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ひろみ
静かに、限界を迎えていた。
頭が回らない。
過緊張に蝕まれ、熱は上がったり下がったり。
頭痛に耐えながら、それでも仕事を続けていた。
夜――
呼吸が苦しい。
窓を開け、何度も空気を入れ替える。
それでも眠れない夜が続いた。
食事は外食が増え、
家事はすべて夫に任せていた 。
熱が引かず、大学病院を訪ねた。
しかし、検査結果は「異常なし」。
原因不明の体調不良。
自分は、医療難民になっていた。
耳鳴り、耳の詰まり、立ちくらみ、めまい。
次第に、音も、平衡感覚も奪われていった。
診断名は――低音障害型感音難聴。
常にある微熱。
つきまとう倦怠感。
思考は鈍り、判断力も失われていく。
体の異変に、気づく余裕すらなかった。
診断がなければ、休職できない。
ただ、働き続けるしかなかった。
そして――決断の時が来る。
「休ませてください」
心療内科の扉を叩いた。
下された診断は――不安障害。
ようやく得た、「休んでいい」という言葉。
その瞬間、働かなくていい安心感と、
これから先の不安が同時に押し寄せた。
#不安障害について考える #心療内科 #過敏性腸症候群 #難聴 #不定愁訴

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