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認知能力ではなく生きてきた世界の差異

4人部屋の病室の向かいにアラキさんという85歳のおじいちゃんがいる。 いわゆるモンスターペイシェントで、自分の常識と物語がすべてだ。 医者や看護師とどうでもいい質問で毎回無駄に時間を取る。手術の為に、食前にインスリンを打つのはわかる、ただ、素人考えだが、打った瞬間と5分後なら、5分後の方がいいと思うのだが、なぜあの先生は打った後すぐ食べていいといったのか。打った直後と5分後で効果が違うというデータはないのか。 なぜ私の持ってきた薬を取り上げたのか。自分で管理できるし、出来ないと病院が判断するなら倅に持ち帰らせるのですぐに返せ。 そのくせ、オムツでうんこが出ないと「死んだ方がマシだよ」「たすけてくれー」と延々呟いている。 気になって聞いてみた。 ご自分がおっしゃってることが道理に合わない可能性って考えたことあります? ご自身の道理を客観的に判断できる材料って出てないのに主張しても無理筋というか、なにが言いたいのかわからないですよ。 びっくりした後、口ごもってしまった。意味は伝わった思うので認知能力の問題ではない。 アラキさんの世界はそういう風にアラキさんに接してきた。でも病気になったら皆んな一緒だ。 私も体が辛くて配慮に欠けた。 でもずーっとこの調子で48時間はキツかった。 ダメ元がうまく行ったことあります?