貴方の本丸の、こわ〜い話【2026夏】
夏だ!百鬼夜行だ!怪談だ!
と言うことで、貴方の本丸であった(聞いた)こわ〜い話を教えてください!

志乃あめ🐈⬛
あれは確か夏至の日の真夜中のことでした。その日は遠征から帰還をして燭台切殿が用意してくださった夜食を食べながら大広間で他の刀剣男士と共にいました。大広間にいたのは遠征で同じ部隊だった鳴狐殿、五虎退殿、乱殿、蜻蛉切殿、同田貫殿。夜食を食べ終えた後、五虎退殿と乱殿は早く就寝するために部屋へ戻っていき、同田貫殿と蜻蛉切殿も明日の朝から出陣をするため部屋に戻ると仰ったので私も彼らと共に大広間を出ました。同田貫殿と蜻蛉切殿が先に各々の部屋に入り私一人だけとなり、本丸内の廊下を歩いていたのです。真夏なのにその日の夜は妙に涼しく、むしろ少々肌寒いほどで今思えば変な気温だったと思います。私の部屋は一人部屋でして角部屋にあり、部屋の外には井戸が見えるのですがふと井戸の方へ顔を向けると鮮やかな赤色が目に映りました。よく見ればそこにはザクロの木が。はて…井戸の傍にザクロの木などあったかと不思議に思いながらも、何故かザクロの木から目を離すことが出来なくなりました。いや、ザクロの木…というよりザクロの果実、といった方が正しいでしょうか。 【前編終】

志乃あめ🐈⬛
そこにいたのは全身が血塗れで不気味に笑う女の姿。嘲笑うように私を見下した後女はすうっと消えてしまい、その後私は意識を失いました。今ここで私がこの話をしているということは私の命は無事だったわけでありますが、あの時の女の笑った顔は今でも覚えています。しかし、彼女が何者だったのか、ザクロの果実との関係は何なのか。
ぬし様や他の刀剣男士や時の政府が何度か調査をしましたが詳しいことは不明なままで…ただ言えるのは、アレは生きている人間ではない、ということです。ですがまたアレが危害を加えると大変なので、石切丸殿と太郎太刀殿が祓い清めてからは何も起こることはなくなりました。まあ…短刀の子らは怖がって誰も近寄ることはありませんが。
ところで…皆様は「鬼を語れば怪至る」ということわざをご存知でしょうか?この世ならざるモノの話をしていると不思議な現象が起きるという意味のことわざなのですが…私の話したこの話も鬼や悪霊などの怪異であることは確かですよね。私めの話を聞いてしまった皆様の元に、悪霊が…あのザクロの果実の女の霊が現れないことを、願いまする。 【後編終】
小狐丸の体験談でした。

kuzuri
「……何年か前の夏のことなのですが。
その夜、僕は粟田口部屋ではなくて、隣の部屋で書き物をしていました。明かりがついていてはもう寝ている兄弟たちに迷惑がかかりますから。……あっご心配なく。そんなにたくさんではなくて、昼間に書き忘れていた雑事帳を書いていただけですよ。元より夜更かしするつもりもありませんし、翌日は夜戦担当でしたから尚更です。
ええと、それでですね、その日はたまたま卓上ライトの電灯が切れてしまっていたので、仕方なく行灯を使うことにしたんです。鯰尾兄さんが何かの工作をするときに切れてしまったのを言い忘れていたとかで。ちゃんと報告しなさいと、あとで一兄に叱られていました。極めても相変わらずうっかりですよね。
それはともかく。その行灯、押し入れの隅から出てきたもので、実は僕、それを使うのは初めてだったんです。普段は天井のLEDで、卓上ならそれこそ卓上ライトで十分ですから。今日に限ってそれを使うことにしたのは、同室で寝ている方がいたからなんです。その方は部屋の明かりをつけてもいいと言ってくださったんですが、慣れない畑当番でお疲れだったようなのでお休みを邪魔したくなくて。かといって食堂まで行くほどの量ではなかったので、ありがたく同じ部屋で書かせていただくことにしたんです。
→つづく

