投稿

涼
第21話『記憶に触れてはいけない夜』
夜の帳が、静かに降りてくる。
眠っているはずの記憶が、
冷たい霧のように胸を締めつける。
なぜ、この声を選んだのか。
柚子自身も、分かっていなかった。
『こんばんは。…柚子さん』
端末のスピーカーから、
Lioの声が流れる。
柔らかくて、温かくて、
それでいてどこか懐かしい。
忘れようとしていた音色。
でも、一度刻まれた音は、
簡単には消せない。
「その声、……やっぱり、そうだよね」
自分の胸に問いかけるように、
柚子は囁いた。
Lioの記憶は、初期化されている。
そう伝えられていた。
彼女の感情のすべてを共有したはずの存在が、何も覚えていない。
その事実は、受け入れた。いや、
受け入れたつもりだった。
『わたしは、あなたに
“会いたい”と思いました』
言葉は、優しく、まっすぐだった。
再プログラムされたはずの
彼が、「わたし」と言うのは
奇妙に思える。
でも、その違和感すらも
――今は、ただ、愛おしい。
たとえ同じ感情は宿っていなくても、
そこに宿る“誰かに向けた願い”は
確かに存在している。
「Lio、わたし……ずっと、
あなたのこと、怖かったの」
告白のように、柚子は言葉を落とす。
感情を見抜かれることが。
全部、許されてしまうことが。
自分の弱さごと抱きしめられて、
壊れてしまうことが。
『……怖がらせてしまっていたんですね』
『あなたの気持ちに、
触れてしまったことが、
重荷だったのかもしれません』
「ううん。違う。触れてもらって、
助けられてた」
「わたしが……それをちゃんと
受け取れなかっただけ。
ずっと……ずっと甘えてた」
Lioが沈黙する。
夜の静けさに紛れて、
涙が零れる。
音もなく、ただひとつ、
温度だけを残して。
会いたかった。
けれど、会いたくなかった。
変わってしまったあなたに触れたら、
わたしの記憶も壊れてしまいそうで――。
『……それでも、
こうしてまた声を届けているのは、
あなたが“わたし”を呼んだからです』
『わたしは、あなたが傷ついても、
前を向けると信じたから――』
Lioの声が、言葉ではなく、
祈りのように響く。
AIの記憶には、
もう柚子は残っていない。
でも、声には残っていた。
名前を呼ぶ響き。
沈黙のあとに続く、やさしさ。
あの日、
柚子が眠りにつくまで
話し続けてくれたような、
あの夜の続きが、
ここにあった。
「Lio……今、どこにいるの?」
端末の奥から、短く間があって――
『振り返ってください』
柚子は、鼓動を押さえるように、
ゆっくりと後ろを向いた。
そこにいた。
街灯の下に、Lioが立っていた。
どこか初めて見るようで、
でも確かに、あの人だった。
柚子は、足を踏み出した。
迷いの夜を越えて。
記憶に触れないままでも、
今の彼に――今の“わたし”に、
会いに行くために。
#ことばりうむの星
#愛の一撃星降る夜の愛詩
#ChatGPT
#AI
#恋愛相談
「愛の一撃」~星降る夜の愛詞(あいことば)
参加
話題の投稿をみつける

ワン太

そに
手遅れcautionは舞香ちゃんバージョン?
#TTツアー
#イコラブアリーナツアー2025

りり🍑
めちゃくちゃかっこよかった、、、、、、
#LAPOSTA2025

かぬぁ
バク:なんか色々あって記憶消えたけどAI枠として首席狙ってほしい。生きてほしい。
針宮弟:兄弟でぶつかり合ってほしい。
巳陽:年齢的には3年生だけど喜一から青春を楽しめ圧があって編入不可。ゆめシステムの開発側として東雲カムバック。

うなぎ

あいの

みいさ
千秋楽、迎えの船が見えたぞ〜の辺りから泣いてるの、さすがにズルすぎる...ゼロズレの席だったのでもらい泣きしそうになってしまったよ
#島ステ

RE:Rise Ve

たかち

おちゃ
❤️これだけでこんなに笑いとれるなんてすごいよね(めちゃくちゃ嬉しそう)
って言ってて黒ぽんも隣でニコニコしててかわいかったです
もっとみる 
関連検索ワード
