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わんわん
ーーーーーーーーーー
最終話
モニターに映し出された文字。
・ドラえもんとの思い出
高額の思い出は、他にもある。
・家族との思い出
・おばあちゃんとの思い出
のび太はしばらくの間、懐かしむようにそれらの画像を眺めていた。
((≡゚♀゚≡))
ドラえもんは、のび太を探して町を走り回っていた。
ふと、前方にジャイアンとスネ夫が歩いているのを見つけた。
「二人とも! のび太くんを見なかった!?」
二人は顔を見合わせたが、ドラえもんの尋常じゃない様子に、ジャイアンがあわてて言う。
「お、おう! さっき見たぜ!? 『ゲーム機なんか、僕だって買える!』とか言ってたな!」
スネ夫が首をかしげた。
「思い出、とかいい言いながら、公園の方へ走っていったよ?」
ドラえもんは、4次元ポケットからどこでもドアを取り出した。
(のび太くん!! もし、大切な思い出を無くしてしまったら、もう、君は君でいられなくなるぞ……!!)
((≡゚♀゚≡))
のび太は、震える指でモニターに触れた。
ピッピロリロ〜♪ ピッピロリロ〜♪
不気味な電子音とともに、強烈なめまいがのび太をおそう。
突然、空間にひずみが生まれ、ドアがあらわれた。勢いよく開き、ドラえもんが飛び出す。
その目の前には、頭にラバーカップをのせ、呆然と座り込むのび太の姿があった。
ドラえもんの目から、みるみる涙が溢れ出す。
「……のび太くんはバカだ!! 大バカだ!! バカの王様だっ!!」
ドラえもんは、ピクリとも動かないのび太に抱きついた。
「……お金のために、いちばん大切なものをなくしてしまうなんてっ!!」
ドラえもんは、のび太に抱きついたまま号泣した。
「……誰が、バカの王様だって?」
ドラえもんは、聞き覚えのある声に顔をあげた。
のび太が、優しく微笑んでいた。
「 ……の、のび太くん!? 思い出を消したんじゃないの!?」
ドラえもんは、メモリーローンのモニターを見た。
赤い大きなバッテンの下にはこう書いてある。
・新しいゲーム機が欲しいという思い出 −1,000円
「僕にだって、本当に大切なものくらい分かるよ、ドラえもん!」
のび太は夕日を浴びながら、恥ずかしそうに笑った。
『メモリーローン』 完
#メモリーローン
#連載小説

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バトルはかなり工夫が必要なゲーム性になってる

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まりん
+の思い出も−の思い出もどちらもあってこその、今の自分だもんね のび太くん、気づいてえらい
jiro-chan
まるく収まって良かった〜✨[ほっとする]✨
オレンジのしずく🧡
ドラえもんとの思い出消えなくて良かった~ε-(´∀`;)ホッ♡ 最後、私まで泣いちゃいそうになったよ(´;ω;`) お金は使っちゃったけど、でも大切な思い出は消さなかった…結果オーライだね(*´∀`*)🍥
🕊🌷🫧maki
😭✨✨