これねえ…不思議な話なのですが、私は少年の頃、自分以外の呼吸音を聴きながら寝てたんですよ。むろん、誰もいませんよ。何回も確認したのね、これが自分の呼吸音で…うん、やっぱりもうひとつ呼吸音がする…といった具合で…。…で、小学生の私は「へえ、静かだと皮膚呼吸の音が聞こえるんだ。へえー」なんてバカなことを思っていたわけです。こちら、恐怖心は全くなかったので、困った記憶はいっさい無かったんですね。いつ頃なくなったんだろ?中学生?高校生あたりまでは聞こえていたような記憶がありますが、少し大仰な物言いをすると、自分が人としての道を踏み外したと自覚したあたりから、聞こえなくなったように思います…子供の頃は不思議なことがたくさんありましたね。大人になるにつれて、不思議なことをひとつずつ失っていったように思います。この世のルールを受け入れるたびに自然から離れれざるを得ない、そんな切なさとやるせなさを感じながら生きてきましたが…変わった子供だったなあと、思います…