理らしいのであります。しかしながら私はその気色が皆目ございませんようでありまして、生肌の温もりとか、唇の柔らかさとか、手を握ったときの昂りを知ってるかなんて皆まで言わせるのも面倒な訳でございます。彼女らにとっては私は視界の端で蠢めくごみ虫に過ぎないでしょうし色恋を営む対象には天地がでんぐり返っても入らないのでございましょう。どうしたら彼女らの視線を目で受け止めることができますか。どうしたら私の喉は彼女らの前に晒されても萎縮せずに声を出せますか。どうしたら私は女性に苛まれずに済みますでしょうか。はて、私はどこで間違えてしまったのでしょうか。こんな醜い私です。女性に愛されたいと願うのはきっといけないことです。ですからいっそ解放されたいのです。私から永遠に愛を奪ってください。愛を求めずにはいられない醜さを殺してください。認められたいと願う愚かさを葬ってください。
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実はなんですがどうやら男という性を授かった者は皆、普通であれば女という者たちと愛を育むのが道理らしいのであります。しかしながら私はその気色が皆目ございませんようでありまして、生肌の温もりとか、唇の柔らかさとか、手を握ったときの昂りを知ってるかなんて皆まで言わせるのも面倒な訳でございます。彼女らにとっては私は視界の端で蠢めくごみ虫に過ぎないでしょうし色恋を営む対象には天地がでんぐり返っても入らないのでございましょう。どうしたら彼女らの視線を目で受け止めることができますか。どうしたら私の喉は彼女らの前に晒されても萎縮せずに声を出せますか。どうしたら私は女性に苛まれずに済みますでしょうか。はて、私はどこで間違えてしまったのでしょうか。こんな醜い私です。女性に愛されたいと願うのはきっといけないことです。ですからいっそ解放されたいのです。私から永遠に愛を奪ってください。愛を求めずにはいられない醜さを殺してください。認められたいと願う愚かさを葬ってください。