「漢」(おとこ)と読む 司馬遼太郎「 燃えよ剣」 司馬さんは「男」「漢」「おとこ」を使い分ける。「漢」の文字にしびれた一番好きなシーン。 病床の沖田総司「しかし土方さん新選組はこの先、どうなるのでしょう」「どうなる?」歳三は、からからと笑った。「どうなる、とは漢(おとこ)の思案ではない。おとこ、とは、どうする、ということ以外に思案はないぞ」「では、どうするのです?」歳三は乱世に生まれた。乱世に死ぬ。「なあ総司、おらァね、最後の一人になろうとも、やるぜ。地下でやつらに合わせる顔があるか」「私も、命のあるかぎり、土方さんに、ついてゆきます」