プラグマティズムの意義とそれに対する批判
プラグマティズムの意義
プラグマティズムは19世紀後半にアメリカで生まれた哲学で、主にチャールズ・サンダース・パース、ウィリアム・ジェームズ、ジョン・デューイなどが代表者です。
その核心は「真理の有用性」にあります。
🔑 キーアイデア
• 真理=有用性
真理とは、理論が実際に役立つかどうかで決まる。
例えば、ある考えが現実世界で有効に機能すれば、それは「真理」とみなせる。
• 知識=行為の道具
知識や理論は固定された普遍的真理ではなく、現実の問題解決のための「道具」として価値を持つ。
• 実践主義・経験主義
理論だけでなく、実際の経験や行動を重視する。
つまり、「考えたこと」ではなく「行ったこと」や「その結果」に価値がある。
• 民主主義的性格
ジョン・デューイは特に、教育や社会制度に応用し、プラグマティズムを「民主主義の哲学」として位置づけた。
✅ 意義
1️⃣ 抽象的理論からの脱却
思弁的で現実からかけ離れた哲学を、生活や社会に役立つものに引き戻した。
2️⃣ 科学との親和性
実験や検証を重視する科学的方法と相性が良く、近代科学の発展と並行して発展した。
3️⃣ 教育思想への応用
デューイはプラグマティズムを教育理論に応用し、「学び=生活の中での探究」と捉えた。
4️⃣ 社会改革への指針
理論を固定化せず、社会や制度を「改良できるもの」として考える進歩主義の源泉になった。
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⚡️ プラグマティズムへの批判
しかしプラグマティズムには批判も多くあります。
🔴 主な批判点
1️⃣ 真理の相対化
「役に立つもの=真理」とすると、真理が相対化され、普遍的基準を失う。
例えば、ある集団にとって有用な嘘が「真理」になる可能性がある。
2️⃣ 功利主義との混同
「有用性」が「善悪」と混同されやすい。倫理的に問題のある手段も、「役に立つならOK」という誤解を招く。
3️⃣ 理論の軽視
現実に役立つかどうかばかりを重視すると、理論的な深みや一貫性が軽視されがち。
4️⃣ 実証主義との衝突
科学的真理(再現可能性など)と、単なる有用性は別物という指摘もある。
5️⃣ 現状肯定の危険
現状を改善するより、現状維持に役立つ理論が「真理」とされがちで、体制批判を弱める
やっちん坊♂

サイダー
有用なものは有用だ、でよくね?
なぜそれが真理でもある必要があるのか。
理解が浅いだけかもしれないけど、印象として。

Zee
二刀流はスポーツ科学的にも不可能とされて来た
圧倒的なレベルで実現する人間が出て来て
それを証明した
次に続く者は居ない
プラグマティズムで行くと、可能と判断できるだろうが、それ以前では批判しているだろう
未知なる可能性に挑戦するか否かを集団で否定したは、進化を否定しかねない答えを肯定派は持つべき
puspisrow
私は哲学書には詩的な部分があると思います。それは論理的な思考のみで深淵の中を掻き分けていくあの作業をある意味で神秘的にさえ思えてしまうからかもしれません。純粋に論理的であるほど現実生活からの逃避が叶います。ある意味で他の本を読むのと動機は同じなので、現実に引き戻されるようなものにあえて手を出してこなかったのかもしれません。
すみません、プラグマティズムに触れたことがないので本質的な考察はできませんでした。

マルコ・アモレッティ
文脈にもよるが、基本的にプラグマティストと言うのは肯定的な内容で取り扱われることが多い
まあシカゴ学派は市場原理を考えるには有用だと思うけど。早い話がこういうのはツールとして使えばいいんだから、ハサミと同じく使いようでしょ

大沢木小鉄

雨乞井恋子

大沢木小鉄
シン
経験主義や実験主義を旨とする古典的プラグマティズムは、個人や社会を決して完成することのないものと見なし、その能動的な過程において個々の経験を解釈し、社会そのものを描写しようとするもの。
つまり、その経験や実験は既定の認識論的枠組みの中に閉ざされたものとなり、限られた解釈共同体の中で共有されるものになってしまう。そうなるとその解釈自体が保守的であり、既存の社会的な不平等を見逃してしまうとコリンズは指摘しているよ[穏やか]
詳しくはパトリシア・ヒル・コリンズの『インターセクショナリティの批判的社会理論』第5章を読んでね。
おか
無駄なものこそ面白いと思います。
バランスですね。
金儲けの裏にちょっとした哲学を隠していればいいのです。
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